入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’17年「秋」 (69)

2017年10月31日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

          Photo by Ume氏

 昨夜は里でも冷えて、今朝は霜が降りた。黄色く色付く前に、一夜にしてイチョウの葉が散ってしまった所もあったりと、季節の変化は急激で、容赦ない。こんな日は、ひょっとするとUme氏が来ているのではないかと思っていたら案の定で、初の沢の大曲近くのいつもの場所で、コーヒーを沸かし朝食の用意をしていた(本日の空撮写真はその時のもの)。
 氏によれば、今朝ヒルデエラ(大阿原)ではマイナス6度まで下がったという。そんなことを聞けば管理棟や山小屋の水回りのことが気になって、折角淹れてくれたコーヒーもそこそこに急いで来てみた。
 昨日の帰り際、念のため水の排出栓をわずかながら開けておいたのが功を奏し、何とか水道管は破裂してなかった。ただ、その周囲は飛び散った水で真っ白く凍っていて、昨夜の寒さの厳しさを伝えていた。また、日の当たらない上の大曲付近は、道路に溢れ出た水が凍結していて、排水路の整備にも追われた。



 いつもの枝打ちを途中で止めて戻ってきたら、パドックのある草地の上で外国人らしきが、犬と一緒に休んでいた。犬が反応したのでこっちも声をかけると、彼は小黒川林道を歩いてきたらしかった。英国人だった。以前にも彼のように、外国の人(アメリカ人)が歩いて大沢山を一周するのを見掛け話したことがあるが、日本人はまずこういうことをしない。せいぜい自転車である。
 きょうみたいな天気の日、林道はお勧めで、何も団体で賑わう山頂にこだわることはないという気がしたが・・・。あっ、言うまでもなく、彼の日本語は全く問題なし。クク。

 これからの季節は時代遅れの山小屋がオススメ。キャンプ場及び山小屋の営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。
 
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     ’17年「秋」 (68)

2017年10月30日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 山室川に流れ込む栗立川(くりだちがわ)と紅葉。この二つの川が合流する場所はちょっとした渓谷で、紅葉は毎年、見事なまでに色付く。昨日の台風のせいだろう、水量がかなり多く、流れも激しい。山室川を渡り、栗立川に沿った道を登っていくと、その最奥に種平小屋がある。ここは法華道の赤坂口でもある。
 台風が去ったら、気持ちの良い青空が広がるのかと思っていたが、今度もまだ重苦しい雲が空の大半を占め、冷たい風が雨でさんざん痛めつけられた紅葉を散らしている。路上には、そこかしこに木の枝も散乱していて、倒木のことを案じつつも、何とかチェーンソーの世話にならずに上まで来た。
 きょうも相変わらずの枝打ちや、牧場の見回りなどで1日が終わるかと思っていた。ところが、マナスル山荘本館で昼飯を食べていたら、中高年の夫婦らしき登山者と話が合い、ついまた牧場の案内などを買って出てしまった。歴史好きだったり、なによりアラスカにオーロラを見に行ったことがあるなどと聞けば、ついお節介を焼きたくなってしまったのだ。

 少し今冬に備え、時代遅れの山小屋の内装について、あれこれ考えている。どうなることか。週末の撮影隊に求められ、内風呂も使えるようにした。そうそう、調べたら昨年は11月の13日まで露天風呂も営業していた。
 KNIさん、コメントありがとうございました。そうですか、炬燵ですか。なお、あそこは本館ですが、主人にも伝えておきました。
 葉を落としたダケカンバの林などを見ていると、もう去っていこうとしている季節への未練がましさなどを捨てて、灰色の初冬の雰囲気の中に気持ちを移し、入っていく準備ができた。明日で10月も最後。

 これからの季節は時代遅れの山小屋がオススメ。キャンプ場及び山小屋の営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。

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      ’17年「秋」(67)

2017年10月29日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 昨日は、早出したので寝不足だった。にもかかわらず、午前1時半ごろ目が覚めて、それから夢現(ゆめうつつ)の中に浮いていた。時計を見れば4時。夢の余韻を断ち切ろうと布団から出て、ビールがないのでシャンパンを飲んでいる。外は、本日も雨。
 写真は、きょうの天気と全く違う。しかし、季節の指標にしているこの3本のミズナラの木を今載せておかないと、その機会はもうないかも知れないと案じ、あえてした。10月も、今の季節も、もうすぐ終わる。

 そんなことを書いてひと眠りし、目が覚めたら時計は10時を回っていた。雨は相変わらずで、上に行くのを諦めた。いまごろ台風奴は、日本列島に沿って太平洋上をノコノコと北東に進んでいるのだろうが、これだけ雨を降らせたらもう充分だろう。強情で、しつこく、執念深く、粘着性があって・・・、いい加減にしてほしい。天気に文句を言ってみても始まらないことは重々承知だが、それでも、文句を言わざるを得ない。いやいや、ホントにこのどうしようもないということが、余計に腹を立たせる原因だろう。
 昨日の「釜トンネル」を読み返している。この本は釜トンネルだけでなく、上高地のことについても触れていて、トンネルだけでなく、ここにも頭を下げなけらばならない人々が多数いた。それにしても、混雑の最大の原因が短時間滞在するだけの日帰り客、それもバスツアー客で、また、上高地の宿泊定員は1千500人に抑えられていると知ったのも驚きだった。ただ「しかし、〝一見"の観光客の大波が押し寄せ、理想通り展開してない」と続き、文意が曖昧で、実態は違うようにも取れるが、定員数は今でもそうだろうと思う。ちなみに、この本が出版されたのは2001年。
 
