入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’22年「春」(50)

2022年05月09日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 いつもこんなに花・山桜の開花が続くものかと、今年は他の年よりかも長いような気がしている。午前6時半の気温5度、きょうは曇り空で寒い。
 昨日は山菜採りが来た時間には起きていたが、しかし今朝は完全に撮影関係者の声がするまで眠っていて、遠慮がちな声で起こされた。これから彼らの準備が済めば撮影地に同行し、新しい現場の状況を確認しなければならない。「お好きなようにどうぞ」、というわけにはやはりいかない。予定通りなら、確かきょうも100人近い人が上がってくるはずだ。

 彼らの準備が済むまで、茶を1杯飲もうとして湯を沸かした。台所から戻ってきてコップにインスタントコーヒーを入れて、近くの別のカップを見たら、すでにコーヒーの粉が入っていた。こういう間違いは、疲労のせいなのか、それとも年齢から来るボケなのか、恐らく両方なのだろうが、加齢からくる肉体の不調と、精神を患うのと、さてどちらがいいかという疑問までが生じた。
 頭は冴えていても病床に臥し、身体の不調に苦しむよりか、下半身をモロ出ししても集落の中を徘徊する方がいいような気がするが、どちらかと決めるのは簡単ではないだろう。「二度童(わらし)」などという言葉もあるが、これは老人のボケを周囲が許容しているように聞こえて悪くない。しかし、「死に下手の患い上手」などというのは、これは残酷だ。
「おじいちゃんは75歳までキャッチボールができた」と、ある撮影に従事する女性の誇らしげな言葉。つい終競争心に駆られ、「そんなこと」と言おうとして止めた。

 些細な用事を頼まれて、森の中へ行った。気のせいかもしれないが、こういう曇り空の方が、晴れているよりか鳥の声がよくした。花・山桜は暗い森の中でも薄桃色の花を見せ、小さな渓を流れる瀬の音もそのあたりから聞こえてきた。指標木にしている北門近くの白樺も、いつの間にか芽吹きの段階が過ぎて新緑が細い枝を飾り始め、幾種類もの緑の色が渓の中にも見えてくるようになった。それでも、タラの芽はまだ少し早いようだった。
 早くこの喧騒が終わり、いつもの春のように、牛を迎える準備に日々を費やしたい。入牧は一応6月9日と決まった。

 キャンプ場を含む「入笠牧場の宿泊施設のご案内」は下線部をクリックしてご覧ください。
 本日はこの辺で。


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