見出し画像

もんく [とある港街の住人]

拘束14時間で夜勤なんて!

今朝仕事場に来てみたら
現場管理の人間ともう1人が昨夜の定時開始時刻より2時間早く出勤したと言う。

何故かはすぐにわかった。
昨日は公休で今日は通常日、夜勤は公休日の夜から始まる。
機械と生産が停止しているところから始めるには機械を温めないといけない。
温めるにはちょっと時間がかかる。

だからアシスタントが早出させたのだ。
それで心配な事がいくつか。

その1、ちゃんと早出の分の給料は出るのか?
一応申請すれば出るらしい。

その2、会社的に了解されているのか?
これは了解無し。単に人事の担当にこう言う事があると言ってあるだけ。
個別に言ってない。会社組織として問題あり。

その3、安全は確保されているか?
これにはいくつかの点で懸念がある。

まず、工場に出てくる時に全く暗くはなっていないだろうけれど
そろそろ暗くなる時刻のはず。路上強盗だった無いとは言えない。

次に、2時間早く出ると合計12+2時間で14時間拘束になってしまう。
しかも夜勤。
夜勤前だとしても公休日に友達と遊びに行ってほとんど眠れないで仕事、
そう言う事だって十分にある。
もし遊びに行かないにしても同室の人間がテレビでも見ていたり、
ゲームをしていたりして眠れない、それもあり得る。

普通に考えて週に6日、拘束12時間、通勤含めて13~14時間、
それすらももう長すぎる。限界のはず。


全くもって給料が出ればとか生産が上手くできればとか
それ以前の話で、そう言う事に気遣えないのか。


今回早出したうちの1人はネパールから来ている。
字は書けないが素直な人間だ。
彼は国で多くの借金をしてマレーシアへの切符を手に入れた。
それを毎月返しながら仕送りもしながらやっている。
だから残業をたくさんしないと儲からない。

ただ、もし怪我でもしたらどうなる?
エージェントにマレーシアに払った人頭税やら何とか手数料やら引かれに引かれ、
多分それだけで遡って2か月ただ働きになる。
きっと国に借金も残る。

そうすると何のためにマレーシアに来たのかわからなくなる。
世の中不利な人間が徹底的に不利になるようにできているものなのだ。




幸か不幸か、わりあい恵まれている自分たちには想像力を働かす以外に
彼らの事をわかる術はない。
彼ら本人とて自分はできるだけ残業やってお金もらってとしか言えない。

安全とか労働環境とか、そう言う彼らにとって、自分たちにとって
何も無ければ気にしなくて良いような概念みたいなものは
その何も無い時点で管理するとか、しようとするのはかなり難しい。
ましてその管理者に共感力や想像力が無いとしたら、
もうほとんどこうした手を使う労働は奴隷労働に限りなく近づくしかないかもしれない。
そして最後には誰かが傷付く。
最悪は死ぬ。

だからそのずっとずっと手前に1本線を描いておいて
誰が何と言っても止めるのが必要なのだと思っている。
別にキレイ事なんて言うつもりは無いけれどね。



ちょうど今朝出勤前にこんな記事があった。
鴻海iPhone工場で自殺した彼らを追い詰めたもの
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「マレーシアでニャー」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事