温泉クンの旅日記

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網走、流氷館と流氷の見える駅

2020-02-09 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <網走、流氷館と流氷の見える駅>

 天都山の山頂にある、流氷とオホーツク海をテーマにした「オホーツク流氷館」である。

 

 網走の流氷館にいけば、本物の流氷が百トン展示されていて、いつでも流氷に出会える、と知った。
 わたしは、たぶん渡辺淳一の小説(あれは「流氷への旅」だったか)を読んだせいで、流氷といえば<冬の紋別>と、頭の奥底にしっかりと刷り込まれていた。冬場は暖かい伊豆くらいにしか出掛けないので、自分にとって、流氷は<無縁のもの>と永らく思っていたのである。

 ここの目玉ともいえる地下一階の「流氷体感テラス」には、大きな本物の流氷が所狭しと配置されている。

 

 貸してくれた防寒着を着てマイナス15度の、極寒の世界に入り、ありえない寒さというものを体験させてもらった。マイナス15度の寒さ・・・北海道の、地域によっては冬の朝普通に体感できる温度だそうで、驚く。

 

 渡された濡れたタオルをブンブン振り回して凍らせる「しばれ実験」までさせてもらってジツに楽しかった。

 展示してある水槽の海洋生物、人気の流氷の天使クリオネや、フサギンポなどを観ているうちに、始まりますからどうぞと案内された「流氷幻想シアター」では、押し寄せる流氷やオホーツク海の生物などが、正面、左右、上下、視界すべてに広がり展開される大迫力の五面シアターであった。音響も素晴らしかった。ただ、ここが撮影禁止だったのが残念である。
 三階の展望テラスから網走湖や能取湖、オホーツク海などをパノラマで一望、堪能して一階に降りると、中国人団体客が館内になだれ込んできた。(セェーフ!)
 流氷館にいったら、体感テラスと映画の最低二つは押さえておきたい。

 流氷館から車で二十分ほど走らせたところにある、釧路と網走を結ぶ釧網本線の、北浜駅である。

 

 流氷が押し寄せるオホーツク海に面していて、「流氷の見える駅」とか「流氷に一番近い駅」といわれている、いい具合に末枯れた無人駅である。
 レトロで魅力的な駅だから、映画やテレビドラマのロケ地にも度々なっている。駅名の由来は「北見国の浜」だそうだ。一日の利用客は十人程度。

 

 ホームに列車(ディーゼルカー)を待つ人は誰もいない。
 冬場に流氷が見られる列車だが、運行はだいたい二時間に一本ペース、通勤通学で忙しい7時台で二本、一日七本程度で、11時台の列車を逃すとなんと夕方5時台まで待つことになる。「ローカル路線バスを乗り継ぐ旅」というのがあるが、ローカル鉄道路線も乗り継ぎが難しそうだ。

 

 目の前、二十メートルさきには、雄大なオホーツク海が広がっている。空に、向かい風に逆らって飛ぶカモメが浮かんでいた。
(この広い海がすべて白い流氷で埋まるのか・・・)

 
 
 腹が減ったので、ホームの背後にある木造駅舎のなかの、軽食が食べられる喫茶店に入ることにした。
 
 喫茶店の入口は待合室のなかにある。入った待合室の壁や天井には、あの十勝の幸福駅と同じように、訪問者たちが残した名刺や切符がびっしりといたるところに貼られている。

 

 喫茶「停車場」は、もと駅事務室だったそうだ。昭和61年(1986年)開業だそうで創業三十年を超える、もはや老舗といえる店である。
 店内のレトロなインテリアが洒落ている。鉄っちゃんには絶対受けるだろう。頭上の網棚、オホーツク海が見える窓際に並ぶ椅子(座席)は、客車で実際に使われていたものだ。

 

 

「ランチをください」
 ひと足さきに入った常連ぽい若者が元気よく注文した。
 釣られてわたしも「こちらもランチをお願いします」と言ってしまった。
 注文してからメニューを確認する始末。

 

 停車場ランチはコーヒー付きで九百円か。あっと、オホーツクラーメンのほうがよかったかな・・・もう厨房では取りかかっているみたいだし、まあ、いいか。

 

 とどけられたのはハンバーグの洋食ランチだった。

 

 ハンバーグ、旨い! 
 東京で食べる相当に旨いヤツと比べてもまったく遜色なし。皿に添えられたポテトサラダが、さりげないがきっと手間暇をかけているのだろう、「さすがは北海道のじゃがいもだ、ひと味、いやふた味違うぞ」と唸ってしまった。



   →「能取湖、サンゴ草群落の絶景」の記事はこちら

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