おりおん日記

電車に揺られて、会社への往き帰りの読書日記 & ミーハー文楽鑑賞記

「悲桜餅」 和田はつ子

2011年10月10日 | わ行の作家

「悲桜餅」 和田はつ子著 ハルキ文庫 2011/10/09読了 

 

 同じハルキ文庫で高田郁の「澪つくし料理帖」シリーズには、必ず、和田はつ子の「料理人季蔵捕物控」シリーズの宣伝が載っている。二つのシリーズはハルキ文庫的「料理は人を幸せにしてくれる」という括りになっているらしい。で、初めて「料理人季蔵捕物控」を読んでみた。

 

 日本橋・塩梅屋の季蔵は、元武士から料理人に転じた異色の経歴の持ち主。先代から跡継ぎとして見込まれたのは、実は、剣の腕があってこそ。表の「料理屋の主」だけでなく、法では裁き切れない悪者を密かに処刑するという隠れ者としての裏稼業まで引きつぐことになってしまう―というところがストーリーのベースになっている。

 

 「捕物控」というシリーズの名前通り、料理小説というよりも、時代ミステリー的な色彩が強い印象。主人公の季蔵が、そこそこのオッサンということもあり、少女漫画チックな「澪つくし料理帖」シリーズとは別の味わいがあるのかな…と興味深く読み始めていたものの、何かがひっかかる。読めば読むほどに、こじつけっぽいく、色々なものがあまりにも都合よく裏で結びついている。つまり、ミステリーの部分が「お見事!」という感じでスッキリと頭に入ってこないで、「なんだ、結局はそういうオチなのか」とちょっとガッカリさせられるような陳腐さが匂ってくるような感じ。この時点で、私の頭は「ケチをつけてやりたい」モードに入ってくいるので、ハルキ文庫のうたい文句にあるような「料理は人を幸せにしてくれる」という効用もイマイチ感じられなかった。

 

 シリーズがすすむにつれ、面白くなっていくのだろうか??? 今のところ、最終評価はペンディング。

 



コメントを投稿