 伊那側からの入笠へのアクセスは、千代田湖経由が無難とされてるものの、現在工事中で湖から迂回路を通ることに。ところが、この道が未舗装でよくない。残るは芝平からと、戸台のコースがあるも、こちらの両道も大雨の後はあまり勧められない。ご注意を。

 これからの季節は時代遅れの山小屋がオススメ。キャンプ場及び山小屋の営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。

 

 
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     ’17年「秋」 (66)

2017年10月28日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 今朝は4時半起きして、牧場内の撮影の下見に立ち会った。昼ごろから雨になる予報が出ていたから、その点では早い方が良かったが、先方が期待していた日の出はやはり無理だった。

 観光という事業は、難しいと思う。人が来てくれなければ、どんな素晴らしい自然も、施設も話にならないが、しかしそれも程度の問題で、多い時には日に万人が押し寄せるような上高地や富士山は、この先どうなるのだろう。
 行政が入山規制を考えるなら、日帰りの団体を扱う大手旅行会社も、もっと営業の在り方を考えるべきだと思う。ただ集めて、運んで、降して、また連れ去る、それだけではないかも知れないが、このままのやり方を続けるだけでよいのだろうか。富士山の山小屋も、またしかり。
 観光客も、もう少しあなた任せにせず、自分の自主的な努力や、工夫をしたらもっと旅の様子が変わると思うが、そういうことのできる人が、乗り物に頼り、子供のように案内されるままにゾロゾロとあちこちを連れ回されて、ただ「旅をした」という満足感だけで終わってしまうようなら惜しい気がする。
 最後にもうひとつ、「地方創生」と観光事業をやたら結びつけたがるのも良し悪しで、観光客は気紛れで、現在は良くても、見捨てられたり、忘れられてしまうことはいくらでも、と言うくらい、あっちにもあるし、こっちにもある。
 
 雨が激しく降っている。10月と言えば、秋晴れのイメージが強いが、今年は週末を待つように台風が来たり、雨が降ったりした。こんな天気の日でも、傘を差し、合羽を着て、とぼとぼと歩く人がこの山の中にもいるだろうか。

 これからの季節は時代遅れの山小屋がオススメ。キャンプ場及び山小屋の営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。

 
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     ’17年「秋」 (65)

2017年10月27日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 一昨日だったか、遠くの山々に雪が降った。入笠も初雪があったそうで(確認できず)、平年より半月ばかり早かった。雪の来るのが早い山もあれば、遅い山もあった。ここ二、三日は好天が続くようだが、それでも北ア後立山の雪は融けずに根雪となるだろう。

 上高地は年間200万人もの観光客が訪れるという。「釜トンネルは、『上高地の衛兵』である」と「釜トンネル」(信濃毎日新聞社刊)の著者・菊池俊朗氏は書いてるが、確かに、この狭くて、薄暗いだけでなく、やたらと勾配のきついトンネルが上高地を守り、充分に「衛兵」の役割を果たしたことは間違いない。
 それに加えてもう一点は、上高地が国立公園に指定されたのが昭和9年と早く、大手の観光資本が入って乱開発を始めるのを未然に防いだ、という面もあるだろう。
 ただそれでも、初めて行った50年前からきょうまで、古い上下一車線で交互通行の釜トンネルは新しいトンネルが完成し、崩落を繰り返していた沢渡からの梓川沿いの旧道は、味気のない直線ばかりの続く道路にその役割を移した。梓川の崖っぷちに引っかかるようにしてあった坂巻温泉は場所を変え、立派な温泉宿になって久しい。また、車窓から見えていた中の湯の露天風呂は、中の湯本体がこれまた移設されて使用できなくなるなど、梓川流域の昔の姿や雰囲気は大きく変わった。このごろでは、入山規制が取り沙汰され、かと思えば登山鉄道構想まであるという。
 先日上高地を訪れた人の話では、沢渡の駐車場で場所を見付けるのにまず苦労し、ようやく訪れた上高地では人の波にもまれたという。その人も含め、上高地を訪れる観光客は日帰り客が殆どだという。
 確かに上高地への出発地沢渡は活性化、というより人と車でごった返し、それなりの金が村にも落ちているだろうが、もう静かな山村の暮らしは二度と戻ってこないだろう。(明日、もう少しだけ)

 「吊り尾根」を誤記していまいましたので、訂正しました。

 これからの季節は時代遅れの山小屋がオススメ。キャンプ場及び山小屋の営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。
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