入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    今日もまた、牧場(まきば)に秋の日は暮れて

2013年10月30日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
天気:晴れたり曇ったり、気温:12度C(昼)

           

 下は厚い雨雲に覆われていたが、登るに従い頭上の鬱陶しい雲が薄れ、芝平峠に出ると雑木林の向こうに、八ヶ岳の山肌が見えていた。天気は回復の兆しと期待した。上下の写真とも、「焼き合わせ」を過ぎてから深い霧がわき上がる通勤路からの撮影。落葉が山道を埋め、この季節もそう長くないことを教えてくれていた。

           

 牧場に着くころにはようやく日も射し始めた。
 今日は予定していた第1牧区の牧柵補修や、鹿の侵入場所の確認などに1日をかけた。この仕事を始めた最初の年は、牧場の外周の牧柵補修に28日を要した記憶だけはあるが、第1牧区だけでどれほどの日にちをかけたかは、もう記憶にない。

 テイ沢を来た単独の登山者に聞いたら、橋は無事のよう。気にはなっていたもののなかなか行く機会がなかっただけに一安心。

           

 こういうことをここに書くのはこれまで控えてきたが、今日は一言。写真のこの靴、見た目にはなかなか軽快そうで、山歩き用とわざわざ表示していた。靴底もビムラムで、パターンも深いし、編み上げも足指近くから始まり足にヒットしてくれそうだった。しかし、履いてみてすぐ気付いたが、いけない。かかとの部分が小さすぎる。これでは安定しない。事実足が左右にグラグラして、これは疲労の原因になる。斜面では靴の中で足が横にずれそうになり気も遣う。山道は不整地が多いし石ころも大小転がっている。だから、安定性はやはり大事だ。どうも恰好だけが先行したようだ。
 エラそうに書いたが、ちゃんと試し履きをしなかったことが最大の過ち、かもしれない。

 朝起きて寒かったのでパジャマの上にフリースを着た。着替えるのを忘れてそのまま家を出て、途中で気付いた。認知症の初期?気温はまずまずだったが、天気のはっきりしない一日だった。鹿が早く帰れと鳴いているので、失礼します。
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     山に日が入り・・・

2013年10月29日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
   天気:曇り、気温:9度C(昼)

 
              中ア駒ケ岳本峰と将棋頭の間に沈む夕日

 山に日が入り暗い山道を帰ると、決まって鹿の群れに出合う。この頃は、単独の雄の大鹿をよく目にする。ライトの小さな灯りの中に不意に出てきて、行く手を塞ぐこともある。
 どうも鹿は、山道を転がり下りてくる貧弱な軽トラックやそのライトにはさして警戒するふうでもない。窓越しに人を認めて初めてあわてふためき、藪や林の中に飛び込んでいくようだ。彼らのDNAには、人間は長年にして最強の敵であることがインプットされていても、つい最近目にするようになった乗り物の類などは、まだ警戒対象のリストには入っていないのかもしれない。よく鹿と車の衝突事故を耳にする。
 といって、そういうことをただ一概には言えない気もする。人間にもいろいろなタイプがあるように、鹿にも一括りでは語れない個体差が相当あるようだ。生育環境や学習能力の差もあるだろう。
 しかしそれでも、罠にかかった仲間が苦闘・苦悶するさまを目にすれば、鹿でもその領域は避けたいと考えるようになるだろう。最近はそういう傾向を感じている。
 これは県の鳥獣害対策室に協力したときの経験だが、誘引のために用意した塩の周囲に罠を仕掛けてみたら、巧みにそれらを避けて、塩だけをしっかり頂戴していった例もある。だからといって、しかしこれも、すべての鹿がそうだというわけではない。事実、捕獲成績は塩で誘引した方が、何もしない罠より、よかったのだ。
 人間と鹿の追いかけっこが、続く。

 冬季の営業の詳細を11月1日にこのブログに載せる予定です。基本的には、10日以前に予約をいただき、こちらで調整してご返事するということになると思います。できましたら、計画は少しでも早目にお願いいたします。1月の半ばを過ぎますと、麓から4、5時間かけて歩いて登ってくるしか術がないからです。

               
                     山小屋「JAハウス」
 
 今日は猟友会と打ち合わせのため、早目の帰宅です。
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           (続)入笠牧場の秋を追う

2013年10月28日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 天気:晴れ、気温:10度C(昼)
 
