温泉クンの旅日記

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黒酢の甕壺畑 鹿児島・霧島

2009-11-29 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <黒酢の甕壺畑>

 日曜の朝、布団のなかでもうひと眠りしようかどうしようか迷いながらテレビ
をつけて、画面をなんとなく観ていた。

 あれっ! このひと、知っている。
 画面に、観たことある顔が映っていてびっくりして思わず寝ぼけマナコをこら
してしまう。
 六時前の通販番組である。
 バックに映っている、甕壺畑をみて思い出した。

 黒い陶器の甕坪が整然とならぶ畑の向こうに海と桜島が見える・・・そんな
風景を撮りたくて鹿児島にでかけたときのことだ。



 まず最初に行ったところは観光客専門のようなところで、甕壺が整然と並んで
いるのはいいのだが、ひとつひとつがガッカリするほど小さなものだった。
 その次に行ったところが、テレビに映っているところだったのだ。

「よくいらっしゃいました。どうぞどうぞ、ご案内しましょう」
 車を駐車スペースにとめて、小さな工場のような建物に歩いていくと、作業着
姿で気さくに出迎えてくれたものである。
 甕壺の写真をとらしてもらうだけでいいのですが、とも言い出せず好意に甘え
ることにした。

 まず、黒酢ができあがるまでの工程を図で丁寧に説明してくれる。ちらっと
見た、背後にある甕壺畑は、思っていたとおりの理想的な大きさの甕である。



 黒酢は蒸し米と米糀と地下水で仕込み、南国の強い太陽エネルギーで発酵させ
るのだ。



 甕壺のなかは上から上糀、振糀、地下水、玄米、掛け糀、下糀、立糀という
構成である。仕込み、アルコール発酵、酢酸発酵、熟成、という順で製品にたど
りつく。

 それから工場へはいると、刺激的な酢の匂いでなかは、むせ返るようであった。



 そして、いよいよ甕壺畑に案内された。



 これは三ヶ月目、これは半年目、熟成の経過期間の違う甕ごとになかを覗かせ
てくれる。



 若い甕壺は、思わずのけ反るくらい強烈な酢の匂いが襲う。



 熟成まで一年から二年、早いものでも一年くらいいるという。



 甕壺畑は高いフェンスで、囲まれているが酢がはいった甕壺を盗むような物好
きはいるのだろうか。
 訊いてみると、和歌山の砒素入りカレー事件がきっかけとなってここら一帯の
どの甕畑もフェンスで囲うようになったという。はるか遠く離れた和歌山県の
事件が、鹿児島県の黒酢の甕壺畑まで影響が及ぶとは知らなんだ。

 盗まれないようにではなく、甕になにか毒物などを混入されないようにとの
ことである。
 この甕畑のフェンスは異常が発生すると、信号が警備保障会社に送られるよう
な最新の防犯システムになっているそうで、驚く。

 あいにく霞んでいて、青い海と桜島を背景に黒い甕という写真はとれなかっ
たが、甕壺畑を充分堪能できた。
 見学をひととおり終えると奥さんにバトンタッチして、事務所のような
ところで、何種類ものお酢の試飲をさせてくれた。



 お酢の土産を見学料代わりに購入したのはいうまでもない。


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2 コメント

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教えてください (ジョンストンス)
2012-03-10 17:19:17
もし可能であれば見学をされた黒酢工場の名前など詳細を教えてください。
返信する
黒酢工場 (温泉クン)
2012-03-12 20:06:32
ジョンストンスさん、コメントありがとうございます。

気がつくのが遅れて申し訳ありません。

最初に行ったのが「坂元醸造株式会社」です。
次の見学したところが「株式会社 黒酢の杜」。
どちらも検索できますが、黒酢の杜のほうをお勧めします。

余計なことですが、血圧でしたら、根昆布水も併用されるといいかと。
返信する

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