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温泉クンの旅日記

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倉吉を歩く(2)

2009-06-07 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <倉吉を歩く(2)>

 途中でみつけた「元帥酒造」という店にはいる。



 創業は嘉永年間と古く、三度も全国新酒鑑評会で金賞を受賞しているらしい。
 明治末期までは「旭正宗」という酒の名前だったが、東郷大将が元帥になった
とき、「元帥」の酒名をもらったとのことだ。
 出石酒造の「楽々鶴(ささづる)」も残り少ない。よし、「元帥」の四合瓶を
買い求めた。

 ついで、その先の桑田醤油の暖簾をくぐる。



 明治10年(1877)創業の醤油屋で京風の商家造りである。こだわりの醤油の種類
は濃口、淡口、再仕込の三種類である。。



 再仕込醤油とは九州から山陰にかけて作られる醤油で、一般の醤油は麹を食塩水
で仕込むのに対し、再仕込醤油は麹を生醤油で仕込む。濃厚な味で、とろりとして
いるがほんのり甘みと風味がある。

 愛媛の内子町で買っただし醤油も使いきってしまったので、再仕込醤油を試しに
一本購入。
 帰って使ってみたところ、野菜炒めや焼き飯など炒めものに絶妙な味わいを醸し
出す。冷奴には、新潟で買ってきた香辛料「かんずり」を溶いてかけて喰うと旨い
のである。

 買い物をすませると、腹がぺこぺこに減っている。これは、あの強烈な三朝温泉
のせいもきっとあるだろうな。
 本格的なカレーの案内看板があったので、だいたいの見当をつけて探したが見つ
からない。
 観光客がまるでいない地元の路地裏に迷い込んだら、中華料理店があったので
はいったが店内にも厨房にもひと気がない。大きな声をかけても誰もでてこない。
薄気味悪くなって退散することにする。

 さらに路地裏をぶらつくと、お好み焼き屋が一軒みつかった。暖簾がかかって
いるので、やっているようだ。



 店の名前も「月ヶ瀬」とはなんともお洒落な感じである。
 カレーが中華になり、お好み焼きになってしまったが、もういいや。背に腹は
変えられない。
 はいるとけっこう小奇麗な店であった。客はいないが、応対は気持ちよいほど
丁寧である。



 メニューをみて、一番安い焼きそばに変更した。品数は少なく代金はどれも
安い。
 目の前にある鉄板を使って自分でつくるのかと思ったら、カウンターにある大き
な鉄板でつくってくれるそうだ。



 喉が渇いたので、声をかけて冷蔵庫を覗き、コカコーラの懐かしい瓶をみつけた
ので勝手に抜き取り栓を抜いた。コップを使わずラッパ飲みしながら、煙草に火を
つけた。
 ていねいに調理して出来上がった焼きそばを、わたしの目の前の鉄板に移して
くれた。



 ひとくち食べて、びっくり。なんとも絶妙な味付けで旨い。
(これなら、お好み焼きでもよかったかもしれない・・・)
 代金を払うときに皆生温泉までの道を訊くと、じつに懇切丁寧に教えてくれる。

 旅先で偶然はいった食べ物屋でこういう店に出会うと、本当に嬉しいもので
ある。

  →「倉吉を歩く(1)」の記事はこちら

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