入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

What a wonderful world!

2014年03月28日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 昨夜は遅くまで本を読んでいたが、7時前に目覚める。いかにも春らしい天気。外に出て何かをしなければならないという気に駆られる。もう、牧場の仕事が始まるまでに1か月を切ったのだと、そういう思いもして。
 
 思い付いて、物置の奥に放置しておいた自転車を引きずり出す。ちょうど10年前、東京を引き上げる際に持ち帰った荷物だ。2台の自転車と未だ整理のつかない古本の類だけが、愚かしくも情けない彼の地の余情とでも言おうか、捨てきれずに残ってる。


    諦めかけていた「春咲く雪の下」

 帰ってきたころはあまり働く気もなかった。だから、自転車に乗ってよく色々な所へ出かけた。一番利用したコースは天竜川の堤防に沿って北上する辰野町までの往復25キロだが、「3峠越え」と名付けて、家から高遠―杖突峠―諏訪湖―塩嶺峠―善知鳥(うとう)峠―辰野町―箕輪町、のコースに挑んだこともある。諏訪湖に行くと温泉に入るのがこれまた楽しみで、先行き不明の身を慰めるには一番だとこのコースもよく利用した。


  この季節野の花といえば「犬フグリ」ぐらい

 あれこれ思い出し考えながら1時間半ばかりを走る。明度の高くなった春の日が、天竜川の水面を照らす。川べりの柳の木々が芽吹くには少し早いようだが、「水ぬるむ」季節がまた巡ってきたのだ。北へ帰りそびれれてしまった鴨らしきが1羽、ひとむらの葦の葉陰の、そこだけゆるんだ流れの中に浮かんでいる。そろそろ田に出始めた人の姿も目に付く。黒々とした冬の田畑が、いつの間にか乾いた明るい黄土色に変わりつつある。雪をかぶった中央アルプスの山々でさえ、今日は澄んだ青い空に春めいて見えている。

 やがて此処伊那谷でも桜の花が咲く。里の花と山の花を毎年二度楽しませてもらっているが、それでも明日は一足早い東京の花見に誘われて、行ってくる。

 

 

 

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雪の「法華道」を行く (2)

2014年03月18日 | 入笠周辺の山と谷



  
 実は、登り始めて1時間ばかり、連れてきた2匹の犬のうちの1匹、キクの姿が見えないことに気が付く。HALは何度かこの時期の「法華道」を体験していたから心配してなかったが、キク奴は初めてのこと。この犬は性格も野生に近いまま大きくなったから、自由にさせたらどうなるか不安がなかったわけではない。
 今回はできたら3、4泊するつもりで犬も連れてきたのだが、それがアダになってしまった。笛を吹いても反応がない。やむなくキクには、自身の運命を背負ってみろと言い置いて、登行を続行することに決める。
 そして、昼少し過ぎに小屋に到着。予定よりも1時間ばかり早い。喉が渇きを訴えていたから、水替わりにビールを飲む。
 この時期思うところあって毎年いつも断酒をする。今年も1,2日ばかりの例外もあったが酒を控えている最中で、今回持参したのは500ccの”緊急用ビール”たったの2缶だけ。





 キク奴は山の中で迷っているのか、はたまた車に戻って飼い主の帰りを待つことにしたのかなぞと、人心地すると犬のことがやはり気になり出す。

 
   アサンジ・アジモへタ・キク(川上犬・雌3歳)          油小路・HAL・2001(川上犬・雌7歳)

 結局、何となく体が勝手に判断したかのようにどんどん帰り支度が始まる。それはまるでじぶんの意思でないような意志のようで、4っ日分の食糧の大半を残し、小屋の裏の急登を開始。
 飲んだばかりの500ccのビールに喘ぎ始めてようやく、自分の明確な意思を取り戻せたかのよう。ならばもう、一気呵成に下るのみ、下るのみ。
 それでもふと、これが今年の「雪の法華道」の最後になってしまうかもしれないと過ぎてゆく時、去ってゆく季節を思いつ、考えた。



 出発地点まで30分ぐらいまでの距離に来て、先を下りてく茶色の犬の姿が突然2匹になった。見上げる嬉し気なキクのしっぽが揺れている。
 
 不測の事態のため、予定していた内容を全面的に変更しました(どこかで聞いたような台詞?)。カールママさんはじめNZWさん他コメントありがとうございます。
 
 
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     雪の「法華道」を行く (1)

2014年03月17日 | 入笠周辺の山と谷

     「みろく山の会」の人々と歩いた足跡はすでに無く





 3月15日快晴、風もなく穏やか。
 前夜降ったのだろう、薄っすらと積もった雪にスノーシュー(ズ)がその分だけ潜る。前回来てからまだ一か月と経っていないのに、日の光は明らかに明度を高め、新しい季節の予感が大気に漲る。また、春が来るのだ。


