入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’17年「夏」 (19)

2017年07月30日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 7月があと1日を残して、呆気なく終わる。過ぎていったひと月を思い出してみても、きょうの天気のように精彩のない、模糊とした記憶があるだけだ。

 第4牧区にいる種牛のマッキーは、今年が3年目の〝登板″であり、塩で調教できているので呼べばどこからともなく姿を現し、つられるように他の牛も姿を見せる。それで、給塩はできている。ところが第1牧区の牛たちは、塩場から遠くにいれば呼んでも反応しない。あれほど好物の塩でも歩くのが面倒臭いのか、それとも何で呼ぶのかが分からないのか。仕方なく近くまで行き、軽トラの荷台に塩を撒き、「どうぞ」とお勧めしてようやく、ノロノロと勿体を付けてやってくる。
 雨が多いと給塩の機会が少なくなるが、さりとて塩鉢に置いてきてもちゃんと牛の口に入るのか、その前に同じように塩が生命の鹿に先を越されてしまうのか分からない。鹿にお勧めする気はないから、いつも頭を悩ますことになる。いっそ、頭数が多い方が調教し易いという気がする。



 2泊の予定で来ている2家族9人は、この天気でいささか身や時間を持て余し気味に見えたので、テイ沢に案内した。子供たちはすぐに丸太橋や自然の環境にに適応し、初めて見る渓相に声を上げていた。
 TDS君の心配をよそに、沢の草刈りの予定を今年は牛のようにグズグズと決めあぐねていたから、そのことも気になって様子を見ておきたかった。補修用に丸太も用意したというのに、このまま夏が終わってしまうかも知れない。ムー。

 8月中は、キャンプの場合も、予約をお願い致します。キャンプ場及び山小屋の営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。
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    ’17年「夏」 (18)

2017年07月29日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 都会で生まれ育ったKにとっては、若いころに登った山の中には、ふる里にも似た郷愁を覚える山域があるらしい。今、各地の山で中高年の登山者が目を引くが、この人たちの中にもきっと、Kと似たような思いを抱いて山登りを再開した人たちがいるだろう。いや、若いころの山の思い出は、何も都会育ちの人に限らず懐かしく、30年も40年もたってからある日、霧の稜線や、朝焼けの峰からの呼び声を聞き、残された日々を意識しながら山に還る人だっているだろう。
 ところで、現在の中高年の登山者が減れば、訪れる人の全体数が減って山は静かになるのだろうか。それとも、今の中高年と同じように、次の世代の中高年が若者と一緒に、変わらずに山を賑やかにするのだろうか。人気を失ったという海水浴場のように若い人たちは、もしかしたら山などには関心を持たなくなるかも知れない。時代背景が影響して、登山人口は少しづつ減少していくような気がするが、そんなことはないのだろうか。
  
 漠然とそんなことを考えていたら、典型的な中高年の登山者3名がやってきた。女性2名に男性1名、1名は熊本からだとか。この人たちに限ってはまだ、簡単には山から去りそうもない。(7月28日記)

 昨日この独り言を投稿して、すぐ取り消した。まず、大丈夫だとは思ったが使用した写真が、本番前のカメラリハーサルの様子を撮ったもので、後で問題でも起こしてはと案じたのだ。写真撮影の了解は取ってあったが、ブログに載せるとまで断っておいたかは記憶がはっきりしなかった。いつか、モデルでなくその〝代理さん″が、森の中に佇む雰囲気のある写真をここに載せたいと思っている。
 とにかく、こういう仕事にはあれこれと気を回すことが多い。「テレビ番組」とは書くがその番組名までは記さない、といったように。

 8月中は、キャンプの場合も、予約をお願い致します。キャンプ場及び山小屋の営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。
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    ’17年「夏」 (17)

2017年07月27日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

Photo by Itoh
 
 気付かないでいたが、マルバタケブキの黄色い花が近くの森の中に咲いていた。それできょうは、クリンソウの写真と一緒に送られてきたItohさんのこの作品を紹介させてもらった。受け取ったときはまだ早いと思って、見合わせていた写真だ。
 このフキは牛も鹿も食べないというから、もちろん人も口にはしないだろう。生え始めると、どこにでも増えていく。花ばかりではなく葉も大きく、日本の野草の趣からは〝異種″の部類に入れておきたい気がする。植物図鑑で確認したら深山に咲く花で、花期は7月から9月と長い。
 いつも目にしていたのは夏の終わるころから秋で、これほど早くからあの落葉松の森をせっせと飾っていたとは知らなかった。ごくろうさん、と言ってやりたい気もするが、自己主張の強さが気になる。

