温泉クンの旅日記

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南紀白浜、名所歩き倒し(2)

2022-02-20 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <南紀白浜、名所歩き倒し(2)>

 三段壁の食堂を出て、バス通りをほんのしばらく歩いていると矢印付きの看板をみつけて左折する。

 

 瀬戸崎の先端から海原に向けて突きだした「千畳敷」は、その名のとおり広い岩畳を思わせる大岩盤の連なりだ。

 

(そういえば、西津軽の深浦にも『千畳敷』という海岸があったな・・・)
 江戸時代の寛政四年(1792年)に地震により隆起したと伝えられる海岸段丘で、藩政時代には殿様専用の避暑地であったといい、津軽藩の殿様がそこに千畳の畳を敷かせて大宴会を開いたとされることからその名が付いたという。

 

 白浜のほうの「千畳敷」の広さはおよそ四ヘクタールで、畳を千枚敷けるほどの広さであることが名前の由来である。三段壁、円月島 と並び、白浜の景勝地として知られている。
 スロープ状の第三紀層(170万年以前)の大岩盤で、白っぽく柔らかい砂岩のため、打ち寄せる荒波に浸食され続けており、なんとも壮大な景観である。

 

 岩盤の砂岩は非常に柔らかいため、コインとか車の鍵などで簡単に削れる。それがために、心無い者たちによる落書きの被害が後を絶たない。落書きは風化によって少しずつ消えるが、それ以上のペースで書き込まれるので、今も岩盤には無数の落書きが刻まれたままだそうだ。

 この千畳敷から眺める、太平洋へ夕日が沈む絶景は「日本の夕陽百選」にも選ばれている。
 おっ女性の独り旅・・・かとも思ったが、まあそんなドラマみたいなことはないだろう。

 

 バス通りに戻り、坂を下っていくと「崎(さき)の湯」の標示があった。
 宿の温泉があるので立ち寄り湯をするまでもない。パスしようとしたのだが、ふと「反対たまご」のことを思いだす。
 誰から聞いたのか、旅番組で見たのかは判然としないが、心に残っていたのだ。普通の温泉玉子は、白身が固めにボイルされて黄身が半熟なのが多いが、反対玉子は、逆で黄身が固めで白身が半熟らしい。製法だが、使用している御幸源泉の温度が低いからというだけではなく、きっと別ななにか企業秘密もあるのかもしれない。
 温泉玉子は好物で、酒のアテにもなる。たしか一個百円くらいだったし。最後に旅先の観光地で食べたのは、たしか道東の川湯にある硫黄山だったな。

 

 

 反対たまごを売っている「鎌倉商店」が残念ながら休業していたので、戻るのも業腹になりそのまま崎の湯までいってみた。ガラガラならば入ろうかとチラッと思ったが、駐車場が満杯なのをみて引き返す。

 

 またバス通りを歩いていて湯崎で見つけた、風格のある建物の外湯「牟婁の湯(むろのゆ)」。道を挟んで「フイッシャマンズワーフ白浜」がある。
 この外湯の浴場には大きな二つの湯船があり、ひとつはすぐそばに湧く砿湯(まぶゆ)源泉、もうひとつは「崎の湯」と同じ行幸源泉から引かれているそうだ。崎の湯をあきらめたので、こちらもパス。駐車場に車がなかったので定休日かもしれない。

 ほどなく「白良浜(しららはま)」に到着だ。
「白浜」の名の由来にもなった、約六百二十メートルに渡る白砂の浜である。

 

 

 白い砂にエメラルドグリーンの海、椰子の木の並ぶ風景など、たっぷりのリゾート気分が味わえるそうだ。
 白浜での挙式前の前撮りなのか、カメラマン引きつれた正装したカップルが一生懸命ポーズをつけていたのがとても微笑ましい。
 毎年、約六十万人が訪れる関西屈指のこの美しい海岸は環境省選定の「日本の快水浴場百選」にも選ばれているという。
 
(えーい、ついでだ。「円月島」までいっちゃおう!)
「御船足湯」のところで、沖に「円月島」を発見した。よっしゃ。

 

 島の中央に、円月形の海蝕洞がぽっかり開いていることから「円月島」と呼ばれ親しまれているが、正式には「高嶋」といい、臨海浦の南海上に浮かぶ南北百三十メートル、東西三十五メートル、高さ二十五メートルの小島である。
 円月島に沈む夕陽は「和歌山県の夕日百選」に選ばれており、日の沈む夕景の美しさは格別で、夏は六時半頃、冬は四時半頃だそうだ。

 

 人がいる突堤が邪魔だが、写真の構図から外すには海岸沿いを往復で相当歩かねばならない。写真家じゃないし傑作写真は不要だ。億劫なのですっぱり諦めることにした。そろそろ時間だしね。

 三段壁から円月島までは、ざっと四キロ半で真っ直ぐいけば小一時間、ちょこちょこ観光しても三時間弱である。旅前には白良浜で電動自転車を借りることも考えていたが、両の足で充分であった。

 時計を見ると、二時ちょっと過ぎと確認し思わずにんまりする。
「とれとれ市場南紀白浜」まで戻ったのはちょっと失敗だったが、しかしあそこも名所のひとつ。白浜の観光名所はこれでざっと歩き倒し、けっこうな満足感がある。アドベンチャーワールド、三段壁洞窟、反対たまご、崎の湯は次回に持ち越すことにするとしよう。
 
 さあてと、もうあと二十分歩いて宿にフライングでチェックインして、待ちに待った温泉である。


   →「南紀白浜、名所歩き倒し(1)」の記事はこちら
   →「硫黄山の温泉蒸したまご」の記事はこちら


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