「Fake」 五十嵐貴久著 幻冬舎文庫 (08/04/05 読了)
ううううーん。途中から、唸りながら、読んでしまいました。五十嵐貴久という人は、すごく能力の高い書き手であると思うし、決して、面白くなかったわけではないけれど、私好みではなかった。同著者の「交渉人」の圧倒的な面白さに比べると、ツメが甘い。人物設定もややリアリティに欠けるし…。特に昌史少年、西村パパは主要人物にもかかわらず、描かれ方が中途半端。
重箱の隅をつつくようなことですが、地下鉄の虎ノ門の駅から出てすぐのところに文部科学省があるという記述は正解。物語のキーマンが文科省の建物から出てきて、タクシーに乗り込んで「財務省まで行ってくれ」というのは、ありえないことです。だって、文科省と財務省は隣同士で、徒歩でも1分。もちろん、読者の多くは、霞が関の官庁街の地理に熟知しているわけではないから、ストーリーの邪魔にはならないのかもしれませんが…でも、こういうディテールのリアリティが、物語全体のリアリティにつながるのではないかと思うのです。
そして、これは単なる個人的なシュミの問題だけど、やっぱり、なんとなく、犯罪行為には肩入れできないというか…主人公たちに共感できないまま物語を読み進んでいるので、本来ならワクワクできるはずのヤマバでも、いまいち、ワクワクできないのですよ。そして、最後が、あまりにもベタでした。息のつまるようコンゲームを展開した挙句、最後が、これ??? と、批判ばかりしてしまいましたが、要するに、「交渉人」の方が500倍面白いということです。
ううううーん。途中から、唸りながら、読んでしまいました。五十嵐貴久という人は、すごく能力の高い書き手であると思うし、決して、面白くなかったわけではないけれど、私好みではなかった。同著者の「交渉人」の圧倒的な面白さに比べると、ツメが甘い。人物設定もややリアリティに欠けるし…。特に昌史少年、西村パパは主要人物にもかかわらず、描かれ方が中途半端。
重箱の隅をつつくようなことですが、地下鉄の虎ノ門の駅から出てすぐのところに文部科学省があるという記述は正解。物語のキーマンが文科省の建物から出てきて、タクシーに乗り込んで「財務省まで行ってくれ」というのは、ありえないことです。だって、文科省と財務省は隣同士で、徒歩でも1分。もちろん、読者の多くは、霞が関の官庁街の地理に熟知しているわけではないから、ストーリーの邪魔にはならないのかもしれませんが…でも、こういうディテールのリアリティが、物語全体のリアリティにつながるのではないかと思うのです。
そして、これは単なる個人的なシュミの問題だけど、やっぱり、なんとなく、犯罪行為には肩入れできないというか…主人公たちに共感できないまま物語を読み進んでいるので、本来ならワクワクできるはずのヤマバでも、いまいち、ワクワクできないのですよ。そして、最後が、あまりにもベタでした。息のつまるようコンゲームを展開した挙句、最後が、これ??? と、批判ばかりしてしまいましたが、要するに、「交渉人」の方が500倍面白いということです。