私的CD評
オリジナル楽器によるルネサンス、バロックから古典派、ロマン派の作品のCDを紹介。国内外、新旧を問わず、独自の判断による。
 




The Perfect Gentleman
PAVANE ADW 7474
演奏:Patrick Denecker (Recorders), Guy Penson (Harpsichord)

 アマチュアの音楽愛好が隆盛を極めていた17世紀終わりから18世紀初めのイギリスでは、紳士たるもの楽器のひとつも嗜まなければ・・・という風潮があった。 このCDのタイトル、The Perfect Gentlemanは、そういうところから付けられたのであろう。 リコーダーは中でも特に好まれた楽器であったようだ。ロンドンには多くのリコーダー製作工房があり、ステインスビー親子やフランスからやってきたピーター・ブレッサンが良質のリコーダーを供給していた。
 当時のロンドンには、ヨーロッパ各国、特にイタリア、フランス、ドイツから音楽家が多く移り住み、音楽の消費地イギリスに作品を供給していた。ヘンデルもその代表的な1人である。しかしこのCDの曲目構成は、当時のイギリスで流行していた歌謡や舞曲にもとづく作品、そして、ヘンリー・パーセル、ウィリアム・バード、マシュー・ロックあるいはアンドリー・パーチャムといったイギリスの作曲家の作品が中心となっている。 このCDには、ヘンデルのリコーダー・ソナタニ短調(HWV 367a)が収められているが、それは第2楽章に、イギリスのホーンパイプという舞曲を採用しているためである。
 リコーダーを演奏しているパトリック・デネカーは初期バロックと盛期バロックのソプラノとアルト、それにヴォイス・フルートを用いている。チェンバロのグイ・ペンソンは、1640年と1730年頃のリュッカース一族製作の楽器を使い分けている。チェンバロ独奏の曲も4曲ある。
  このCDのもう一つの特長は、2つないし3つの曲をメドレー風につなげて演奏していることである。例えば、G. ビンガムのマーチとヘンリー・パーセルのシベル(Sybell)を切れ目なくチェンバロの間奏で?いで演奏している。珍しい曲としては、サイモンとガーファンクルの歌で有名な「スカボロー・フェア(Scaborough Fair))」がアルト・リコーダーとチェンバロの演奏で収められている。
 このCDを聴いていると、当時のアマチュア演奏家達の日常垣間見るようで、自分でも吹いてみようかな、という気になってくる。

発売元:PAVANE

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ドイツ語やフランス語の文字が文字化けする問題について
この「私的CD評」では、ドイツ人やフランス人の名前、それにそれらの国の作品や文書をそれぞれの国の言語で用いられているウムラウトやアクセント付きの文字を用い表記しています。これらの特殊文字は、HTMLの文字コードを用いなければ正しく表示されないため、これを用いて記述していますが、最近「私的CD評」をよく読んでくださっている方から、それらの特殊文字が正しく表示されないという事を知らせていただきました。この事に関してその方と何度か意見を交換した結果、Windowsの各ヴァージョン、Mac OSいずれに於いても、その純正のブラウザー、Internet Explorer 7やSafari Version 4では特殊文字が正しく表示されませんが、Mozilla Firefox 3.5.3を用いれば、Windows環境下でも、Mac OS環境下でも、問題なく表示されることが確認されました。この「私的CD評」をご覧いただいている方で、ドイツ語やフランス語の表示に文字化けが発生しておられる方は、Mozilla Firefoxのサイトで、無償でダウンロード出来ますので、一度お試しになることをおすすめします。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )


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コメント
 
 
 
懐かしい曲が…… (aeternitas)
2007-04-30 10:14:12
はじめて拝見させていただきました。
リコーダー音楽がお好きなようですね。わたしは、下手の横好きで、リコーダーを吹いていたことがあり、記事を読んでいて、それを懐かしく思い出しました。
 
 
 
リコーダーもバッハも・・・ (ogawa_j)
2007-04-30 11:29:53
aeternitasさん、コメントありがとうございます。
私の下手の横好きは、今も続いています。毎日吹いていると、ほんの僅かながらも、上達しているような気がしています。と言っても、限界を感じることの方が多いんですが・・・。
バッハの作品やリコーダー音楽のCDをどんどん紹介するつもりですので、また訪問してください。
 
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