
昨日はこんな風景を眺めながら、久しぶりに8キロばかりの散歩をした。青空に映える残雪の山々も陽光の明るさや強さによるのだろうすっかり春の景色の中におさまり、薄赤い桜の花と真っ白なコブシの花の色をそこかしこに散りばめた景色全体からは、清新な緑の色がさらに増えたようだった。
自然は長い冬を越せばまたあんなふうに生まれ変わって活気な姿を見せてくれるが、しかし人はそうはいかない。光り溢れる空の下で自然が次から次へと再生していく様子を目にすれば、元気な子供らに追い抜かれていくような気持にさせられて、老いた身にとっては少々酷な季節でもあるのだ。
たった1時間30分ほどの散歩の影響が出た。情けなくも足に若干の違和感がある。筋肉は年齢に関係なく、鍛えればそれだけの効果があると聞くが、逆に鍛えなければ忽ち劣化する。そういう見本であることを身に沁みて感じている。
2,3日散歩を続ければ元に戻ると思うから心配してないが、それでも完全復活とはならず、その度に筋力の低下が進んでいくだろう。と言って、それに抗うだけの気力や体力があるかと聞かれれば否ということになる、受け入れていくしかない。
それに、老夫婦が腰をかばいつ農作業をする姿なら絵にもなろうが、健康のためと称して老いた身が、元気を装い歩く姿など人の目に晒したくないという個人的な思いもある。それこそ、「年寄りの元気春の雪」だ。
すっかり散歩の回数が減ってしまったのも、その時間を夜から昼に変えてしまったせいだと勝手な理屈付けをして済ませているが、上に行けば当然その報いを受けると覚悟している。例年、身体が牧の仕事に馴染むまでにはまず1ヶ月くらいは必要だが、今年はきっともっとかかるだろう。
きょうから新年度、牧場の仕事の他に、山小屋やキャンプ場の営業についてもそろそろ考えなければならない。基本的には、covid-19が下火になっても今までの方針、やり方を大きく変えることはないと思う。これまで通り混雑を避け、人数は一定に抑えるべく予約制として、その上で自然の環境を存分に楽しんでもらいたいと思っている。
本年度もよろしくお願いいたします。明日は沈黙いたします。