映画『柳生一族の陰謀』で三条大納言という公家を演じており、白塗りに鉄漿を塗り、「麻呂は〇〇でおじゃる~」と、おじゃる言葉を連発しておりました。なんといいますか、可笑しかったですねえ(笑)
性格俳優という言葉はこの方のためにあるのではあるまいか、と思うくらいに、とにかく特異な役者さんでした。他のどの役者をもってしても、この方とは変えようがない。唯一無二の個性を持った方でした。
冷酷非情な犯罪者や性格異常者、かと思うととても温かみのあるオジサンまで、本当に役を選ばない。なんでもできる。そして何の役をやっても、唯一無二の梅津栄以外の何物でもない。
この方の場合、分類の仕様がないんですね。ただただ、「梅津栄」というジャンルの役者だった、としか言いようがありません。
なかなか、いそうでいないですよ、こういう方。
映画やドラマ以外にも、バラエティ番組にも出演されており、明石家さんまさんがその特異なキャラに泣いて喜んだとか。
どこへ行っても、なにをやっても、「梅津栄」以外の何物でもない方でありました。
時代劇『必殺仕事人』で、ひかる一平演じる受験生、西順之助を追いかけるオカマのオジサン役が印象に残っておられる方も多いでしょう。「順~ちゃん!」と、あの顔で(笑)精一杯の甘ったるい声を出して、ひかる一平に接吻を迫る迫る!すっっっごい役でしたが、梅津さんが演じられると、自然なペーソスが感じられて、ただ気持ち悪いだけではない、そこはかとない可笑しみと、ある意味哀しみすら感じさせる。
なんとも、不思議な役でした。
唯一無二の個性派俳優、梅津栄。2016年つまり去年の8月、肝硬変のため、その生涯を閉じられました。享年89歳。
こんな「面白い」役者、なかなか出てこないでしょうねえ……。
合掌。
「順~ちゃん!」
いえ、顔はわかってても名前は知らないことがほとんどの中、
この方の名前はしっかりわかる、
そんな数少ない役者さんでした。
あなたがいるから面白い、
あなたがいるから救われる、
そんな役者さんでしたね。
いえ、再放送で今だ現役だな・・・。
そんな愛すべき類稀なる梅津栄さんに、哀悼の意を込めて。
合掌
時代劇専門チャンネルの御蔭で、毎日のように名バイプレーヤーを拝見することができます。ホントそういう意味では、皆さん現役ですね。