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入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

      ’25年「夏」(13)

2025年05月31日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 昨日の天気には呆れた。気温は3月だとかで、昼になっても10度以上にはならなかった。「一度勢いがつけば」などとは言ったものの、さすがにこれでは咲き始めたコナシの花も震え上がってしまっただろう。
 
 牧場の閉鎖に伴い、今後のことがいろいろと心配される。そのことについて牧場管理人の立場で少し呟いておきたい。
 まず現状復帰は、将来その責任は当然農協が負うとして、しばらくは思い留まった方が良いし、市にもそれを認めてもらいたい。いくら伊那市でも、殆ど前触れもなく土地を返還されても、おいそれとはいかないだろう。
 土地の活用方法が決まるまでは必要と思われる牧柵は残し、従来通りの管理方法を続けるべきだと思う。それによって、人や車、オートバイの進入を防ぐことができ、将来を見据えた管理にも役立ち、有効だと思う。

 獣害、特に鹿とイノシシは深刻な問題となっている。昨年は鹿ばかりかイノシシの被害が発生し、第3牧区の東側の放牧地はかなりの範囲が掘り起こされてしまった。
 牧場の外から風に運ばれて飛来する落葉松の実生は、放置すれば景観が変わる恐れがあり、またクマササやカヤの繁茂は広大な草原を消してしまうだろう。
 牧場内の草刈り、道路に迫る樹々の枝打ちも必須で、これはこまめにやるべきで、特にコナシ、落葉松の成長は早い。
 大事な水回りのことは、これも将来の大きな課題であるとだけ言って、敢えてここでは詳細については立ち入らないでおく。
 
 牧場外ではあるが、テイ沢、法華道、北原新道、これら周囲の環境保全、維持も、今後の課題となる。入笠と細い糸で繋がっている間は、これらの場所の保守に協力したいと考えているが、しかしそれは長くない。

 長野日報の記事では撮影についても触れていたが、これは伊那FCが続けていくはずだから安心している。それに加えて、せめて長い間多くの人たちに親しまれ、愛されたキャンプ場ぐらいは、中断せずに続けて行って欲しいと願うところだ。
 
 入笠周辺の自然は、ヒマラヤを目前にして「幼稚園の砂場」などと独り言ちったが、しかし、世界のどこへ出しても誇れる、文句のない中級山岳である。まだまだ知らないだけだ。
 かくなっては「深い悲しみの中の諦め」、どうかこの地ができるだけ長く、今のままの姿であり続けて欲しいと、それだけを切に願っている。
 
 sukerokuさん、思いがけない評価を頂きありがとうございました。引っ越します。
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 本日はこの辺で。明日は沈黙します。
 


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      ’25年「夏」(12)

2025年05月30日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

     今年もコナシの花が咲き出したのに、ここに牛の姿はもうない
 
 午前4時半、気温6度。外は冷たい雨が降っている。天気予報を信じるなら、この雨も7時ごろには止みそうである。こんな天気なら、きょうは道具の整備や小屋の片付けでもするつもりでいたが、雨が降らなければいつもと変わらず、電気牧柵の撤収を続ける。

 昨日、地方紙「長野日報」が1面トップで入笠牧場が今年度をもって閉鎖されると大きく報じた。TDS君始め何人かがその記事をSNSを使って送ってくれ、読んだ。記事を書いた記者は北原のお師匠のお孫さんにあたりよく知っているし、この件については一昨日も含め、すでに直接取材を受けていた。
 あの日は、折よく農水省から出向中の市の農政課長や林務課長、担当係長が来ていて、彼が記事を書くにあたっては直接話を聞くことができるという好機にも恵まれた。ただ、親しさゆえに、牧場管理人の記者への叱咤激励は厳しかったと思う。

