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岐阜ナイトアタック H29.10

2017年10月19日 | 鉱物採集 岐阜

テントを出てUVライトをかざすと、照らされた蛍石がほわんっと光る。

ソレを眺めて酒をチビチビやりつつ、更けてく夜を楽しみたい。

ポム爺さんの寝床のようじゃないか。
蛍石好きには夢のような世界じゃないか。

蛍石鉱山で一夜を過ごしてみたかった。



目指す鉱山跡は人家を離れ、山深く熊も居る。
この時期は山栗などの餌も多く、獣は冬に備えて食い貯めの盛り。
十分に気をつけての野営行。


ダート林道をゴトゴトと ヘッドライトを頼りに進むと、100kg級の丸々と肥えた大イノシシと出会う。

「やかましいの きたな」 と言わんばかりに、大イノシシは のそのそと谷へ下りて行く。

一夜だけごめん邪魔するで〜 と彼らのテリトリーへ。

テン場は谷筋で真っ暗。




爆竹を鳴らし、雨で湿った焚き木にエスビットから火を点ける。
テントを設営して風下には蚊取り線香、風上に向けてLEDランタン。



食べ物の匂いが広がらない様に調理はせず、お弁当でビール。




空箱をクーラーに入れて車に積み、いざナイトアタック 開始。

UVライトを片手に歩き出すと、まずキノコが蛍光してた。
https://streamable.com/86ne0

ベニタケのフェアリーリングが、ボーっと漆黒の中に浮かび上がる。


食べれんキノコはええからとズリに進み、UVを照らすと あちらこちらで小粒の蛍石がボーっと光ってる。

綺麗や。


照らしながらウロウロしてると、鮮やかに自形結晶が飛び込んできた。

https://streamable.com/e4m1z


ふわーって魅入ってしまう。




ホンマに綺麗や。 来て良かった。

しばらくゴソゴソと照らしてから、テント場に戻る。

蚊取り線香を新しい物に変え、爆竹を鳴らし、焼酎を飲み直して満足に就寝。





翌朝、前夜の石に歯ブラシをあてて撮影。



色は薄目ながらもしっかり自形。

よし、アチコチ掘るぞ!とテントを乾かし、最終日も掘り方始め!




六面体結晶がちょこんと乗る標本



かいらしねえ。


渚鉱山 H 29.10

2017年10月16日 | 鉱物採集 岐阜

蛇之尾を出て、R41を北上。 数年ぶりの渚鉱山へ。

歴史背景が気になる方は以前の記事参照願います。  





岐阜まで来ると、毎度の事ながら他の産地も欲張ってしまい、現着は15時前と遅め。


枯葉がズリ全体にかかってて、目立った堀跡は無い。

最近、誰も入ってないんかな。




石英の多い部分を掘ると、淡い緑色の蛍石がポロポロと出てくれる。

母岩の石英が網目状で、その間に蛍石が挟まれる形は平岩と似てる。

一日中掘ってみたいもんやなぁと思いながら、気がつくと辺りは薄暗く17:30 時。

次の産地でUVナイトアタックに備えて、まず温泉で手足を伸ばしに。


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空隙が有って微細な水晶が再結晶してるものを洗浄後、ルーペで観察すると、




幅1ミリ。コレは結晶面やと思いたい。

蛇之尾 蛍石鉱山

2017年10月13日 | 鉱物採集 岐阜


ココは佐見の支山で、S18年頃まで掘ってたよ。
当時子供の私も、天秤棒で石を運んだなぁ。

最初に見えていた鉱脈は 幅20センチ程だったが、下部へ掘り進めば太くなると山師に言われ、
竪坑を掘ってから、あの空家(北西へ30m程?)まで掘進したけど脈は広がらなかった。

鉱石の巻き上げも人力でね。 ロスが大きくなり閉山したんよ。

朝夕に発破をかけると、食用に飼ってた池のコイが飛び出してたわ。



ある日発破を7発掛けたが、6発しか爆発せんでね、

幼い私は 恐る恐る坑口のムシロをめくって中を覗くしか出来なかったよ。

暫くすると隣町から監督さんが来て、中に入って確認すると暴発してね、

連れ出された監督さんを女工さんが川の水で洗うと手が吹っ飛ばされてた。

この辺りに病院は無く下呂まで運ばれたけど、帰ってきはったら、手は無くなってたねぇ。

当時は高山から火薬を仕入れて使っていたけど、今思えば使い方も管理も無茶やったんや。

鉱石は馬車で下呂の方まで運んで、そこからは貨車に積み替えたと聞いてたなぁ。



残土(ズリ)は あの窓に布団を干してる家の所に積んでたよ。

あの家は残土の上に建ってるんよ。

綺麗な緑色の蛍石やったけど、もう残って無いなぁ。。

その後も山師が試掘させてくれと来たが、良い結果は出なかったねぇ。。





坑口は陥没、民家の真裏で迷惑で掘れない。

沢はコンクリで張り直されていて、転石は見当たらない。

ズリも先の話通りで掘れない。

ココの蛍石には出会え無かったが、興味深いお話を聞けて良かった。

上佐見 蛍石鉱山

2017年10月11日 | 鉱物採集 岐阜


以前に回れなかった岐阜県の蛍石鉱床を数カ所探索に。


まずは上佐見の蛍石鉱山から。

道端のお婆さんに話を聞き、あの辺りと言われた場所を探す。
山の中をトコトコ歩くが蛍石の、鉱山の気配が全く無い。

何処でもそうだが、お婆さんは鉱山に興味が薄く、お爺さんは良く覚えてはる事が多い。
男の子の方が、より鉱山事業に興味を持って遊び育ったと思う。


一旦集落へ戻ると、農作業の休憩をしてはるお爺さんが居てはり話を聞けた。





「 鉱山は昭和18年頃まで掘ってたよ。

当時は珍しかった、外国製の大きなディーゼル発電機を回してな、

竪坑から三層掘ったけど落盤したんや。

コンクリの橋の上から川を見たら、水が湧き出てるところがある。そこは坑道からの水なんや。

坑口は もう埋まってるわ。


この辺りの山、アチコチと掘ったけど、出たんのはその竪坑の所だけで、

塞いである横穴の所からは出なかったんや。


鉱山の名前? 知らんなぁ。。

白い石英の上に緑色の蛍石が乗ってて、囲炉裏にくべて遊んだなぁ。。」




古い古い引き出しを探り、埃を払って記憶が紡ぎ出されてくる。




「あの家の所が事務所やって、その先のガレージになってる所で女工さんが選鉱してはったよ。

前にもこの辺りに鉱山無いか?と聞きにきた人が居たけど知り合いか?」



嬉しそうに語ってくれたお爺さんに礼を言い、教わった竪坑の場所を見に行く。

「家の裏の角から川向こうに16m先やったで」





確かに穴は無く、数段の石垣が飯場跡かな?と思える遺構だけが残ってた。

白っぽい蛍石を拾った。




次にお爺さんの鉱山の引き出しが開かれる事はあるんかな 。

と考えながら、次の産地へ。