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面谷鉱山 採集行

2019年08月16日 | 鉱物採集 石川 福井
面谷鉱山で採れる蛍石に良品は厳しいと聞き、ついつい後回しにしていたのだが、
このお盆休みに他の産地と合わせて福井県産蛍石を押さえるべく、
大量の麦茶とスポーツドリンクを携えて初の面谷へ。




九頭竜湖南岸の県道から面谷川沿いの未舗装路に入り15分ほどゴトゴトと進むと、

右岸左岸と うず高く積み上げられたズリ山が目に入ってくる。



やっとこさ来たなぁと感慨を抱きつつ、入り口近くの慰霊碑に目を通し手を合わせる。

装備を整え、右岸側下手のハゲと疏水坑ズリから出発。



面谷川を渡りハゲの下端に着くと礫岩が崩れてきており金気が無く、
疏水坑側へ横移動すると選鉱し倒した細かなズリ。

真夏の日差しをモロに浴びてコレかと出鼻を挫かれ、かなりの戦意を奪われる。



早々に見切って、次に左岸側選鉱場跡へ。



主要鉱脈の8割以上は面谷川左岸に集中、選鉱場横の兎坑本坑から掘進し運搬坑道と使われており、
蛍石が脈石として多く伴った四番竪も同じくそこに連なる。

数多の石屋が目立つココからまず攻めると思うが、スルーする訳にはいかずズリ山を登る。





細かな蛍石がポロポロと混じるが良品には出会えない。




汗ダクで登りきった最上段には、下界を一望できるカラミ煉瓦が敷かれた玉座の間が待っていた。




「人がゴミのようだ!!はっはっはー」って気分に近い。


この暑さはヤバイぞ正気に戻れと、選鉱場から下り、沢へ立ち入って麦茶をガブ飲み。

頭から沢水を被ってクールダウン。



文字通り頭を冷やし、無い知恵を絞って上流側へ移動。

精錬跡を過ぎ右岸の谷筋露頭を見て回る。




細い石英が走り所々に微細な蛍石が噛むものの金っ気も無く伸びない。ここも見切る。





あとの探索予定場所は左岸側上流部・土山坑を残すのみ。

暑さから諦めそうになるが悔いは残したく無い。

供給が無いなら需要も無い場所を探すしか無い。



気合いを入れて再度歩き出す。
草木の茂る無縁墓を通り登山道を外れ谷筋へ下り、ヒーヒーと藪漕ぎ。

ズリ下端へたどり着くともぅヘロヘロ。
水分補給は3Lを超えるが汗となり小便が出ない。



木陰で一服した後、ズリを見て回るも良品に出会う事は叶わなかった。



ヨロヨロとした足取りで選鉱場跡まで戻り、再び沢で頭から水を被ると16時。

少しだけズリを見返して面谷鉱山探索終了。


太陽光で蛍光する蛍石を拾えたのが せめてもの救いだった。




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開山は平安又は室町時代。 明治時代に三菱が継承。

ピーク時は大正6年で600戸3000人が居住。

大正11年、輸入銅に押されて休山。

昭和12年、大宝鉱業により再開

昭和41年休山。


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コレはズリ下の面谷川に沈んでいた蛍石。



殆どの石に川虫は付いて無かった。 推し量るべし。

そんな水が九頭竜湖へ注がれ、マスや鮎やと釣られてる。

ざっくり計算で1000年間も掘られ、史跡に成り得る鉱山なのに、

入り口の看板すら無かったのはココも負の遺産だからかなと。



3000人が生活していた残り香は墓とワサビくらい。

こういうのも珍しいなと面谷鉱山を後にした。



尾小屋周辺にて

2017年05月05日 | 鉱物採集 石川 福井



昨年、金平近辺の産地を訪れた時、

兎に角やり方が酷い人が多過ぎた。ダメだコリャと以後近寄らなかった。

無論地権者さんは怒り、今は川向こうから見ておられて柵を越えた時点で警察に即通報されるそうな。




必然か偶然か、平成29年5月より小松市にて「珠玉と歩む物語」保護条例なるものが施行される。

以後、小松市は鉱物採集禁止となる

線引き前に、石友さんと最後の尾小屋へ。






ココは1日採集してても誰とも会う事の無い産地で、それだけに条例施行が惜しいが致し方ない。



ええの出すど! 自分はガマ狙い。 石友さんはズリ狙いでスタート。




斜面に張り付いて石英脈をつつくも、中々広がらず小さい水晶しか来ない。



どうしたものかと思案していると、ズリの方から出たー!と時折歓声が上がる。




退かぬ! 媚びぬ! 省みぬ! と掘り進むも、紫石英 紫石英 紫石英 紫石英 紫石英 紫石英 紫水晶3cm未満クラスター てなペース。




出たーー! わー! が、ズリからちょくちょく聞こえ、尻がウズウズする。が退かぬ!




