テントを出てUVライトをかざすと、照らされた蛍石がほわんっと光る。
ソレを眺めて酒をチビチビやりつつ、更けてく夜を楽しみたい。
ポム爺さんの寝床のようじゃないか。
蛍石好きには夢のような世界じゃないか。
蛍石鉱山で一夜を過ごしてみたかった。
目指す鉱山跡は人家を離れ、山深く熊も居る。
この時期は山栗などの餌も多く、獣は冬に備えて食い貯めの盛り。
十分に気をつけての野営行。
ダート林道をゴトゴトと ヘッドライトを頼りに進むと、100kg級の丸々と肥えた大イノシシと出会う。
「やかましいの きたな」 と言わんばかりに、大イノシシは のそのそと谷へ下りて行く。
一夜だけごめん邪魔するで〜 と彼らのテリトリーへ。
テン場は谷筋で真っ暗。
爆竹を鳴らし、雨で湿った焚き木にエスビットから火を点ける。
テントを設営して風下には蚊取り線香、風上に向けてLEDランタン。
食べ物の匂いが広がらない様に調理はせず、お弁当でビール。
空箱をクーラーに入れて車に積み、いざナイトアタック 開始。
UVライトを片手に歩き出すと、まずキノコが蛍光してた。
https://streamable.com/86ne0
ベニタケのフェアリーリングが、ボーっと漆黒の中に浮かび上がる。
食べれんキノコはええからとズリに進み、UVを照らすと あちらこちらで小粒の蛍石がボーっと光ってる。
綺麗や。
照らしながらウロウロしてると、鮮やかに自形結晶が飛び込んできた。
https://streamable.com/e4m1z
ふわーって魅入ってしまう。
ホンマに綺麗や。 来て良かった。
しばらくゴソゴソと照らしてから、テント場に戻る。
蚊取り線香を新しい物に変え、爆竹を鳴らし、焼酎を飲み直して満足に就寝。
翌朝、前夜の石に歯ブラシをあてて撮影。
色は薄目ながらもしっかり自形。
よし、アチコチ掘るぞ!とテントを乾かし、最終日も掘り方始め!
六面体結晶がちょこんと乗る標本
かいらしねえ。