スクリーンの上方から、戦艦スターデストロイヤーの巨大な威容が姿を現した時の感激。当時最新のシステムだったコンピューター制御によるカメラ、「モーション・コンロール・カメラ」による映像は、特撮の新たな時代の到来を確信させたものでした。
あれからおよそ40年、そのモーション・コントロール・カメラも、今や過去の遺物。CG全盛の時代にあっては、もはや使われる機会もないでしょう。
この作品は77年公開ですが、現在巷に出回っているヴァージョンは2000年代以降にCGによって特撮シーン等が多く差し替えられており、77年当時のままの映像を観ることはほぼ不可能です。こういうの、個人的には好きじゃありません。しかしながらシリーズ全体のことを考えた時に、ある程度特撮のクオリティを統一させるのは、致し方のないことなのかもしれない。
こうなれば益々この作品は、ただの「エピソード4」の位置に追いやられていくことでしょう。でも私は忘れないよ。
この作品こそ、スター・ウォーズの記念すべき第1作であるのだということを、
私は忘れない。
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物語は銀河帝国の新兵器「デス・スター」の設計図を巡る、追いつ追われつの冒険活劇。
銀河の辺境、砂漠の惑星タトゥイーンに住む青年、ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)は、ひょんなことからこの設計図を隠し持つドロイドを入手したことから、帝国と反乱軍との戦いに巻き込まれていく。
砂漠の奥に住む老ジェダイ、オビ=ワン・ケノービ(アレック・ギネス)から、ルークの父もまたジェダイであったことを知るルーク。
ルークは、オビ=ワンやドロイドのC-3PO、R2-D2。密輸業者のハン・ソロ(ハリソン・フォード)その相棒のチューバッカらとともに、帝国に捕らえられていたレイア姫(キャリー・フィッシャー)を救出、ルークは反乱軍とともに、戦闘機パイロットとしてデス・スター攻撃に挑んでいく。
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非常に分かりやすい冒険活劇です。物語としてよく纏まっており、当時リアルタイムでこの作品を観た私は、これがシリーズ化を狙っている作品だとは気が付きませんでしたからね(笑)。これ1本で終わりだと思い込んでおりました。それだけ1つの物語として纏まっていたんです。
成程よく見てみると、反乱軍は帝国を倒したわけじゃない、デス・スターを破壊しただけだし、ダース・ヴェイダーは死んでないし、続編の要素は多数残されていたわけです。
当時中坊だった私には、そこら辺のことがまったくわかってなかった。
お恥ずかしい話です……(笑)
セリフなどをよく見ておりますと、この時点ですでに、後のエピソード1から3までの設定が出来上がっていたことがわかります。ただこの時点では、シリーズ化など夢のまた夢でしたでしょう。
だからこそ、1本の映画として見ごたえのある作品に仕上げた。
シリーズ化が夢と消えたとしても、1本の映画として、中途半端な作品にはしたくなかったのでしょう。
何かこの作品を観ておりますと、そうした当時の裏事情が見えてくる気がして、「夢が叶ってよかったね、ジョージ」と声を掛けたくなるんですよね。
アホだねあたしゃ……(笑)
好きなシーンもたくさんあります。冒頭、レイア姫を乗せたオルデラーンの船が、帝国の戦艦に拿捕されるシーン。オルデラーンの兵士が不安そうに上を見上げた後、正面の扉へ向けてゆっくりと銃を向ける。戦いに向かう兵士の心情が見えたような気がして、すごく好きなシーンです。
それと、ルークが先の見えない自分の将来を憂いながら、夕日を見つめるシーンも良いです。
どうにも話がまとまりませんね(笑)この作品には思い入れが強すぎて、何を書いていいのかわからなくなる。
でも、これだけはいえる。
私はこの作品が大好きだ。
アレック・ギネスもピーター・カッシングも出てくれてありがとう。
あっ、ピーター・カッシングはモフ・ターキン提督を演じてた方ね。ダース・ヴェイダーじゃないですよ(笑)
ダース・ヴェイダーとオビ=ワンの殺陣を見る度、これを三船敏郎さんにやって欲しかったんだろうね、と思う今日この頃。なるほど、分かる気がするなあ。
すいません、最後まで纏まりません……(笑)
それでもハンソロはかっこいいし、ドロイドもキャラ立ってるし、とか細かいことは考えなくても本当にワクワクするエンターテイメントでした。
なんかね、最近の映画とかはね、色々描写が細かすぎね。それも好きなんだけどね。
あぁ、殺しちゃうのか~とか分かりすぎる心理背景の描写が増えてるのよね。きっと。
ある意味、キャラを屈折させた方が簡単なんですよね。それは今も変わらない。
だから、『幕が上がる』みたいな真っ直ぐな青春映画というのは実は難しい。それをやりとげたももクロはスゴイ!
あれ?ももクロの話になっちゃった……(笑)