そのうち昼飯にしましょうと声がかかり、贅沢な昼飯は、その場で揚げるたらの芽の天ぷら。



コレやコレ、春や〜 ほんまにうまいです。



と食べつつ成果を聞くと、10センチ超えのクラスターも出てるではないか。


旦那方ぁ、一寸御相伴に与らせて下さいませんかねぇ。ぐへへ。

省みた末に 退いて媚びてズリでホリホリするも出ぬ。なんで?


ここは初志貫徹やと石英脈に戻り頑張ると、やっとこさ綺麗な紫にご対面。



小粒ながら色の濃さに満足、安堵、納得。



帰宅後洗浄 塩酸処理含む。





このゴールデンウィーク、施行直後は見せしめを含め 狩られたやろか。

つくづく惜しいわ。

紫水晶を求めて

2015年08月18日 | 鉱物採集 石川 福井






折角の盆休み。暑いけど寝て過ごすだけも芸が無いし、久々に綺麗な石を探しに行こうと思った。

「面谷か尾小屋 どないですか?」と石友さんをお誘いすると快諾下さり、炎天下にまだ逃げ場のありそうな石川県へ。

北陸道をピューと走り、AM7:00に装備を整えて入山。

二手に分かれて探索開始。
涼しい内に当てたいなぁ。。とトコトコ探すと、程なく粘土ぐっちょりのゲス板を見つけるが小粒で透明。

違う! と脳みそをクロックアップして移動。
無色脈




米水晶の石英脈が走るガサい所を一枚剥ぐと紫色と御対面。ツイてた~




透明度もテリも良し。

ガマ粘土の黄味が濃くガサい部分は紫が濃い。ウグイスになると薄まる。
晶洞が狭く全体的に、頭打ちした物や、クラスターが揉まれて折れ単晶になった物が多い。




前衛が掘り叩く間、後衛は虫除け速射・選鉱と交互に進む。

「石川まで来て良かった~」
が徐々に

「大きいの来ん~」
と贅沢になり、

「暑い~ 疲れた~」
で、15時終了と決め 納棒。




やっぱりフィールドはえぇです。
汗と共に毒が出て、良い気を貰える。


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洗浄後

LED光やと色が飛びます。



両垂 水平のゲス内で直交するように浮いてた





ちょい薄め




最初のガマのゲス板  チカチカと綺麗



宝達山蛍石 リトライ

2015年04月09日 | 鉱物採集 石川 福井


一昨年晩秋、藪に茨に阻まれタイムアップで泣いた宝達山。

図書館等で資料を集め直し、夜な夜なカシミールとにらめっこして位置を推定していた。
加えて有難い事に、先輩から詳しい丁寧な情報も頂き、盤石の体制が出来上がった。




藪が生き返る前、
早春を待ってた。



当日は花冷え。 北陸道の路肩気温計は3℃とある。 寒い。

曇天、時々小雨。 どうせなら晴れて欲しかった。

厚手の革手袋に腰鉈ぶら下げて出発。




茨を断ちながら進むが、合羽はビリっと裂け、帽子はヒョイと持ってかれ、
リュックは待ってくれーと引っ張られる。

棘が どこもかしこも引っかかる。 痛い。
「顔はやめて!」と言いたくなる。 イラつく。

つい雑に鉈を振ってしまうが、ソロで怪我は洒落にならんぞと戒める。



一服しつつ、山菜も摘みつつ進む。



石より先に新聞紙の出番。 誰も摘んで無い。 入って無いんかな?



