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おだやかな秋の日よりもおだやかな人のまなこを見る夕べかも

2006年12月06日 10時32分33秒 | Weblog
@ おだやかな秋の日よりもおだやかな人のまなこを見る夕べかも   薬王華蔵

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 この歌を昨日褒められてしまった。そんなにいい歌とは思っていなかったのである。まあ、褒め上手をしてくださったのかもしれない。会って別れるまで4,5回はこの歌を取り上げてもらった。僕は人の作品はまるっきり覚えていない。選者ともなるとまるごと暗記ができるものらしい。凄腕だ。

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 おだやかな秋。それよりも穏やかにして暮らしている人のまなこを見る。見ることがある。おだやかに暮れて行く秋の夕べにそういう人の眼を見ると、ああ、ここに今日生きていることができて良かったなとしみじみとそう思えるのだ。

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 おだやかな眼をしておられるのは仏である。でも仏の眼ではなくて、現実の苦界を生きている人間にそのおだやかな眼を見ると、仏の眼とはいささか異なったやすらぎを感じるのである。誰だって始終穏やかにはしておられまい。たまたまだったかもしれない。たまたまその人がおだやかな心境に居合わせておられるときにたまたまわたしが出くわしたのかもしれない。いい眼を見た。嬉しい気持ちになった。そういう時があったことを短歌にしてとどめることにした。








コメント (4)
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