「TVJ」 五十嵐貴久著 文春文庫 (08/04/29読了)
めちゃめちゃ面白かった~!なにしろ「スピード」と「踊る大捜査線」と「交渉人 真下正義」のおいしいところ全部楽しめます-みたいなストーリーです。スピード感たっぷり、ハラハラドキドキワクワク。ちょっと意地悪な目でみると、突っ込みどころもいっぱいあるのですが、でも、そんな小さな齟齬が気にならないぐらいに五十嵐ワールドに引きずり込まれました。
舞台はお台場のテレビ局(って、フジテレビ?)。新社屋移転記念のクレイジーな72時間生放送番組の冒頭、いきなり、テロリスト集団に乗っ取られるのです。ハイジャックならぬテレビ局ジャック。ちょっとした事情で気合を入れて髪をセットして、いつもよりオシャレをして出勤してきた経理部OLの由紀子ちゃんが、心ならずも、その事件に巻き込まれ、髪も服もボロボロになりながらサンドラ・ブロックなみの大活躍。しかも、由紀ちゃんがすごいのは、キアヌ・リーブスがいないのに一人で最後まで頑張ったところ。途中から、かなり応援モードに入ってしまいました。
ただ、文庫の表紙がいけません。なんか、いかにもB級映画っぽい、一昔前なら高島礼子、今時なら米倉涼子をイメージして書いたようなイラスト。もしも、予備知識なく、本屋でこの表紙みたら、ちょっと買う気が減退しそうな…。そもそも、由紀ちゃんは、男勝りキャラではなくて、いかにもフツウのOL。それが、火事場の馬鹿力で、泣きながら、追い詰められながら、なんとか踏みとどまるような感じなので、表紙とストーリーがズレているような気がします。あと、タイトルも、ちょっと…。陳腐な(失礼!)タイトルと表紙には、いい意味で裏切られました。
実は、冒頭50ページぐらいはちょっと退屈というか…その部分はあまりスピード感がないのですが、後半になって「ああ、あれも伏線だったのね」と思うモノが幾つも埋め込まれています。ただスピード感だけでない、宝探し的な楽しみも与えてくれる素晴らしいエンターテインメント作品です。でも、私は、この人が書いたものであるならば「交渉人」(真下正義とは何の関係もない別作品)のがイチオシです。
めちゃめちゃ面白かった~!なにしろ「スピード」と「踊る大捜査線」と「交渉人 真下正義」のおいしいところ全部楽しめます-みたいなストーリーです。スピード感たっぷり、ハラハラドキドキワクワク。ちょっと意地悪な目でみると、突っ込みどころもいっぱいあるのですが、でも、そんな小さな齟齬が気にならないぐらいに五十嵐ワールドに引きずり込まれました。
舞台はお台場のテレビ局(って、フジテレビ?)。新社屋移転記念のクレイジーな72時間生放送番組の冒頭、いきなり、テロリスト集団に乗っ取られるのです。ハイジャックならぬテレビ局ジャック。ちょっとした事情で気合を入れて髪をセットして、いつもよりオシャレをして出勤してきた経理部OLの由紀子ちゃんが、心ならずも、その事件に巻き込まれ、髪も服もボロボロになりながらサンドラ・ブロックなみの大活躍。しかも、由紀ちゃんがすごいのは、キアヌ・リーブスがいないのに一人で最後まで頑張ったところ。途中から、かなり応援モードに入ってしまいました。
ただ、文庫の表紙がいけません。なんか、いかにもB級映画っぽい、一昔前なら高島礼子、今時なら米倉涼子をイメージして書いたようなイラスト。もしも、予備知識なく、本屋でこの表紙みたら、ちょっと買う気が減退しそうな…。そもそも、由紀ちゃんは、男勝りキャラではなくて、いかにもフツウのOL。それが、火事場の馬鹿力で、泣きながら、追い詰められながら、なんとか踏みとどまるような感じなので、表紙とストーリーがズレているような気がします。あと、タイトルも、ちょっと…。陳腐な(失礼!)タイトルと表紙には、いい意味で裏切られました。
実は、冒頭50ページぐらいはちょっと退屈というか…その部分はあまりスピード感がないのですが、後半になって「ああ、あれも伏線だったのね」と思うモノが幾つも埋め込まれています。ただスピード感だけでない、宝探し的な楽しみも与えてくれる素晴らしいエンターテインメント作品です。でも、私は、この人が書いたものであるならば「交渉人」(真下正義とは何の関係もない別作品)のがイチオシです。