アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

セクシャルマイノリティ…微積分より難しい

2015年07月28日 | Weblog
 山下敏雅さんという弁護士さん…最近よく聞く名前です。で、山下弁護士さんの講演会に行ってきました。およそ2時間、パワーポイントの画像を見せながら、呼吸していないんじゃないかとさえ思われる早口で、しゃべりっぱなし。
 これまで聴いた講演のほとんどは、睡魔との戦い…「時間の経過がこれほど遅いとは~~~っ!」と思うものが多かった。しかし、山下さんの話には引き込まれました。歯槽膿漏の痛みも、鼓膜切開の痛みも、頻尿も忘れていました。

 講演題は、「性的少数者と人権」副題が、「クラスに一人はいるセクシャルマイノリティ」。おそらく、団塊の世代のみなさんには、もっとも敬遠したい分野ではないかと…自分がそうだからかな。思い起こせば、学生時代(半世紀前)の友人には、毎日、新宿2丁目へ行っていた人もおりました。私も何度かですが行きました。もちろん、「ゲイ」の街とも知らずに。お断りしておきますが、私は、「ストレート(ゲイではない人をその筋の用語ではこう呼んでいる)」です。

 この秋に、成人向けの講演を三回やることになっているのです。一回じゃなかったのかって?増えるんですよ…これからもっと増えるかも知れません。人権に関わる講演ですから、「セクシャルマイノリティへの人権問題」を避けて通るわけにはいかない。かといって、よく分かりもしない分野について、知ったかぶりして話したくない。そんなわけで、セクシャルマイノリティに関する日本の第一人者である山下弁護士の話を聞こうと考えたわけです。このように、私の講演には、膨大な時間(寿命)とお金が費やされているのです。聴衆に恩を着せるつもりはありません。講師の良心です。私ごときものの話を、「命を削ってまで聴いてくれる」わけです。聴衆が、「アンティークマンの話を聴くことに寿命を費やしてよかった!」と思ってくれるような講演にしなければね。

 前置きはさておき…(前置き長っ!)どの話も興味深かったのですが、「性別について」が印象的でした。
 1 身体的性別…これはハッキリしています。
 2 性自認(心の性別)…これが難しいところ。病気なのか、障がいなのか、正常か?
 3 性的指向(嗜好、志向ではない)…こ、これも。
 例として…「身体的には男で、心は女であると信じ、男が好き」もあれば、「身体的には女で、心は男で、男が好き」これもある。組み合わせ自在…。バイセクシュアルの分野もあって、男女どちらにも恋愛や性愛の対象が向く…あるいは、同性か異性かなどという問いそのものを拒否する…。

 講演前は、「同性同士」の結婚を認めたら、人口はますます減るだろう…ぐらいの野次馬の発想を持っておりました。そんな軽い問題ではなかった。講演を聴いた後は、「もう人口なんて減るにまかせときゃいいや。人権を尊重して、好きなようにすればいい…」と、思いましたね。正気かって?基本的人権を尊重したら、そう考えるほかないんじゃないの?
 私は決心しました。私の講演では、セクシャルマイノリティについては、軽~く触れるだけにしますワ。自分で、咀嚼できていないもん。

 セクシャルマイノリティは、クラスに一人はいる…本人が気づかれないようにしているだけだ…。先生にカミングアウトしたら、「研修旅行楽しみましょうね」って言われる…。それは止めてくださいよ!とにかく、受容的態度、共感的理解…