地球に夢中研究所

肺ガンIV期。自身のガンを治しつつ、世界の人々の健康への貢献を目指す、「地球に夢中研究所」代表 太田和廣の日記。

映画評、ヴィヨンの妻、の補足

2009-11-09 21:13:34 | 文化
原作を読み返してみてぶったまげた
これがあの映画になったなんて!
原作はもっと殺伐としていて悲惨だ
その中に僅かなユーモアと人間性、ほんの僅か
だから最後の言葉が印象的になる
映画はそんなことは十分承知の上で捉え方を大きく変えた
例えば冒頭、松たか子と伊武雅刀と室井滋が揃って深刻的な話をしてる中笑ったらいけない場面何故かついつい笑いがこぼれる場面
原作は悲惨そのもの
でも映画は微妙につられ笑いしそうなぎりぎりユーモア側だ
この微妙な狙いを脚本、演出、役者がみな共有してひとつの世界を作った
私、原作を読んでたけど中身まるで忘れてたけど、もし覚えてたら行ってなかったんじゃないかなあ、だって原作悲惨すぎるから
そんな人のため、少しだけネタばれさせて
飲み屋の若いお客さん、原作では最悪な展開を繰り広げるが(そこ、映画に行きたくなくなるポイントだと思う)、映画ではまるで違う
妻夫木くんが演じてるんだけど、彼がまたええ味出してるんだ
かなり地味な性格の役だが、画面のすみっこにいるだけでワクワクしてしまうような

結論
原作は読まなくていいから映画観るべし