いつものごとくガイドブックは粗読みしただけ。特に中国は4回目だから。行先は田舎町だと多寡をくくって北京行のAir Chinaに。羽田でもチェックインカウンターで2時間も待たされたが北京の乗換口は凄い行列。外国人乗換出口に並び泡を食った。空港なのに英語は通じない。出国書類が必要と判った。記入するために折角並んだ列を離れてやり直し。記入に当たってワイフが「パスポートがない!」と。ワイフが持っていたのは私のパスポート。どこでなくしたのか。最初の外国人乗換口か、案内人に渡して返してもらわなかったのか。何か質問するだけでパスポートを要求する国だから。再度案内人に尋ねに行ったときは人が変っていた。パスポートが手元から消えたことだけが事実だ。困った。どうする?再発行には首都北京でさえ5日間はかかるだろう。この旅が北京止まりになってしまう。何十年も旅をすれば不注意で紛失することもあって不思議ではない。「これも経験、仕方がないか?」と諦め気分になり諦めがついた頃、「最後にもう一度」と手元を調べたら自分の腰バックの中にワイフのパスポートが入っていた。どうしてワイフと私のパスポートが入れ替わったのか今でも判らない。待つ国、中国の玄関口での「待つ洗礼」と我々の旅慣れが齎したドタバタだったが、悲観、諦観、楽観がシニアの常ではある。チケットを買った旅行社の言葉によれば「中国は待ち時間が幾らあっても余ると言うことはない」と。その通りだった。いったん出国してから国内乗換口に行くのが正解だったのだが、ここで無事トランスファーするのに3時間以上待ち、もたもたもし、やっとウルムチ行き国内線に飛び乗った。 (自悠人)