 さて、牧場閉鎖についてその管理人が何を独り言ちるか関心があったようで、昨日は耳を傾けてくれた人がいつもより多かった。にもかかわらず、それがまたしても鹿の話で、意表を突かれたかも知れない。
 もちろん言いたいこと、吠えまくりたいことは多々ある。農協の畜産担当常務、営農部長、畜産課長には書面を用意して対面し、言うことは伝えた。
 幾年も前、市長を始め市議などお歴々が牧場へ来た際には、伊那市民6万人の中で入笠牧場への思い入れは誰にも負けないと言い放ったこともある。しかし、それはあくまでも牛の遠吠えのようなもの、そう聞かれたであろう。わたくしは何の権限もない牧場管理人でしかない。言うことを聞かせることができるのは、牛だけなのだ。クク。

 牧場閉鎖は残念である。実に残念である。しかし、仕方がないという気持ちもある。後継を希望していた人物は牧場の将来がこうなることを知ってか、すでに別の道へ進んだ。今の段階では、この条件で後継者を見付けることは難しいだろう。
 それに、200頭ならいざ知らず、100頭の牛が来ても、恐らくそれだけで牧場経営を黒字にすることはまず期待できまい。放牧料が安過ぎるのだ。
 ただし、牧場全体の収益が赤字だとは聞いていないし、思わないということは是非言い添えておきたい。
 とにもかくにも、牧場経営の当事者である農協がこれ以上続けれないと言い出しては、新たな方途を考えるしかない。それで入笠のためにもなるというなら何よりだ。
 なお、牧場管理人から見た閉鎖後の懸案となる点については、明日に。

 今朝も罠に鹿が3頭が入っていて、今出ていった。やはりゲートの下をくぐるのは相当に怖ろしいようだ。もっとたくさん仲間を連れてこい。

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 本日はこの辺で。
 
 
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      ’25年「夏」(11)

2025年05月29日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

   只今リボンワイヤー回収中、手前の白い紐

 
 また鹿が4頭罠の中に入っている。昨日誘引用の塩を置いたばかりで、早速その効果が出たようだ。しかし、この頭数ではゲートを落とさずにしばらく様子を見る。他のもっと大きな群れをおびき寄せるため、この鹿たちにその役を負ってもらうためだ。
 
 気が付かずにいたが、この塩を使った鹿の捕獲の方法が朝日新聞の「エコ&サイエンス」に紹介されていて、それを見た「四国八十八カ所巡り」のH氏がその記事をTDS君に送り、さらにそれがここにも回送されていて、きょう改めて読んだ。
 その記事によれば、塩の誘因は「頭数管理の新手法」などというタイトルが冠せられ、かなり大きく扱われていた。また、塩でなく塩水を使うようだが、雄鹿よりか雌鹿の方が反応するという調査結果やその分析が出ていた。
 記事の日付が分からないが、塩を使った捕獲方法は別に新しいことではなく、古い文献では罠のそばにいばり(尿)を放っておくと効果があるということが記されていたし、その知恵を生かしてここでは10年以上も前からやっている方法である。

 確かに、雌鹿の方が塩によく反応するかも知れないが、群れの構成は圧倒的に雌鹿の方が多い。交尾の時季を外せば、雄鹿は大きな群れとは別行動している場合が多く、詳しく調べたわけではないがそのあたりのことも塩(この調査では塩水)に対する反応に差が出た可能性も考えられる。
 ただし、「ニホンジカの母乳に含まれるナトリュウムの割合は牛乳よりも多いといわれており、(略)メスは授乳期にナトリュウムを補給しに来るのではないか」ということは、興味深く読んだ。また、塩に雌鹿がよく反応する時期が4月から7月半ばの出産、授乳期と重なるという結果は、今後注意して参考にもしたい。確かに、「夏場はだめだ」という声はよく聞くからだ。

 長野県でも当牧場において、塩を含む各種の調査や実験が行われたし、それに先立つ囲い罠の設置は古く19年前、丁度仕事を始めた年のことだった。捕獲の実績が上がると、それを聞きつけた報道関係者が何社もやってきて、罠の仕組みや実際の作動の瞬間などを何度も公開した。
 銃より罠、その罠も大型の囲い罠の方が効率が良く、手もかからないことが立証できたと思っている。しかし、以前なら20頭ほどの群れが現在では100頭近くにおよぶ段に至っては、もう何度もここで呟いたが、避妊薬の開発しかないだろう。

