あけぼの

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葬儀は夜行バスで

2012-03-02 15:54:45 | アート・文化

私の出生地は鳥取県の田舎だ。学生の頃は急行夜行列車で郷里に。結婚してからの家族移動は新幹線で。中年から停年までは航空機で往復したものだった。その時々の懐具合で移動した記憶がある。温泉にワイフの両親を招待した領収書が見つかった。56歳の時だ。皆生温泉旅館の75000円の領収書と2枚の東京往復全日空半券だ。両親は宿泊を断って家に帰られたが当時は豪勢な里帰りをしていたものだった。

 近年の郷里通いは夜行バスだ。生活レベルが下がったね。知人たちは航空機で往き帰していると自慢そうに話す。「窮屈で眠れないでしょう」と同情してくれる。むしろ馬鹿にしているのかもしれない。だが私には考えがある。胸の内では航空機で行ったつもりで差額は会った親族や皆さんと会話を楽しむための会食に使う。勿論私の奢りで、だ。窮屈な思いをしても、相手に喜ばれることをすれば気分がよい。自尊心を傷つけられてもいい。与えて喜ぶ人間性でありたいしプライドは死ぬまで維持したいから。最近は葬儀や法事系が多いがその都度バスだ。そしてご馳走する。心豊かでなくして顔は出来上がらない。昔、飛行機と温泉旅館、今、夜行バスと銭湯で、満足してます。(自悠人)


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