入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    Ume氏の入笠 「秋」 (1)

2014年09月29日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 昨日、この白樺の林の中に掛けてあった2個の罠をはずした。
 この林の左手には牧場のどの場所よりも早く朝日の射す草地があって、人の登ってくる前の一時、鹿は存分に草を食むことができたのだ。いつしか白樺やダケカンバのこの林は、一部の猟師の間では「ダケ」と呼ばれるようになった。そういう奇妙な名前が付くほど、幾頭もの鹿を捕獲した良い猟場だった。
 鹿ばかりでなく、ここでクマを捕獲したこともある。クマは有害駆除の対象動物ではないので、捕獲した場合は本来、所定の方法でまた森に帰してやる決まりになっている。しかし4ミリばかりのワイヤーを今にも食い千切って、こちらに突進してきそうな野生動物の狂暴な振る舞いを前にしては、そうすることができないこともある。倒されたクマのうつ伏せになった姿は、歌でうたわれる愛嬌のある「クマさん」によく似ていた。
 今年もこの林で幾頭かの鹿を捕った。しかし最近はもう、鹿はここに寄り付かなくなった。危険な場所と学習したのかも知れない。それならそれでいい。安息の場所を求めて鹿がもっと森の深くへ去っていったことにして、役目の終えた罠をはずしたのだ。




 曇天。雨も降らず、霧も湧かず、しかしこんな天気もまた、いかにも秋らしくていい。何日か続いた良く晴れた秋空は、太陽の光が弱まった分、青色が一段と深まった。そしてその青には、赤ワインのような赤が溶け込んだように見える。色付き始めた森の艶やかさを牽制して、秋の空は濃く、重い。

 昨夜は上に泊まる。Ume氏が帰ったあと、氏の送ってくれ作品のアップロードにまたしても苦労する。しかし、苦労のしがいがあったとはこのこと。さぁ、どうだ、Ume氏の実力、入笠の実力。もう、文章は要らないと思いつつも、ここでのいつもの朝のように、とりとめのないことを書いて、添える。

 カメラに腕の覚えある人、星に興味のある人、おいでください。山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては9月5,6日のブログをご覧ください。
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      紅葉と星空、深まる秋

2014年09月29日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 シリーズ「Ume氏の入笠」を始める前に、大変な事態になっている御嶽山の今日の映像。この写真では分からないが、噴煙が長い帯となって南の方角、つまり岐阜、あるいは中京方面にまで流れている。収束の気配は感じられない。被害者の数も増えている。
 噴火警戒レベルは最低の1(平常)で富士山と同じだったという。火山噴火予知連という気象庁が主幹する専門家の会議があるようだが、転変地変のこと、予測は難しい。
 同じように、地震予知連の予測信頼度もあまり高いとは思えない。もしもっと高ければ・・・、首都移転などということも、今より現実味を帯びて語られるだろうし、気の早い人はすでに移住を済ませたり、転居のことを考えたりするだろう。ただし、人の死期についても言えそうだが、未来予測が正確さを増せばましたで、必ずしも良いことばかりではないようにも思う。



 朝一番で登っていったら、クロが群れから離れて、噴煙を上げる御嶽山を眺めていた。牛にも異常が分かるのだろうか。そして二度目、珍しいことにクロとチビが一緒。クロはいくらでも身体に触れさせるが、チビは臆病で、間合いを詰めると逃げてしまう。そのくせ、塩など持っていくと一番先に来る。来るのだが、他の強い牛に追われて、いつも恨めしそうに群れの外にいて、自分の番を待っている。
 今年はいつもより遅い下牧で、10月17日を予定している。そのため、草の状態には神経を使う、たったこればかりの牛のためだが。



 好天が続き、気候は安定してきた。真っ青な空の下、白樺の白い幹や黄色く変色した葉がよく目に付く。それにここは白樺に似たダケカンバの木も多い。常緑樹の樅の木を残して、小梨、山桜、ダケカンバそして落葉松と、秋の色合いを深めつつ辺りの森は、夕暮れの斜光の中で燃えている。
 ツタウルシは今がまさに見頃だというのに、誰も「焼き合わせ」方面にそれを見にいく人はいない。また今夜、雲ひとつない星の海に出る人は、ご存知Ume氏だけのようだ。まだまだここの本当の実力を知らない、分からない。

 Ume氏と言えば、明日からシリーズで氏の作品を掲載することになりました。ご期待ください。また、これからのシーズンは、少し時代遅れの当山小屋がお勧めです。詳細は9月5,6日のブログでご覧ください。







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      あれやこれやご報告かたがた     

2014年09月28日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 御嶽山が噴火した。そのことを家に下りてから知った。いつも眺める山の一大事を、迂闊にも気付かずにいたのはどういうことだったのだろう。昨日は牛の頭数確認などの他に鹿の殺処分もあって、何度か第1牧区へは上がっている。御嶽山は第1牧区へ入るゲートの真ん前に位置していて、今日も噴煙を上げる姿が雲一つない空に見えている。今になって思うと、今日と違って昨日は確か御嶽、乗鞍、北アルプス方面は時折雲に遮られていたような気がする。
 被害者も多数でたようで、モクモクと噴煙を上げている山に起きた突然の惨事を、どう言葉にしたらよいか分からない。


