入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’18年「秋」 (7)

2018年08月31日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 きょうで8月も終わる。月の移り変わりを意識しないわけではないが、大概はそのことをここで呟く暇(いとま)もなく日は過ぎていく。2,3日して気が付く方が多いが、それでもさすがにこの8月は、月の終わりをずっと意識していた。短いひと夏の喧騒が去っていったという想いと重なるように、日毎に強まる季節の移ろいという別の感慨もあって、その方が大きいかも知れない。ともかくも、長居されなかった季節に少し安堵してきょうで8月を終える。





 よく行く森の中で、こんなものを見付けた。「採らないのか」と聞かれたような気がしたから、「もっとたくさん増やしておけ」と言っておいた。昨年はキノコは最悪だったが、今年はどうだろう。雑キノコなど相手にしない松茸専門のKM子夫妻は、今からきっと燃えているだろう。今年はまだ何も言ってこないが、常念岳の裾野のホテルに泊まり、温泉と、山の中の1軒屋でキノコ料理を食べる集まりがある。そういうことがそろそろ話題になる季節が来た。TDS君は出動準備をされたし。

 昨日、いつもの芝平を通らず、千代田湖経由で守屋山の脇を抜け、紅葉湖(もみじこ)に下りて帰ったら、松倉の集落ですでに刈り入れの終わった田を目にし驚いた。まだどこでも稲刈りなど始めていないが、その田1枚だけは、刈り取られた稲はきちんと「はぞ掛け」されていた。自家消費用に自然乾燥しているのだろう。米は昔ながらのこのやり方の方が旨いらしい。日も短くなり、山の湖に夕暮れの訪れは早かった。

 かんとさん、先日は天体写真ありがとうございました。言い忘れましたが、別の写真、当初の目的通りに出来て、使用されてるそうです。きちんと結果報告をしなくてはかんとさんに無礼ではないかと、注意しておきました。T君は恐縮していたけれど、そんなもんですかね。

「今はもう秋」です。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。







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    ’18年「秋」 (6)

2018年08月30日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 虫の鳴がすぐそこでしている。「リリリリ・・・」としばらく鳴き続けて、少しだけ休む。今回は長い。いつまで続くのだろう。まだ止まない。注意していたわけではないが、午後遅くなって薄い雲が空を覆い、青空が消えたのに合わせて鳴き出したような気がする。

 きょうは昼近くになってから、テイ沢の倒木処理に出掛けた。昨日のうちに山奥氏に手伝ってもらうべく連絡を取ったら、漁労に出る予定のようだった。マグロのシーズンらしい。
 それが台風の進路予測がはっきりせず、出魚を見合わせて来てくれた。「何もしなくてもいい、そこらで横になっていてくれても結構だから」と言っておいたが、本音は氏の労力を当てにしていたというよりか、氏のチェーンソーを目当てにしていたからだった。



 それというのも、この太さの木を輪切りにするとなると、ここにある古いチェーンソーでははなはだ心許なく、氏のドイツ製の威力を借りたかったのだ。宝の持ち腐れにしておく手はないと言ったりはしなかったが、まあそういう訳だった。とにかく、この歯がよく切れると、まるでチェーンソーが木に吸い込まれていくような気がするほどだ。だから、氏の電動ヤスリもついでに持ってきてもらった。
 そういう訳で、あくまで氏の道具が目的であったのだが、氏は期待以上によく働いてくれた。倒木は揚力が潜んでいて危険であったり、写真のような状態の木を切る場合は、最初は上から切り始めるがある程度まで切り進んだら、今度は下からチェーンソーを持ち上げるようにして切る。そうしないと、チェーンソーの歯が木のたわみで挟まれニッチモサッチモいかなくなるのだ。その見極めには経験が要る。幸い、2台のチェーンソーの威力、山奥氏の協力もあって1時間少々で片付いた。

 今回は現場が沢の上部だったのでヒルデエラ(大阿原)から下った。湿原(=阿原)や、そこから眺めた落葉松の色は、隠しようもなく秋の到来を告げていた。

「今はもう秋」です。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
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    ’18年「秋」 (5)

2018年08月29日 | 入笠牧場からの星空

          ペルセウス座流星群と天の川銀河             Photo by かんと氏

 きょうの写真は、〝星の狩人″かんと氏がこの牧場で4夜をかけ、ようやくとらえることができた貴重な1枚である。ご本人によれば納得のいかない点もあるようだが、壮大な天の川銀河だけでも充分に素晴らしいのに、そこに10を超える流星の、一瞬の光跡がしっかりと写されている。素晴らしい!
 氏が4日間、夜空の状況に一喜一憂、翻弄されていた真夜中、酔い潰れて夢の国にいた者として面目ないが、それでも最後の夜にはここにある望遠鏡を出して観望会をすることができたと記憶している。流星が夜空を貫くように落ちていく様を覚えている。

「わが家の家族キャンプの中でも、特に思い出深いキャンプ生活を過ごさせていただきました。大自然の中での4日間は、あっという間に過ぎ、まだしばらく滞在したい気持ちを残しての帰阪でした。
お借りしたツァィスでアンドロメダを見た感動は大きかったです。娘も自力でアンドロメダを見つけ、感動しておりました。また、タカハシの100mmで見た土星の環はやはり鮮明で、強烈に印象に残っております。」