 慎重の上にも慎重に出されたはずの梅雨明け宣言だが、スッキリしない天気が続いている。各地からは、毎日のように豪雨の被害が伝えられ、日本列島は呻き声を上げているようだ。やはり近年の地球温暖化が影響しているせいで、もっと新しい記録をたくさん蓄積しなければ今の段階では、これ以上の予報精度を期待するのは無理なのだろうか。

 8月中は、キャンプの場合も、予約をお願い致します。キャンプ場及び山小屋の営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。

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    ’17年「夏」 (16)

2017年07月26日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

         

種牛マッキー(雄和牛)はアップに耐えれず


         で、口直し

 急な雨が降ったかと思えば青空が見えたり、天気が回復するかと思えばすぐに期待が裏切られたりと、落ち着かない天気に翻弄されてきょうが終わろうとしている。
 そんな悪天にもかかわらず、下から東部支所の所長を始め7名が、布団干しを兼ねた小屋の整理整頓や、草刈りに来てくれた。何とか予定を終えて、大沢山々頂のJAXAの観測所や入笠湿原、ヒルデエラ(大阿原)を駆け足で案内すると、初めて来たという職員が幾人もいて驚いた。そういう目的ではなかったが、農業研修はJA上伊那が経営する入笠牧場や、付近の自然を知る機会にもなったと思う。
 特に初めて訪れた女性職員は、ヒルデエラの湿原や周囲の山が霧を遊ばせ、一瞬の間にその場の雰囲気を変えてしまうのを驚いたり、声えを上げて喜んだりしていた。そのうちまた、ゆっくりくればいい。
 CM撮影の最終打ち合わせがあったというのに、非情な雨は容赦なく降り続いた。ただ、この霧が玄妙な風景と雰囲気を醸し出し、悪天を何とか凌いでくれて有難かった。先日のテレビ番組の最終撮りも予定には入っていたが、これは中止となった。

 上空は薄い雲なのだろう、夕日に染まりかけている。帰ろう。

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    ’17年「夏」 (15)

2017年07月25日 | 入笠牧場からの星空

           天の川銀河



三裂星雲(上)と干潟星雲(下)        
    きょうの天体写真は2枚とも、ご存知かんと氏の撮影

 この2枚の天体写真を見れば、夜空に散りばめられた膨大な星の数に驚く。しかし、実際の宇宙はほとんど何もない空間で、人工のいかなる高性能の真空装置でもかなわないと、何かの本で読んだことがある。だから、また以前に書いたことを繰り返すが、遥かな未来において、我々の銀河とアンドロメダ銀河は衝突する運命にあるらしいが、これだけビッシリと星が蝟集して見える二つの天体でも、どうやらただ擦り抜けるだけで終わるだろうと科学的に予言され、そんな遠い先のことでも妙に安堵したものだ。
 地球と太陽までの距離15億キロは、秒速30万キロの光でも約8分もかかることになるが、その距離を1,5メートルに縮尺すれば、太陽系最遠の惑星である海王星までは45メートルになるのだとか。ところがこれだけの夥しい星の中で、太陽に最も近いとされるケンタウルス座のα星プロキシマまでとなれば、同じ縮尺率では400キロにもなるという。
 人類はまだ、光速ではたった1秒そこそこの月までしか到達できていないのに、冥王星までとなると光が要する時間では5時間以上になり、それが45メートルの距離を意味するのだとすれば、400キロ先のお隣を訪ねるには、光でさえ4年以上もかかる計算になるのだと。くどいようだがその星が、われわれの「最も近いお隣さま」である。
 砂をまぶしたように煌く星ぼしの間の距離がこれほども大きければ、それだけ宇宙は何も存在しない空間によって圧倒的なまでに占められていて、物質は極めてまばらな存在でしかないのだと納得するしかない。そして、想像を絶する無窮の遠(おち)、宇宙を想像するなら、ケンタウルス座のプロキシマとて、渚から指呼の間に浮かぶ小さな漂流物のようなものなのだろう、・・・か。

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