温泉クンの旅日記

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成田で浅酌

2016-01-13 | 食べある記
  <成田で浅酌>

(店名は親しみがあるが、ちょっとなんとなく入りづらい店だな・・・)



 ようやく今日、延び延びになっていた成田の新勝寺に出張ってきて、飼い猫「海」の病気快癒のお礼参りができたのである。



 参詣をすませると前にいった店で浅酌でもしようかと暖簾をくぐったところ、予約客で満席だとすげなく断られた。申し訳ありませんが本日は予約客のみの営業とか貼り紙しとけよ。こちとら言わないが遠くから来たんだ、ちったあ近江商人を見習え、と思わず悪態をつきたくなる。

 あるとき、石田光成や秀吉ゆかりの長浜で夕方に食事処を探して店に入ると予約客で満席と断られた。回れ右して出ていこうとすると、「お客様」と呼びとめられる。予約客が来るまで一時間半ほどある卓があるのでいかがでしょうかと言う。一時間半なら酒も食事も可能だから二つ返事で飛びついたのだった。客と店、両者ともにメリットがあるまさに<ウィンウィン(古いかな)>の状態だ。

 店の内部が見えない。階段を降りたところにある店の前で躊躇っていると、別方向、前方からきた独り客が店の扉をあけた。
「いらっしゃいませ!」
 男女複数の店の従業員がいかにも威勢のいい声で迎える。
 その声で心が決まり、締まりかかった扉を開いて店のなかに入る。
「いらっしゃいませ! カウンターでも、テーブル席でもお好きなところへどうぞ」





 意外と大箱の店である。
 いくつも並ぶビールケースを使ったワイルドなテーブル席のひとつに陣取り、まずは無難な芋焼酎と鮪ぶつを注文した。



 呑みながら壁にある無数のメニューを点検する。



 大好きな秋田の酒「高清水」があるぞ、というか潔いほど一種類のみで、高清水しかない。ならばと高清水に切り替え、ついでに目玉焼きを頼む。



 大阪を思いだして串揚げも追加する。





 メニューの貼り紙のなかに「お一人様五杯まで」をみつけ、ますますこの店気に入った。
 気がつけばガラガラだった店内も半分ほど埋まってしまっている。客層もくつろいだカップルや女性二人連れも多いのをみて、一見客でも安心して呑める店だと納得する。

 東京が今季一番の最低気温になったとき、始業前の職場で交わした会話を思いだして頬がゆるんでしまう。
「東京も寒いが、成田は氷点下だそうだよ」
「やっぱりあそこは山ですから、寒いんですよ」
「!?」
 成田の近くに山なんてあったっけか・・・ははぁ、新勝寺の山号の「成田山」を勘違いしているのだな。わざわざ人前で朝から恥をかかせることもない。さりげなく、違う話題に持っていくことにしたのだった。

 先ほど追加した「チーズの醤油漬け」が妙に旨くて酒がどんどん進む。



 浅酌なので貼り紙どおりの、ピタリ五杯で勘定してもらう。
 駅前の立ち食い蕎麦屋に入ったら自販機に酒があったので、それとラーメンで今宵の浅酌を締めたのであった。
 ほどよく呑むことを浅酌(せんしゃく)というのだが、「程」を過ごしたような気もしないではない。




  →「成田初参詣(1)」の記事はこちら
  →「成田初参詣(2)」の記事はこちら
  →「成田のヒラメ」の記事はこちら
  →「愛猫近影」の記事はこちら

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