入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’22年「春」(62)

2022年05月25日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
 郭公の声がする。午前6時、気温8度、朝日が小入笠の上に顔を出し始めた。きょうもこの時季にふさわしい気持ちの良い朝を迎えた。ただし、午後になってこの天気は崩れるだろう。



 苦戦を続けながらも昨日で、グラスファイバー用の支柱に加え、鉄の支柱を約30本以上を打ち終え、さらに有刺鉄線も150㍍くらいを回収することができた。この牧柵の有刺鉄線は有難いことに断線している箇所がなく、それが支柱から外れて地表に落ちているのは拾い上げるようにして巻いていく。上手く行けば、3段張ることになる有刺鉄線の1段もしくは2段までをきょう中に終えることができるかも知れない。何とか目途が立った。
 
 それらを回収していくと、見覚えのある結線に使った緑のビニールで保護された針金がところどころにくっついていて、それらが16年前、この仕事を始めたころの名残りであることを思い出させた。今でも忘れないが、この種の針金は牧場の外周の牧柵を28日かけて補修した時の証と言ってもいいもので、それを消してしまうのには些か感じるものがあった。もうここで同じ作業をすることは二度とない。部分ぶぶんではあっても、牧場の一部を、なくしてしまおうとしているのだから。
 
 そういえば、この牧柵の近くに仕掛けた罠でクマを捕獲したことがあった。一度目は3頭だったと聞いたが確認はしていない。それでも、逃げようとしてか罠の近くの3本の落葉松によじ登った跡がはっきりと残っていた。二度目は1頭で、これはしっかりと確認し、写真も撮ってある。「ダケ」と仮称したこのダケカンバの林の中では、鹿の捕獲をよくやったものだ。
 
 牧場にとって、第2牧区の区画変更による利益は当然ある。そうでなければこんな苦労はしない。というのも、この牧区の半分は2個所を源頭とする初の沢の渓の中で、放牧には全く適さない。管理にも非情に手間をかけ、苦労してきた。放牧頭数が200頭を越えた時代ならいざ知らず、もうそんな時代は来ないだろう。
 こんな場所があるために第2牧区へ牛を出すのを控えてきたのは勿体ない話で、もうかなり以前からそのことには気付いていた。何とかしたかった。しかしその仕事を、果たして自分が買って出るべきだったかまでは分からない。

 入笠湿原の近くにある早稲田中学校・高等学校の「鈴蘭寮」が閉寮されるということを知った。丁寧な挨拶が学校からあった。いろいろな事情を抱えて、ここも変わっていく。

 キャンプ場を含む「入笠牧場の宿泊施設のご案内」は下線部をクリックしてご覧ください。
 本日はこの辺で。

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