入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’23年「秋」(59)

2023年10月31日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 好天が続く。今朝6時の気温は零度まで落ちず、霜も一部に残っているが、見えている草原の全域というわけではない。
 10月もきょうで終わる。呆気なく過ぎたようでも、やはり色々なことがあった。

 最近はきょうの写真のような景色を毎日のように見ている。日没間近で、実際にはもう少し全体の色調が暗く、その分山際の空はそこだけが殆ど色のない澄んだ空白となって見える。寂しくも見え、それでいて蠱惑的で、何故か懐かしさまで感ずる。



 気を付けていれば、結構マユミの木は牧場内のあちこちにある。それでも、この木の名前を覚えたのはこの場所で、枝ぶり、実の付き方などから、このマユミの木を一番気に入っている。
 初の沢の大曲がりの近くにあって、実や葉の色合いからして、今がまさに見頃だろう。

 そういえば昨日、遠照寺の住職から興味のある話を聞いた。赤羽さんからも問われていた芝平蕎麦のことで、それほど多くではないにしても今も集団移住した高遠である人が栽培を続けているという。
 それだけでなく、その芝平蕎麦の実を使った蕎麦を期間限定ながら、食べることができる店が静岡にあるそうだ。芝平蕎麦の風味はなかなかのものらしい。
 高遠は蕎麦作りが盛んで評判の高い店もあるようだから、きっとそう遠くないいつか食べられるようになるだろう。

 燃料切れで昨日伐り残した高座岩の落葉松を1本始末したら、その後は権兵衛山ではなく、六兵衛山へでも行こうかと思っている。
 本年度の営業案内については下線部をクリックしてご覧ください。
 小屋の電話が不通でご不便をおかけしてます。予約、問い合わせは何卒JA上伊那東部支所組合員課、電話0265-94-2473にお願いいたします。

 
 

 



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     ’23年「秋」(58)

2023年10月30日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 季節の進み方が予想以上に早い。たった2日ばかり牧を留守にしただけなのに山径にはさらに落葉が目立ち、周囲の山の印象も変わった。一言で言えば黄色や赤系統の色が圧倒的に増えた。
 クヌギや落葉松など落葉樹があれほど膨大な量の葉を散らし、やがてそれらは腐葉土となり表土の一部になる。しかし、雪のように積もり、例えば権兵衛山の標高が変わるわけではない。
 落葉が土に変わるにまでに自然は、壮大な手間と暇をかけていることがこれからも分かる。森の匂いにも、こうした活動の結果が混じっているのだろう。

 きょうは北原のお師匠の長女と次女、その家族、そして遠照寺の住職や檀家さんが法華道の整備のために上がってくることになっている。その後連絡がなかったので気にしていたら今朝メールが入っていて、9時到着の予定だという。
 入笠周辺の法華道の草刈りは、高座岩から御所平峠の防火帯の部分を省いて、北原師が行っていた個所の大半は終わっている。何故その部分を残したかと言うと歩行には問題なく、あまり人の手を入れ過ぎない方がよいと考えたからだが、はたしてきょうここへ来る人たちはどう考えるだろうか。
 できればこの機会に、高座岩周辺の整備、特に実生から生えた落葉松の処理などを済ませておきたい。

 やはり人の手が多いと、作業の進捗も当然ながら違ってくる。総勢8人、高座岩を中心に、考えていたことをほぼ済ませることができた。
 テイ沢を下ってきたら径は急ながら北原新道を登り、高座岩を訪れ、そのまま御所平峠まで防火帯の中の山径を行くことをお勧めする。単調な林道を行くよりか、余程いい山歩きを楽しむことができるだろう。

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     ’23年「秋」(57)

2023年10月27日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

       高座岩、昨日の夕暮れはここで40分座った
 
 予定通り昨日は、前から気になっていた第2牧区中段の右手に延びる古い林道へ行ってみた。なぜそんな道に関心があったかと言えば、牧場への新しい近道が見付かるかも知れないという期待があったからだ。
 
 今冬もきっと雪の法華道を上がってくることになると思うが、古道も道程の後半、「御所が池」に落ちていく径を右手に見ながらさらに進むと、左手に分岐した1本の林道らしきが現れる。位置的に考えると、この未知の林道を行けば第2牧区に通ずる古い林道と繋がっているように思われ、そうであればかなり行程を短縮できると、いつもながらに行くか行かぬかを逡巡するのがこの場所だった。
 
 この林道の誘惑はかなり強い。かろうじて思い止まるのは、もしも予測が外れた場合のその無駄な労力のことが、ほんのわずかの差ながらも勝るからだろう。賭け事でも、さらに勝負を続ければ儲けがより膨らむかも知れないが、しかし、同じようにスッテンテンになる可能性もあるあの難しい判断を迫られる場合と似ている。
 雪のない時に一度歩いてみようと思いつつ、仕事が始まるとそのことを忘れてしまい果たせぬまま年月が流れた。

