西ドイツ出身のバンド、スコーピオンズは、70年代には日本でこそ絶大な人気があったものの、当時は世界的にはほとんど無名のバンドでした。
ギタリストのルドルフ・シェンカーを中心に結成されたバンド、スコーピオンズは、ルドルフが主にリズム・ギターで、ルドルフの弟マイケル・シェンカーがリード・ギターという布陣でしたが、マイケルがイギリスのバンドUFOにスカウトされ脱退、当時はスコーピオンズよりもUFOの方がビッグ・ネームだったこともあり、ルドルフはマイケルの才能を生かすためには移籍した方がいいと考え、気持ちよくマイケルを送り出します。
そのマイケルの後任としてバンドに加入したのが、ウリ・ジョン・ロート(当時ウルリッヒ・ロート)です。ジミ・ヘンドリックスを敬愛し、クラシックにも造詣の深いウリは、ギターにヴァイオリン的な奏法を取り入れた最初の人物といって良く、80年代以降に増殖する数多のテクニカル・ギタリストたちに大いなる影響を与えた人物といってよく、特にクラシカルな奏法という点では、イングヴェイ・マルムスティーンに与えた影響は多大なものがあると云えるでしょう。
この曲はそんなウリのギターを堪能できる、スコーピオンズ初期の名曲中の名曲。このちょっとダークなリフがなんとも気持ちいいですねえ。
ウリは1978年にスコーピオンズを脱退します。その後バンドはマティヤス・ヤプスを新たなギタリストに迎え、そのサウンドをアメリカを意識したハード・ポップ路線に変更。80年代に至って大ブレイクし、世界中にその名を轟かせることになります。
一方のウリは自身のバンドやソロ活動を地道に続けていましたが、商売が下手なせいか、2005年に破産宣告を受けるなど、なかなか波乱万丈な人生を送られているようですが、それでも現在まで精力的な活動を続けています。
ウリの開発したギター、「スカイギター」は普通のギターが22~24フレットなのに対し、なんと27フレットもある。ボディの真ん中あたりまでフレットが付けられており、手を届かせるためにギターの下半分をザックリと切り取った独特な造形をしたギターで、使いこなせる人はウリ以外、ほんの数えるほどしかいないんじゃないかな。
ところでこの曲のタイトル、邦題は「カロンの渡し守」です。
日本風に云えば、「三途の川の渡し守」といったような意味でしょうかね。
「チャロン」ではありませんよ、「カロン」ですからね(笑)
ウリの目を閉じている風貌は、どこか琵琶法師を彷彿とさせるような…。
ギターの下半分を切り取って⁉️どんなんやねん〜〜!!!(笑)
カロンの渡し守、お兄様の注釈がなければ絶対チャロンって読んでたよね〜(≧∇≦)