  「法華道」の登り口

  雪に埋もれかけた標識

 法華道は冬の間だれも通る人がいない。すっきりとした灌木の尾根道を、急登を巧みにかわしながら歴史の道は続いている。
 
 さすがに古道と言うべきか、途中「万灯」、「龍立つ場」、「門祉屋敷」、「爺婆」、「厩の平」、「脛巾(はばきあて)」と、古い時代の地名を教える標識が、雪の中に埋もれるようにして立っている。どれもこれも、北原のお師匠の孤独な努力がなしたことで、次代への尊い贈り物である。
 雪の状態にもよるが、これらの道標を確認しながら2,3時間も行けば、いつしか尾根は消えて、さらに登り傾斜の続く深い雪の森の中に出る。木々の合間から守屋山や大沢山の牧場の一部も見えている。
 この辺りはどこでも登路とすることができて気持ちのよい場所だが、最小限の労力で行こうとすればそれなりに地形を読みたい。やがて今は使われていない林道らしきが、森を横切るように薄っすらと見えてきてようやく一安堵する。ここから緩い登りを約1時間も行けば「本家・御所平峠」に着く。
 
 古道は深い雪の下にあるが、尾根を行く間は道に迷うことも、雪崩や滑落の心配もまずない。尾根が終われば標識布が欲しくなる場所もあるが、たまに見かけるそれらしい標識の類はかならずしも登山用のものではない。薄っすらとしか判別できない林道を、損をしたような気になりながらも何度か折り返すころには、「御所平」の標識が見えてこよう。
                                             (つづく) 
 
 

 
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(続)冬の入笠牧場を撮る!そして・・・。

2014年03月11日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など





                                   「みろく山の会」AKWさんの作品3点

 寒い日が続いている。
 東日本大震災から3年、当然マスコミも大きく取り上げている。海外でもウクライナ問題、マレーシア航空機の消息不明・・・いろいろな事件が後を絶たない。今朝の新聞の国際欄、マフィアの首領が「2度死ぬ」のニュースはあれど、マレーシア航空機の捜索に関する記事は一言もない。日本人が乗客名簿にないこともあるだろう。しかし、これでいいのだろうか。テロの可能性が取り沙汰されているというのに。

 昨日だったか、鹿の食肉利用促進のため、「信州産シカ肉認証制度」というものができたという記事を読んだ。処理施設の衛生管理状況を審査して、認められればそこで処理された鹿肉を認証商品とし、「個体認証番号」を付し、流通に乗せるのだという。で、消費者はインターネット上で、この認証番号から鹿肉の個体情報を得ることができ、この「全国初」の試みは、取りも直さず「安心安全を求めるニーズに対応」したものとなり、故に「需要拡大」につながるだろうと、県の担当者の期待の声も載せている。
 ちなみに、12年度、長野県内で捕獲した鹿は約34000頭で、そのうち食肉利用されたのは1600頭(5%)だとも報じている。
 鹿の食肉需要が増えるのもいいかもしれない。しかし、肝心の有害駆除、これをさらに推し進めていかねばならない現状において、この制度には首を傾げたくなる。まず駆除ありき、と思うが、いろいろな思惑があるものだと感心する。

 海山さん多謝、多謝。どうか、パノラマリゾートのあんなカーブは、笑って滑ってください。週末は上にいる予定です。AKWさんUmeさん、ありがとうございました。PHは大好評です。
 
 
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冬の入笠牧場を撮る!

2014年03月10日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

 
 ようやく、「みろく山の会」のAKWさん入魂の作品をご紹介します。
 
 
 先日、山岳写真をメインにしているUme氏とNKZ氏と伊那で飲んだ。その際、PCに詳しいご両人にAKWさんの作品をうまく扱えないでいるを話したところ、「相談にのりましょう」という心強い返事をもらっていた。偶々今日家の近くでUme氏に会えたのでご足労願い、アッという間に問題を解決してもらった。













 


 とりあえず今日はこんなところで。作品は昨年撮影のものも一部入っています。AKZさん、ありがとうございました。
 もう少しレイアウトを工夫したいのですが、その知識がないため、いつものことながら思うに任せません。
 

 冬の入笠、特に牧場のある伊那側の良さ、分かっていただけましたか? 冗談で、「裸足でも」と書きましたが、スノーシュー(ズ)もしくはワカンは必携です。また、冬期でも牧場内に入るには防疫の対策をすませた上でないと、立ち入りの許可は出ません。詳細はJA上伊那東部支所組合員課(TEL:0265-94-2473)または昨年11月1日の当ブログをご覧ください。


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