
昨日の天気には呆れた。気温は3月だとかで、昼になっても10度以上にはならなかった。「一度勢いがつけば」などとは言ったものの、さすがにこれでは咲き始めたコナシの花も震え上がってしまっただろう。
牧場の閉鎖に伴い、今後のことがいろいろと心配される。そのことについて牧場管理人の立場で少し呟いておきたい。
まず現状復帰は、将来その責任は当然農協が負うとして、しばらくは思い留まった方が良いし、市にもそれを認めてもらいたい。いくら伊那市でも、殆ど前触れもなく土地を返還されても、おいそれとはいかないだろう。
土地の活用方法が決まるまでは必要と思われる牧柵は残し、従来通りの管理方法を続けるべきだと思う。それによって、人や車、オートバイの進入を防ぐことができ、将来を見据えた管理にも役立ち、有効だと思う。
獣害、特に鹿とイノシシは深刻な問題となっている。昨年は鹿ばかりかイノシシの被害が発生し、第3牧区の東側の放牧地はかなりの範囲が掘り起こされてしまった。
牧場の外から風に運ばれて飛来する落葉松の実生は、放置すれば景観が変わる恐れがあり、またクマササやカヤの繁茂は広大な草原を消してしまうだろう。
牧場内の草刈り、道路に迫る樹々の枝打ちも必須で、これはこまめにやるべきで、特にコナシ、落葉松の成長は早い。
大事な水回りのことは、これも将来の大きな課題であるとだけ言って、敢えてここでは詳細については立ち入らないでおく。
牧場外ではあるが、テイ沢、法華道、北原新道、これら周囲の環境保全、維持も、今後の課題となる。入笠と細い糸で繋がっている間は、これらの場所の保守に協力したいと考えているが、しかしそれは長くない。
長野日報の記事では撮影についても触れていたが、これは伊那FCが続けていくはずだから安心している。それに加えて、せめて長い間多くの人たちに親しまれ、愛されたキャンプ場ぐらいは、中断せずに続けて行って欲しいと願うところだ。
入笠周辺の自然は、ヒマラヤを目前にして「幼稚園の砂場」などと独り言ちったが、しかし、世界のどこへ出しても誇れる、文句のない中級山岳である。まだまだ知らないだけだ。
かくなっては「深い悲しみの中の諦め」、どうかこの地ができるだけ長く、今のままの姿であり続けて欲しいと、それだけを切に願っている。
sukerokuさん、思いがけない評価を頂きありがとうございました。引っ越します。
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本日はこの辺で。明日は沈黙します。