 昨日は、2個所ばかり古い牧柵を越えてから林道を進んだ。ところが数百㍍も行かないうちに径は消え、よく見るとその先は急に右に折れて、どうやら「初の沢」へ下っていくようだった。それでは仕方がない。しばらく当惑しながらその先に径らしきがないかと思いながら探すうちに、まるで霧が晴れるようにある記憶が甦ってきた。
 もう10年以上も前になるが、何頭もの牛が脱柵してこの辺りに迷い込み、途方に暮れたことがあったのだ。急な斜面の落葉松林の中に一箇所だけなだらかな場所があって、水が湧き出ているらしく牛たちはそこにいた。
 いやその時だけでなく他にも一度、昨日と同じ目的を持って出掛けて、径が消えていることを確認したことを思い出した。忘れていたのだ。

 かくして呆気なくも、法華道から牧場へ来る近道はこれで存在しないことがはっきりした。この冬も、今まで通り古道を御所平峠まで登り、ここへ来るしかない。諦めがついた。
 
 明日28日と明後日29日は呟きを休みます。また、今週末は都合によりキャンプ場、小屋の営業を休止します。
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     ’23年「秋」(56)     ’

2023年10月26日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 今朝も朝霜が降りている。午前6時半の気温零下1度、天気は良さそうだ。例年なら11月に入ってからだが、今年はもう何日も前から凍結防止のため水道の水を流しっ放しにしている。
 鹿の声はするものの、囲い罠の中にはきょうもその姿がない。すっかり、この罠の仕組みが分かってしまったのだろうか。

 昨日、昼を少し回っていた。小屋の外を立ち入り禁止柵を抜けて奥に向かって足早に行く人影を目にした。呼び止めて、どこへ行くのかと聞くと「貴婦人の丘」だと言う。それで、道が違うし、また貴婦人の丘は普段は一般の人が立ち入ることはできないと告げると、得心しないまでも謝罪した。
 誤ってもらうまでのことはなかったが、実はこういう人が時々いる。一昨日も、同じような中年男性がいて、この時はコーヒーなど出して歓談し、こっちも用事があったから一緒にテイ沢を途中まで案内した。
 
 それで、こうしたことが起こる原因が知りたくて、何を道案内にして来たかと尋ねると、携帯電話を見せてくれた。どうもそれさえも誤読しているようだったが、安易な案内やこうした文明の利器に頼る人が今は多い。
 鹿嶺高原に行こうとグーグルマップを頼りにする人も、ここへ来る。林道が通行止めになる前の案内のようだが、それでもあそこへ行くのにこの道順はどうかと思う。
 それで別れて小屋に戻りかけたら、捨て台詞のように「何の権限もないくせに」と言った声が聞こえてきた。それで呼び止めようとすると逃げ出した。
 面倒になり追うのを止めると、今度はイタチの最後っ屁よろしく「警察に言うぞ」という声が届いた。もちろん「是非そうしろ」と応じた。

 呆れた。道を間違え、それを質した牧場の管理人に権限の有無を云々し、挙句の末には警察沙汰にすると言って脅したつもり逃げて行った。恐らく彼はどこかの高原にでも来たつもりで、そこが牧場であり、牧場内を走る市道以外は立ち入り禁止だという当然のことが理解できなかったと、そうしか考えられない。
 もっとニコニコと、優しく言ってあげたらまた違ってたかも知れないという思いがなくはない。きっと彼には、苦虫を嚙み潰したような胡乱なオジイに見えたのだろう。枯れたい。
 
 気分を鎮めるため夕暮れ、御所平峠まで行って地蔵尊の前で30分ほど座った。きょうは、未知の山域に残る古い林道の踏査に行く。
 
 今週末は都合によりキャンプ場、小屋の営業を休止します。
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     ’23年「秋」(55)

2023年10月25日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

 
 朝方の6時ごろはよく晴れていたのに、いつの間にか曇り空に変わっていた。牧場の見回りに行こうと外に出てみたら、意外にも最低雲高はかなり高く、北や西の空には澄んだ青空が拡がり、雪を被った穂高や槍もよく見えた。

 毎日見ているつもりでも、自然の変りようには驚くことが多い。いつの間にこれほど樹々は葉を散らしたのだろうかと呆れ、鮮やかな紅葉が早くも焼けただれたように見えたりすると短命な秋を恨めしく思う。
 コナシやモミジ葉の落葉が大分進んだのを眺めながらガランとした第3牧区の放牧地を見回っていると、最早きょうのような日は秋と言うよりか初冬の趣さえ感じてしまう。シカの頭数も大分減った。里へ下ったのだろう。所在無さそうな雄鹿奴が1頭、逃げもせずに少し離れた場所からこっちをじっと見つめていた。まるで先日屠った鹿が、アイツの寵愛を受けた相手でもあったかのようにだ。
 
 そういえば、前にも呟いた野良ネコを昨日、また弁天様の近くで目にした。あのネコは鹿のように、もっと標高の低くて食料の得やすい場所に下りていく知恵や気はないのだろうか。何を食べてどこに暮らしているのかたまに目にするだけだが、朝霜の降りるこんな季節になって、よく生きているものだ。
 いやいや、あのネコから見たら、こっちに対しても同じような感想を持っているかも知れないゾ。「いい歳ぶっさらげて、さっさと里へ下れば良さそうなものなのに。そうすればあの古い小屋の一隅で安心して冬を越すことができるだろうに」なんて思っているだろうか。
 
 あのネコについては勝手な空想だが、やはりまだ里へ下る気にはならない。もう少しここにいて、この季節の終わるのをしっかりと見届けたいと思っている。今年はその思いが特に強い。雪が降っても。歩いてでも。

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