アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「入れ墨を見せびらかしての恫喝」が、消えるかな?

2011年08月23日 | Weblog
 ヘアカットへ行きました。カッコつけないで、「床屋」といえよって?だって、世の中、「床屋は差別用語だ」と。私が行くヘアカット屋さんは、「1000円床屋」10人ほどのスタッフが、流れ作業で、「カット→顔剃り→洗髪→仕上げ」。速い!無駄話は一切なし。よって、20分もあれば、調髪完了。速くて安くて腕は一級。ただ…「床屋」が持つ「風情」はない。風情を求めたい人は、床屋へ行けばよい。私は、風情より、「速い」ほうがいい。「安い」は付け加えないのかって?料金は、高くてもいいのです。自分では出来ないことを、人様にやっていただくのですから。高くてもありがたいです。

 さて、小学1~2年生の男の子が、ヘアカットしておりました。父親とおぼしき30歳代の男が、理容師さんに、「ここは刈り上げて、ここは残す。ここは、階段状にカットしてくれ」。ぞんざいな物言いで、細かく注文をつける。
 私は、「1000円床屋へ来て、なんと注文が多いことよ!空気を読めよ」と、若干嘲笑してしまいました。この父親、暑いのに長袖Tシャツの上に、半袖Tシャツを来ている。右手の甲には、大きなアザが。理容師へ我が子のヘアスタイルについて注文をつける傍ら、スマートフォンで交信。
 「おい、階段って言っただろう!エスカレーターだよ!ったくぅ…」と、強く言う場面も。階段がエスカレーターに昇格してしまった…。

 ありゃ?左手の甲にも大きなアザが!さらに、左手の指の甲にも…これは、よく見ると、梅の花…?そうなんです。アザだと思ったモノは、入れ墨でした。長袖で隠してはおりますが、両腕にも入れ墨がある様子。手の入れ墨は、隠しようがないからそのまま見せているということ。
 大変な入れ墨ですから、田舎の暴力団の中堅どころなのでしょう。しかし、「しのぎ」が不景気とはいえ、1000円床屋に子供を連れてくるなよなー!暴力団も落ちぶれたモノです。

 「絵画」は、著作物です。これは、キャンバスに描こうが、神田日勝のようにベニヤ板に描こうと、著作物。
 では、人体に描いた作品は、著作物か否か?つまり、入れ墨は彫師の著作物なのかということですけどね。

東京地裁の判断は、「(入れ墨の)思想が創作的に表現されている場合は著作物にあたる」と。
 難しいですよ。「思想が創作的に表現されているかいないか」を、判断するのは誰?彫師が、自ら判断するのか?客観的な判断など出来ませんよ。最終的には、裁判所が判断するのでしょうけど、「なんでも鑑定団」に外注しないと無理だと思いますがね。入れ墨が著作物という判決には賛同できません。

 著作権法の目的は、「著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする」です。入れ墨が、「文化の発展に寄与している」…どこがよ?文化であることは認める。しかしBUT!「発展に寄与」は、ない。
 
 入れ墨が著作物になってよかった点も見つけました。
 1 著作物ですから、彫師の許可を得ずに人に見せてはいけない。つまり、温泉やプールで入れ墨を見せては著作権法違反!入れ墨の見せびらかしがなくなります。よかったよかった。
 2 入れ墨した人が、痩せたり太ったりした場合、著作物を毀損することになる。ましてや、硫酸をかけて入れ墨を消そうなんてとんでもない。生涯、入れ墨の体で社会の隅っこで生きていくしかない。可哀想ですが、そうしてください。

 「そんなこと言うなよ。入れ墨を入れた人間にも、人権ってものがあるだろう!」だって?…入れ墨を入れたら、「からだ自体が著作物」なのですから、「人権」を「著作権」に変えたってこと…もう人ではないので、人権はどうでもいいのです。