踏みつけ曲げて薙ぎ払いつつ予測地点に着くと抗口。 この瞬間はいつも嬉しい。
位置をプロットしながら、まず1番上のそれへ向かう。



資料にある「上流側旧坑」の更に上の坑道は砂防ダム設置の影響か取り付けなくなっていた。

順次下流側へ。


残念ながらほぼ脈状しか見当たらず、しかも脆い。
大きい結晶の良品は難しいかと思う。




坑内の脈が太い所は色が濃い。 過去には60cm以上の富鉱部もあったそうな。
ヘッドランプのLED光が吸い込まれるように輝き、思わず魅入ってしまう。



厚みのある部位を丁寧に。



一部自形もあり、表面があまり侵食されてない。
透明度も有って綺麗。





石英・針水晶が多い穴では全体に自形結晶が載るのが出た。




色は薄いながらも、水晶とのコラボが嬉しい。
今回は この2点と叩いて出た破片のみで満足して下山。

押さえておきたかった古典産地。 直に触れる事が出来たのが何より。

尾小屋 ちくわ劇場、葱祭り。

2013年04月16日 | 鉱物採集 石川 福井
メールBOXを開くと「尾小屋行きませんか?」とのお誘い。

久々に行きたいなぁ。。と参加させてもらいました。







南さん、かおなし夫妻、ちくわさんを拾って石川に向かう。



仮眠をきっちりとって来たちくわさんだけは元気で、「アコのあれ、どうなんかなぁ?」とかボソボソと嬉しそうに2列目から話しかけてくれる。

色々と情報交換やら面白話、水晶にかける意気込みを聞きながらハンドルを握ってると

「小松IC 2km」の看板。  

一睡もせず走ってもうた! どうりで眠いハズやんけ!!! ちくわトークにヤラれる。


コンビニに寄り、運転を変わってもらい仮眠体制。 産地に着くとスピネルさん・たこさん先着。

白々と夜が明けだしスピネルさんが良いの拾ってると、てんてんさん・葱さんも到着。



てんてんさんのキュートなスマイルの横で、葱さんは一張羅の作業服。  

今日もうるさい賑やかな一日のはじまり。




「おはようさん! ほな行きましょうか!」と鉄塔へ移動。

皆、思い思いの場所に散り採集開始。カオナシ嫁さまが良いの1つ拾う。




で、ちくわ劇場が開幕。 コッソリと無言でええガマ開けてるのをタコさんに見つかる。 

俺なら「出たぞーー!」とか叫ぶのに。 小嫌ラシイちくわめ。





圧巻の内容は本人さんのブログで見ていただけるかと。 いやはやお見事でした。

常日頃から努力・勉強されてる結果が、出るべくして出たと思った。



南さん    「ええもん見せてもらいました!」

かおなし夫妻 「さすがやなぁ。。」

てんてんさん 「すごいすごい! 格好イイ!!」

たこさん   「悔しいなぁ~~!! すごい!」

葱さん    「ワシは喋りに来たんよ~ どのお尻を頂こうか~? 」 

スピネルさん 「ニコニコ」

俺はふてくされて寝てました。



ズリは厳しい状態で、ガマ明け無かったら退屈やったはず。

昼頃には皆で車に戻り、道端でべちゃくちゃと昼食後、尾小屋鉱山資料館へ。




立派な標本群に囲まれて 感嘆の声やら溜息やら。

無理やりの継接ぎクラスターと、水晶刺した花瓶はキツかったけど。。




2Fの資料に現在採集できる場所の地図が有ったので寄ってみることに。


地図にはズリとあったが、残土捨て場に変わったよう。

周りのカット面を探すとてんてんさんガマ発見。

透明度のあるクラスターも出た。 葱さんもイジってくる。 いよいよ焦る。。



やばいなぁ・・と探してると脈を見つけ粘土ガマから紫が覗いてる。 位置高い!

葱さん「足場作り~」と、わざわざ車まで戻ってスコップ取ってきてくれた!

もしかして良い人なんか!? と錯覚しそうになる。

合体したりしてチョロチョロと出す。(てんてんさん写真アリガト)




もちょい掘り込みたかったけど、眠いししんどいし、もういいか~って。



東北の方々も合流して少しだけ話して記念撮影後、名残惜しいが解散。




成果はショボショボながら、ワイワイとギャーギャーと、めっちゃ楽しい採集やった。

また誘ってくださいね!

