一言で言って、大した映画じゃありません。(笑)
※以下ネタバレあり。
大体宣伝がヘタなんですよ。佐藤浩市さんが舞台挨拶で、「犯人は佐藤浩市とは限らない」みたいなこと言ってましたけど、それって「犯人は佐藤浩市じゃないよ」と言ってるのと同じなんですよ。
だから観客は、浩市さん以外で犯人になりそうなのは誰かを探せばいいし、多分この人が犯人だろうという当たりが付けられる。
で、やっぱりその人が犯人でした(笑)
浩市さんは最後まで、自分が犯人みたいな顔をして、舞台に立たなきゃだめです。
肝心のCGシーン。爆破が起きる「前」までのシーンは凄いです。
栃木県足利市に作ったという、渋谷ハチ公前、スクランブル交差点のオープンセット。背景のビルはすべて、CGによる合成、そこに延べ10000人のエキストラを集めて撮影されたモブ・シーンは、本当に渋谷で撮影されたんじゃないかと見紛うばかりに、よく出来てます。日本のCGもここまできたかと、感慨深いものがありました。
しかし、爆破シーンが良くない。凝りすぎなのです。
もっと普通に、リアルに見せた方が良かったのに、かえって嘘くさくなってしまったように思えます。
それにああいう演出は、海外の映画ですでに使われているので、二番煎じの感じは拭えない。
日本映画には、肝心なところで「やりすぎる」クセがあるようです。
昔の映画でよくありましたね。カースタント・シーンなどを「無意味」にスローモーションにしてしまう。やりすぎるんです。
今回もそれと同じ、やりすぎ。
日本映画の悪いクセは、未だに直っていないようです。
映画全体のテーマとしては、右傾化(?)傾向にある日本社会への警鐘、であるかのように「一見」思えますが、
それとは「真逆」の解釈もまた、可能です。
爆破予告があったにもかかわらず、渋谷に集まってくる人々、これは平和ボケで危機感のまるでない、多くの日本人の縮図だともとれる。
何の根拠もないのに、自分だけは大丈夫、死なないと思い込んでいる人たち。その人たちを激しい爆風が襲い、多くの死傷者を出す。
これは、今日本が置かれている状況そのものではないのか。
日本人はもっと危機感を持つべき、そう警鐘をならしていると
とれなくもない。
その辺の曖昧さもまた、日本映画らしさと言えるかもしれない。
映画の最後に出るテロップ、「爆弾はまだあります。あなたのすぐ隣に」
あなたはこれを、どう解釈しますか?
いずれにしろ、大した映画じゃありません。大体あんな簡単に真犯人がわかっちゃ、ダメでしょーに。
ホント浩市さん、宣伝ヘタだわァ。
『サイレント・トーキョー』
原作 秦建日子
脚本 山浦雅大
監督 波多野貴文
出演
佐藤浩市
石田ゆり子
西島秀俊
中村倫也
広瀬アリス
井之脇海
勝地涼
野間口徹
財前直見
鶴見辰吾
令和2年 東映映画
前回の記事での紹介で、興味あるなぁ〜って思ってたんですが…残念です。🥲⤵︎
ま、その代わり鬼滅2回目、観に行こうっかな〜。
真面目な話、これからお花畑脳の日本人が凄く痛い思いをしなきゃならないのかなぁ……。
鬼滅2回目、頑張れー!