どうもね、私くらいの年代になると、好きな役者さんで鬼籍に入られた方がやたらと多くなってきて、己の歳というものを感じざるを得なくなってくる。
こちらドナルド・プレザンスも、そんな役者の一人。
この方が私の印象に初めて残った映画は、1967年公開のSF映画『ミクロの決死圏』でした。もちろんリアルタイムで観たわけではなく、小学生の頃にテレビのロードショー番組で観たのが最初です。妨害工作を仕掛ける敵方のスパイ役で、最初から怪しげな役で、こいつ怪しいぞ、と思っていたら、やっぱり怪しかったという(笑)小学生にも分かりやすい役でしたね。
その時の印象が強烈に残っていて、その後映画で見かける度に注目するようになって、すっかりファンになっていました。
スキンヘッドに独特な風貌から、悪役や怪しげな役が圧倒的に多い。中でも有名なのは、67年の映画『007は二度死ぬ』。日本を舞台としたこの作品で、シリーズのカギを握る重要な悪役ブロフェルドを演じています。
ジェームズ・ボンドの宿敵、国際犯罪組織「スペクター」の首領で、シャム猫を抱いたスキンヘッドの男というブロフェルドのイメージを強烈に印象付けた。
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国際犯罪組織「スペクター」首領、ブロフェルド。(『007は二度死ぬ』より)
ホラー映画への出演も数知れず。ジョン・カーペンター監督のデビュー作にして出世作『ハロウィン』のドクター・ルーミス。同じくジョン・カーペンターのSFアクション『ニューヨーク1997』の胡散臭いアメリカ大統領(笑)や、『パラダイム』の司祭役など、カーペンター作品にはよく出ていますね。
『ハロウィン』がシリーズ化されるに及んで、殺人鬼マイケル・マイヤーズを追う精神科医、ドクター・ルーミスはレギュラーとなり、ドナルド・プレザンス最大の当たり役となりました。シリーズ中5作品、95年に75歳で逝去するまで、ドクター・ルーミスを演じ続け、文字通り生涯の当たり役でした。
最近、これほど強烈なインパクトを与えてくれる役者さんがいなくなってしまったと感じるのは、単に私の感性が磨滅してしまっただけなのだろうか。
昔の方が、面白い人がいっぱいいたような気がするなあ……。
世紀の名バイプレーヤー、ドナルド・プレザンス。
楽しませてくれて
ありがとう。
『ミクロの決死圏』予告編