入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’22年「春」(47)

2022年05月05日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


「ツツーピー、ツツーピー」、「ピー、ピー」、「ホーホケキョ」、今朝も鳥の声が聞こえる。午前8時、気温はすでに18度と、窓を開けていても寒くない。朝日とともに入り込んでくる快い風がレースのカーテンを揺らせ、またきょうも昨日とあまり変わらない牧の一日が始まる。
 きょうは第5牧区、アラスカの森の奥に予定されている撮影地で、山道を刈り払い機を使ってクマササをもう少し丁寧に刈り込み、他にも目に付く車でえぐられた轍を埋めるなどの整備をしたい。

 流ちょうな日本語を話すハンガリー人がキャンプに来ている。某大学の教授だという。多分、この国の人と話をするのは初めてだと思う。日本語は読んだり、書いたりするのは難しいだろうが、話すのはそれほどでもないだろうと言うと、そうだと頷いてさらに「文法も簡単だ」と言ったから、その言い方に反発した。「西洋人はどうしても東洋人を上から目線で見たり、考えたりする傾向がある」と言ってやったら「そんなことはない」と否定した。
 それで、そう言う理由として、あるオーストリア人の話をした。この男は日本人の女性と結婚していて、いつも風邪をひいていたおかしな記憶がある。そして、かつてのハップスブルグの栄光を鼻に掛け日本人を小馬鹿にしようとした。いわく「日本人は物真似が得意だ。トヨタや日産の車もみんな西洋の物真似だ」等々と。それで、「オーストリア人は物真似が嫌いだから、自分の国では自動車を製造しないのか」と皮肉った話をそのハンガリー人にしたら、彼は無理して笑っていた。
 考えてみれば、ハンガリーという国については何も知らない。今は入笠山に登りに行っているから、帰ってきてもしも機会があれば、もう少し話をしてみたい。少なくとも、ここのキャンプ場は大いに気に入ったようだ。

 牧場の仕事を始めて半月が経ち、きょうの午後はようやく牧守らしい仕事をした。小屋の裏の普段はあまり放牧に使ってない第2牧区のカヤを刈ったり、実生から生えた落葉松の幼木を切ったりした。これをしておかないと、牧区はやがてこうした植物に席巻されて、牛を放牧することができなくなってしまう。今のうちなら、チェーンソーに頼らなくても、刈り払い機で大半が片付くから楽だ。
 牛が上がってくるまでにまだ1ヶ月以上あるが、明日から撮影の仕事が入っているため、こういう仕事にまた幾日か手が回らなくなると考えてした。気になっていただけにひとまず安心できた。

 キャンプ場を含む「入笠牧場の宿泊施設のご案内」は下線部をクリックしてご覧ください。
 本日はこの辺で
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