あんだけ絡んだのに、ご利益なかった~



大虫の滝

2011年06月11日 | 鉱物採集 石川 福井
大虫の滝






大虫神社の西2kmほどに滝があり、そこで水晶が採れたらしい。
金平の帰路に寄ってみる。

大虫神社って、どうも宮崎駿を連想する。



「鎮まりたまえー! さぞかし名のある山の主と見受け・・・」 ってやったんかな



で、県道190を神社から西進すると大虫の滝の看板。
坂を登ると車止めがあり、そこからスグで小さな滝と社があった。

ちいさな場所で、見回すと石英が転がってる。蚊が多い。





滝の上に回り込んでみると小さな水晶の群晶が転がってた。
拾ってる間に3か所蚊に食われた。

ブンブンとヤブ蚊が 「飯きたぞー!」と群がってくる。



全然 鎮まってくれません。



失血死せぬよう 早々と立ち去る。

社から山に入れば、いいのが転がってそうな産地やった。




サンプルに1個だけお持ち帰り~

嗚呼 念願ノ紫水晶

2011年06月10日 | 鉱物採集 石川 福井







紫水晶欲しいナーと常々思っていた。




近畿圏で紫の出る産地を調べる。

・兵庫県朝来、 佐嚢   (ボウズ)
・鳥取県伯耆町 藤屋   (露頭調べても解らず )
・京都府亀岡  広野   (煙は採れた 紫ボウズ)
・京都府船井郡玉岩鉱山  (マンガン鉱山で難しそ)
・滋賀県西浅井町月出   (採集禁止) 
・滋賀県マキノ町山崎山  (産地消滅)
・奈良県天川村大塔宮   (紫出会えず)
・三重 鈴鹿山系     (ヒル嫌い)
・三重 橡山林道     (紫出会えず)

ざっとこんな感じ。 近場で採れそうな場所無いもんやなぁ。。

んーー難しいと解ると尚更欲しい。欲しい欲しい!!

布団に入り、悶々と考える日々が続くのです。



辛抱たまらん。。。
採れそうなトコまで走ったろか。 

いてまえー! 

ETC深夜割で大阪から300km 日帰り。  

石川県尾小屋鉱山金平坑へいざ参ろうぞ!!





R416 小松特別支援学校の北側交差を東に入り、カーブすぐの分岐を東に右折すると河川改修の現場が。

親切なことに「水晶拾いは ここに停めてイイヨ」って看板。




ハイ停めます。停めさせてイタダキマス。 スパイク長靴に履き替えて出発。

WEBで「川沿いのズリは消滅」とある通りユンボ ダンプが稼働中。

邪魔にならぬよう 一礼して隅っこを通り抜ける。

注意して山側を眺めるとズリ発見。
斜面と更に奥の尾根にズリがあるらしく探索する。

ズリを見渡すと、紫の破片は転がってる。
ホジホジするが頭付きがなかなか無い。

人の掘って無さそうなズリの端を掘るとやっとこさ数個ゲット。 一安心してタバコを探すが車に忘れてきた。

一旦タバコ取りに車に戻ろうと現場横を通ると、ユンボの大将が「採れたかー?」

もひとつですわー。と答えるとユンボ運転席の足元に置いてはった紫水晶を2、3個くれた。ありがとうー!!!

「大雨降ったあととかキラっと光りよるの拾って置いてるんや。 最初はこんなんやなくものすごい水晶がボコボコ出てなー。
そのたび機械停めて拾ってして家に飾ったーるわ。」



やさしい大将で、現場の小川を指して「ズリが大雨で川に流れてるからそっち探してみ?今日はソコやらんし」とのこと。

小川をみると水位用の目盛が1M以上ズリ含む土砂で埋まってる。




さっそく河原に降りる。水かさは30cm前後で底まで見える。

テクテク歩くと紫色が目に入る。 おーあるじゃないかデカイ紫水晶!!




青鉛鉱や方鉛鉱・閃亜鉛鉱なんかもゴロゴロ。ウハウハ。




紫水晶は頭が欠けてるのが多いけど、中には良いのもあった。

今思えば、剣スコで上流から掘り返して探せばよかったなと。

ま、満足のいく採集やった。ユンボの大将のおかげです。

行くなら大雨の後の河原ですな。 

くれぐれも仕事の邪魔せんように!