温泉クンの旅日記

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湯田上温泉(1) 新潟・南蒲原郡

2018-08-19 | 温泉エッセイ
  <湯田上温泉(1) 新潟・南蒲原郡>

「あのぅ・・・『とらつえはま』って、まだだいぶ遠いですか?」
 その昔、北海道の登別温泉から苫小牧に向けての移動中、ガソリンスタンドで給油している従業員に虎杖浜温泉について訊いたら、反射的にまずはポカンとして、そうして一拍置いて「ぷっ」と噴き出した。失礼きわまりない。



「ああ、それって『こじょうはま』のことですね。あと十五分も走れば着きますよ」
(なんだよ<こじょうひん>じゃなくて<こじょうはま>なのかよ。麻婆飯をマーボめしって言うみたいな、ハンバな中華料理みたいな名前つけやがって!)
 しまったぜ。キラキラ目を輝かせ訊いてしまったから格好悪いことこのうえない。顔を赤くして礼をいって代金を払うと、一目散にスタンドを飛び出したが、漢字に強い自信が秘かにあったのだが、あのときに脆くも崩壊してしまった。

 湯田上温泉の宿は、思わず住宅街に迷いこんだのかと思うようなちょっと高台の場所にあった。



「ここの温泉ですが、『ゆだがみ』温泉という読み方で正しいですか」
 部屋に案内してくれた仲居さんに訊いた。地名とか温泉地名は素直に地元で訊くほうがよろしい。
「いいえ、濁らずに『ゆたがみ』といいます。このあたりの田上町(たがみまち)という地名からついたようで」
 本当に地名は難しいものだ。
 温泉地名にいたっては、湯田上温泉(新潟)と湯田川温泉(山形)とか、小野上温泉(群馬)と小野川温泉(山形)とか似たもの同士が複数存在し、まことに混同しやすい。



 今日、わたしは掟破りをしてしまった。二食付きの宿泊のときは早め軽めの昼食にする、というわたしの旅の掟のひとつだ。
 新潟市内で入ったステーキ店で、ハンバーグでも食うかとメニューをみていると、見目麗しい女性店員に、リブ・ロースステーキ(250g)がイチオシですと強く薦められ、鼻の下を伸ばして注文してしまったのである。



 初めて食べたリブ・ロースだが、こいつがべらぼうに旨かった。ライスもすすむことこの上無い。空きっ腹のギャートルズか山賊なみに肉と飯をバクバク食べてしまった。いままでサーロインが最高だと思っていたがリブ・ロースはまったく遜色なし。聞けばサーロインに隣接した部位とのことで、なるほどと大納得したのだ。
 
 超遅めの時間帯に、超ヘビーな昼メシを食べてしまった。痛恨の極み、魔がさしたとしか思えない。(大袈裟な。そこまで言うか)

 だから宿の夕食が半分も食べられなかった。利き酒セットがついているプランだったので、銘柄を本醸造は「久保田」、純米「緑川」、吟醸「八海山」を選んだ。



 宿自慢の「蟹の甲羅蒸し」を前にして、迷わず大好きな八海山からスタート。



 利き酒セットを呑み切ると常温の酒を二合追加注文したのだった。


  ― 続く ―


   →「小野上温泉(1)」の記事はこちら
   →「小野上温泉(2)」の記事はこちら
   →「小野川温泉(1)」の記事はこちら
   →「小野川温泉(2)」の記事はこちら


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