                                         Photo by Ume氏

 紅葉も大分進んだようだ。しかし、今日くらいはそういうことを書くのを止めておこう。朝の草刈、そして夜の会合と、ここ二三日、村のことにも翻弄されている。今夜も急いで帰らねば、そして会合に参加しなければ村八分にされる、かも。
 Ume氏かんと氏ご両人は、昨夜最高の条件でよい星の写真が撮れたそうだ。また作品を、当ブログで紹介させてもらいたい。
 そんなわけでkyoubinnさん、銀河鉄道は廃線になぞなっていません。また星の海へは、窮理の船で旅立つこともできます。もちろん、乗船は当牧場からです。
 松田君、いつもみてくれてるとは知らなかった。ありがとう。これからもよろよろ続けていきますのでよろしく。TDS君が突然登ってきて、賑やかにして先ほど帰りました。

 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては9月5,6日のブログをご覧ください。

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霧の中の秋

2014年09月27日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

                                           Photo by Ume氏

 天気は回復に向かうようだが、今日のような日の射さない森や草地も悪くない。ゆっくりと霧が流れ、絡み、その度に無音の度合いが深まっていくような気になる。かつてはあれほど濃い緑色だった森や、放牧地が、今は黄色いフィルターを透かして眺めているように見える。
 その中で山桜は、黒い樹幹の先に同色の枝を伸ばし、朱色の葉を日毎に濃くしながら、上手に自分の役割を演じている。花も楚々として控えめだが、こうして霧の中に滲んで見えてる山桜の葉の色も、秋の気配の中で周囲と程よく調和することを知っている。
 一方のツタウルシは、登ってくる途中の焼き合わせの少し手前、落葉松の森の中、就中左手の落葉松林一体は驚くばかりの鮮やかな紅葉に変わり、目立ち、短命な森の主役を今だけ謳歌している。


                                          Phot by Ume氏

 晴れると思っていたが、霧は深くなるばかりだ。雨は午後一度ザーときただけで、屋外にいて雨具も着けなかった。どちらがいいとまでは言えないがこの時期、深い青い空も今日のような天気も、ここにはふさわしい。霧の流れる静かな秋の一日が暮れようとしている。

 今シーズン最後の釣りということで、小屋には二人の釣師が宿泊。紅葉のシーズンはこれから。最高の観測条件を備えた天体観測も、これから。いい秋が来る。
 Ume氏の作品、多数の読者から好評のコメントあり。今日の2点も素晴らしい。今後も乞うご期待。

 自慢の甥の支援により、ようやくPCのトラブルが解決した。多謝。厳選したワインを送るからナ。

 そういうわけで、またブログを再開いたします。本日のブログは、9月25日にアップしようとして、果たせなかったものです。

 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては9月5,6日のブログをご覧ください。今夕かんと氏現るも、天候がイマイチ心配。

 
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    「秘められた恋」のような・・・

2014年09月24日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

                                                 Photo by Ume氏

 山の朝は早い。目覚めたのは5時前、まだ暗かった。
 言うことを聞かぬPCを前に途方に暮れる。昨日Ume氏や、TBI氏にいろいろと調べてもらったが、どうやら初期化するしかないような結論、これまた当惑。
 にもかかわらず、こうしてブログを書いている。一つだけ思い当たることがあった。あったが、それで解決したかは不明。運を天に任せている心境。少し大袈裟か。
 そんなわけで五領丸先生他各位、またいつ更新が止まるか予測できませんが、先生お気に入りのUme氏の作品、可能な限り随時載せていきますので、お見限りなきよう。


                                                  Photo by Ume氏

 昨夜はKENさんご夫妻も来て、星の海に乗り出したが、生憎の天気で途中から引き返した。誠に残念。それでも、深まりつつある秋のアラスカの森を散策し、そこを流れるせせらぎの写真を撮ったり、録音ができて痛くご満悦のようだった。
 
 昨夜と比べ、一昨夜は銀河を巡り最高の航海ができた。200キロを車で走り、さらに200万光年を旅したTBI氏はさぞかし傑作をモノしたことと思う。夜半、Ume氏も幾つかの港を渡り、この星の海に流れ着き、風景のある星空をモチーフに良い作品をたくさん撮ることができたはずだ。
 で、早速、このブログのためにそれらを含めて貴重な作品を何点もPCに送ってくれたが、画像をアップしたらナント!天体写真だけがどこかに潜ってしまった。手順は同じであったはずなのに、一体どこへ行ってしまったのだろう。


                                                  Photo by Ume氏

 これからここら一体は燃える、まさに「秘められた恋」のように。
 Ume氏の写真、沁みる。一度に3枚は勿体なかった、か。

 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては9月5,6日のブログをご覧ください。
 

 



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