 大阪のM原さんから頂戴した通信の一部だが、このころは新月の前後で、東の空に天の川の星々と混ざりアンドロメダ銀河が見えていた。「火の玉宇宙論」で有名なハッブルによって、この天体が別の銀河であることが分かった。地球からは200万光年も遠方にあり、にもかかわらず将来、我々の銀河と衝突する運命にあるらしい。大破局、想像するだに恐ろしいが、ある人の計算予測によれば、大爆発にはならず両銀河はすり抜けてしうのだそうだ。遠くからは密集して見える星々も、実際にはもの凄い距離がある。ここらのことはすでに以前にも呟いた。

 星空を眺めていていつも思うことは、日常では全く考えられないあの星たちとの距離である。200万年も昔に発したアンドロメダ銀河の光が、今、まさに見る者の網膜を貫通していったのだ。光は1年で約10兆キロ進む。それが200万年もかけてようやく届いた光を見ている・・・。
 小さな惑星・地球に住むわれわれからすれば、この宇宙という空間はなぜこれほどまでに無量無辺であるのかという疑問、その解答を得る日が果たして来るのだろうか。

「今はもう秋」です。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
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    ’18年「秋」 (4)

2018年08月28日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 雨が降っている。いかにも秋の雨らしくもの静かな降り方で、週を跨いだ喧騒の後だけに気持ちが休まる、落ち着く。ここから見えている牛のいる風景も、きょうのような天気の方がより趣を感じる。草が少なくなったのか4頭は広い場所に展開し、一所にあまり長く留まろうとしなくなった。
 いつの間にか権兵衛山は雲に隠れてしまい、その手前の落葉松の林が見えているだけだが、葉の色に薄く茶系の色が混ざり始めた。木々は水の吸い上げを止めたのだろうか。巨匠の筆に見立てた霧が、すぐそこまでゆっくりと降りてきた。
 
 昼近くになって、雨具を持たずに外に出たら、雨脚が強くなった。それでも第1牧区の牛たちはさほど慌てるふうでもなく、塩でも持ってきたかと近付いてこようとした。期待を裏切るのは可哀想だったから、すぐに引き返した。あの牛たちがここで、自由に過ごせるのもあと1ヶ月と少しになってしまった。

 日、月曜日とやってきてくれた元教員だったというM田さんご夫婦からは「キャンプ場がいつまでも変わらないことを願っています」とメールを頂戴した。昨日も呟いたが、同じように思ってくれる人がいる。有難い。しかし残念ながら牧場の将来も、ここの自然も今に変わっていくだろう。観光、経済効果、行政主導・・・。それに、恥ずかしながら野生化ばかりが進んだ管理人も、老い先はあまりない。思うこと、考えてることは多々あるが、妄言、暴言になると良くないから、きょうは取り敢えず止めておきたい。

 M田夫妻のような仕事から解放された人々こそ、是非、しみじみ秋を味わいにここへおいでください。本当に秋という季節は、いくら続いてもいいと思うほどです。

「今はもう秋」です。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。

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     ’18年「秋」 (3)

2018年08月27日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 今朝は4時起きして来た。昨日が今回のCM撮影の準備で、きょうが本番。牧場内には外部の車輌を入れないことにしているから、機材の搬入は勢い走行距離15万キロの軽トラが担わされることになる。当初の打ち合わせではカメラ機材だけということだったが、結局そうも言っておれず、重量のある金属類、嵩張る物は皆引き受けざるをえなかった。今回は特に櫓を組むことになっていたから、その搬入に手がかかった。ドローンという新兵器があっても、こうした撮影方法に拘るのは、デジタルカメラを受け入れず、あくまでフイルム用のカメラを使おうとする人と似たような心理なのだろうか。
 いつも感ずることだが、わずか30秒のCMのために、どれほどの人員、費用、そして時間が投入されることか。



 その一方で本業の牛の面倒、キャンパーに対する対応も当然ある。特に、土、日のキャンプ場は、盆の休み以上の人数に膨らみ、土曜日はここに泊まった。ただし彼らやボーイスカウトなどの団体は、まして古くからの人たちであれば、こちらであまり手出しすることはない。できるだけ自由に過ごしてもらい、こちらはキャンプ場の整備、特に便所の掃除や、露天風呂のことをしていれば済む。その上で、初めてきた人たちには、できるだけ牧場案内もするようにしている。特に夕暮れ時、西山(中央アルプス)に沈む夕日を目にすると、その想像を超えた美しさに皆が声を上げる。
 ここは、今のままが一番良いという人が結構いる。いろいろこれから先についての考えはあるが、そうした意見を支えにして、まだいけそうな気がする。

 今年は牛の下牧が10月の早々になる。そうなれば、その後は余裕ができるから、どこかの山に出かけてみようかと思っている。種平小屋夫妻に声をかけたら、付き合ってくれるだろうか。

 M田さん、メール拝読。気付くのが遅くてすみませんでした。北信にはあまり行く機会がないので、素晴らしい写真ありがとうございました。また峠めぐりのついでにお出掛けください。

「今はもう秋」です。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。

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