地球に夢中研究所

肺ガンIV期。自身のガンを治しつつ、世界の人々の健康への貢献を目指す、「地球に夢中研究所」代表 太田和廣の日記。

書評・太宰治「きりぎりす」

2008-07-09 19:44:29 | 文化
短編集
日本の小説の中で一番面白いと思う太宰治としては正直イマイチ、と思いながら読み進めてた
最後のほうの作品「風の便り」を読むまでは
最後の数行の力
それまでの文章で引き込まれた世界観ががらりと変わる
どんでん返しという意味ではない
見え方が変わるという意味
こういうの好きなんだ
十分に魅力的な世界が、最後の一言で、別の魅力を持つ
そんな歌を作りたいものだ
「風の便り」だけのために買う価値のある本
でも太宰のもっと人気の短編集は全編面白かったりする