テレビドラマ版『子連れ狼』より、元公儀介錯人・拝一刀(萬屋錦之介)はいかにして冥府魔道の刺客道へ入ったか。
萬屋錦之介さんの怒りの演技の凄まじさね。時代劇口調というのはともすると批判の対象ともなりやすいですが、とんでもない話でね。萬屋さんの時代劇的演技はその一言一言が見事に計算されていて、長年にわたって磨き上げられた質の高い芸術性を感じさせて、とても心地よく力強い。これが分からん奴は正直話になりませんね。
殺陣も流れるような華麗さがあってなおかつ力強い。動きに一切の無駄がなく、力の入れどころと抜きどころが見事に計算されているので、惚れ惚れするような美しさがあります。
拝一刀の得意技「水鴎流波切の太刀」。対戦相手は青木義郎さん。これも豪華ですねえ。
そして拝一刀の宿敵、裏柳生総帥・柳生烈堂を演じるのは高橋幸治さん。これは第一シリーズで、第二シリーズでは西村晃さん、第三シリーズでは佐藤慶さんが演じています。
テレビ時代劇の歴史に残る名作『子連れ狼』。萬屋錦之介さんの素晴らしい殺陣とともに、永遠に語り継がれるべき作品ですねえ。