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      ’25年「夏」(10)

2025年05月28日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

     そろそろこのクリンソウにも赤い花が
 
 今朝は良い天気だ。気温も12度ほどあり、有難いことにガスコンロが使え、湯を沸かすことができた。1杯では足らず、2杯目のコーヒーを飲んだ。

 昨日に呟いたこの独り言の引っ越しの件だが、一昨夜こちらから連絡がないので、OTKさんの方から電話をしてくれたらしい。ところが電話には出たもののそれ以上の反応がなく、テレビらしきからの雑音が聞こえてくるだけだったという。     
 大変な無礼をしてしまった。まったく本人には記憶がない。

 以上が昨日、謝罪の電話をして知ったことだった。その際(また消えた)こんな独り言など保存する価値はなく、まして人の手を煩わせるほどのことなどなく、消えてしまうならそれでもいいということをお伝えした。
 山を下りて、里の暮らしに戻ったら、山の生活を振り返ることもあだろうから、そのときには暇つぶしにこの独り言を聞き返してみるのもいいとは考えていたが、しかしそれも可能ならということで、駄目なら駄目で良しという気持ちでいた。
 それにそもそもが、こんな面倒なことは他人を当てにせず、自分ですべきことで、それができねば観念すべきだとした。

 こちらからした不手際も、さらにその考えを押した。で、そのことをOTKさんに話した。すると、すべてではなくとも少しだけでも残してはどうかと言われて、そこでまた迷ってしまった。
 すでに昨冬、日記の類はすべ(また消えた)て焼却した。大したこともしていない山の記録は残しておきたかったが、これも東京を転々としていた間に紛失していた。
 有形無形失ったものは多々あるが、どれもこれも諦めがついた。今となっては格別執着する物もないし、遺す物もない。
 
 しかし、親切な言葉を頂戴し有難く、言われるままお願いした。
 やがて間もなく時間という洗剤で呆気なく消えてしまう空々漠々のわが一生、そこにシミを残しても詮無いと思いつつ、恥ずかしながら・・・。

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      ’25年「夏」(9)

2025年05月27日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

 
 一体最近の天気はどうなってしまったのだろう。今朝ばかりかここ幾日、気温が低いせいで管理棟のガスコンロが使えない。点火はするがすぐに消えてしまうのだ。
 暖かい初夏の日を期待したコナシの蕾も、これではさすがにその勢いに影響がでるかも知れない。
 
 この独り言も4千日以上が過ぎた。当初は、牧場の小屋やキャンプ場の宣伝が目的で始めたつもりだったが、日々の呟きに耳を傾けてくれる人は次第に増えたものの、残念ながら本来の目的とした誘客にはそれほど役立たなかったと言わざるを得ない。そして、当牧場の宿泊施設はどうやら近年は「穴場」的な地位に甘んじつつあるようだ。
 迎える側としては場所、環境、料金、サービスなどで決して他とは負けないと思っているし、その証拠に、長年にわたり利用してくれる人が多いというのもここの特徴である。しかし、・・・。

 この呟きが利用しているブログが、10月1日をもって終了するとの知らせはすでに届いていた。牧場を去る日も近く、それをもって、この独り言も終わるつもりでいるが、この寝言のような呟きを残すためには別な場所に「引っ越し」をせねばならないのだとか。
 それで、長年いろいろとPCという不可解で厄介な"機械"の扱いについて頼りにしてきたOTKさんにどうしたものかと相談してみた。
 
 氏は早速調べてくれ、ご自身でもその引っ越しを試した結果、この膨大なブツクサの移動には、大変な時間がかかるということが分かったそうだ。
 だから、氏が協力を拒否したということではない。むしろ、そのために骨を折ってくれるつもりで、このPC音痴にも分かるようにいろいろ説明してくれたほどだ。
 昨夜も、8時半にこちらから問われたことについて返答することを約していた。にもかかわらず、実はその時間、不覚にも、不覚にもだ、すっかり爆睡を決め込んでしまっていた。嗚呼。(つづく)

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