2月8日、渋い低音が魅力の俳優にして声優、森山周一郎氏が、肺炎のためなくなられました。86歳でした。
私らの世代では、なんといっても『刑事コジャック』の主役、テリー・サバラスの吹替えが印象に残っています。あとは『紅の豚』ですかね、「飛べない豚はただの豚だ」という、アレです。
俳優としては時代劇と現代劇とを問わず、悪役の多い方でした。頭巾で顔を隠した悪の黒幕とか、あの声を生かした適役でした。
昨今の声優業界の現状を憂い、かなり辛辣な言葉を投げかけていた方でもあります。中でも「俺たちが芸術にまで高めたものを台無しにしやがって!」という叫びにも似た言葉が、特に印象に残っています。
声優学校によって技術は高くなったが、演技が画一的になったとする指摘は的を得たもので、私も同感するところ大でした。
現在活躍されている声優さん方、これから活躍されるであろう声優の卵の皆さんには、この口うるさい大先輩の残した言葉を、真摯に受け止めて欲しいものですが、
でもいずれ、忘れ去られていくんだろうなあ、そうして時代は
巡っていくんだね。
その渋い低音で我々を魅了してくれた名優、森山周一郎さんに、感謝と敬意と哀悼の意を込めて
合掌。
惜しい方を失くしました…。
後輩達への厳しくも温かいメッセージ、届くといいですね。
ご冥福をお祈りいたします。