 今朝登ってくると、待望の澄んだ秋らしい青空に、北アルプスは五竜岳辺りまで冠雪していた。また、外の水場の盥には厚さ1センチほどの氷が張っていた。

           
              白樺の林にたまたま日が射す

           
              ミズナラの大樹も黄色く色付く

           
              幾日か続いた雨でいつの間にか落葉したヤマナシ

           
              第2検査場から第2、1牧区を眺める

           
              お馴染みの紅葉
               (この写真に写っている場所には防疫上、立ち入ることのできない所もあります。)

 日の落ちたあとの一瞬、淡い青色の夕空が残り、そしてたちまち無音の広大な闇に変わる。この季節、夜は夏のように暮れきることを躊躇しない。と、待っていたかのように星々が登場し、輝きを強め、それぞれの位置に落ち着く。
 落葉松の暗い森の木々の間から、金星がドキッとさせるほどの輝きを放つ。1か月も前のことだろうか、この惑星が三日月とペアで、霧の合間に見せてくれた感動的な共演には一人で喝采した。
 さぁ今夜も銀河鉄道に乗って、遥かな宇宙を行けるところまで行こう。
 
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  入笠牧場の秋を追う

2013年10月26日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
 天気:雨のち曇り、気温:5度C(昼)

              

 朝から気温は上がらず、午前中は雨と霧。午後になって時折晴れ間も出たが、回復には遠い。「こんな天気の日に上がらずとも」と言われても、今日は土曜日でひょっとすると誰か来るかもしれないし、罠の点検や調整もしなければならない。

              

            白樺の木の樹幹が、紅葉した雑木林に映えるのだが、それをうまく写せない。

              
                お馴染み「貴婦人の丘」をこんなアングルから。

             
                やはりここの紅葉は捨てがたくて。

             
                ・・・。
 
 ここ何日かは少し毒を吐いたかもしれないので、口直しの意味で即席で撮った写真を載せました。こんな拙い写真からは、本当の入笠牧場の秋は伝わらないかもしれませんが、あしからず。

             
                これもまた秋の風景。

 「海山」さん、よかったですね。朗報でした。存分に力を発揮されんことを!
 ああ、もう鹿の声がする。短い一日が終わる。

             

  

              
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  東国へ去るヤマかっちゃんを見送る

2013年10月25日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
 天気:曇り、気温:10度C(昼)



 1週間ほど入笠の周辺を徘徊していたヤマかっちゃんが、愈々山を去るということで挨拶をしに来た。彼はいまだにデジカメ写真を拒否する、古い時代のカメラマン。いつも犬と猫を連れ、レトルト食品頼りの厳しい予算をあれこれしてやって来る。
 彼の炭水化物(うどんと野菜)とレトルト食品を中心とした食糧計画をなじり、けなし、罵倒した手前、よく手料理をふるまった。そして、こんな山の中の生活の気散じに付き合わせてしまったが、ご苦労様でした。
 性格が元来温厚な彼が、癇癪もちで、気まぐれで、口汚い牛守相手に、ときには疲弊しながら、何年の付き合いになるのか。「百姓山勝里の芋(ひゃくせいやまかつさとのいも)」、これが当「入笠山奇人の会」が贈った彼の会員名である。
 この会の会員名はすべて頭に「百姓」が付く。ちなみに、最高顧問にして名誉会長の北原のお師匠には、「百姓一刻蓮華経」を、密かにお贈りしてある。会員はまず奇人であることが求められ、また、そうであることを自覚していなければならない。2名ばかりがその自覚に欠けたということで、厳しい査問を受けた後に退会させられた。入会は真に狭き門にして、簡単ではない。人嫌いを言いながら、廃村の奥のまた奥で暮らす某に某日電話で安否を確認したら、なんと最後に「愛が欲しい!」と本気で絶叫した。そこで、間髪を入れず「百姓山奥いつもいる」という有難い会員名が、会から与えられた。しかし、その後の彼は消息不明。
 ともかく、ヤマかっちゃんは去った。

 今日も深い霧が流れ、時折風に追われて見えてくるあたりの風景は、早くも晩秋の趣すら感じさせられて切ない。白樺の木々の黄色く色づいた葉も、いまや梢の一部を残して大方が散り、白い樹幹ばかりが目立つようになった。紅葉の森や林が霧に薄れ、滲み、秋はせっかく染め上げたその絢爛たる装いを、もう脱ぎ棄てんとしているのが分かる。

 多方面からコメントをいただきました。ありがとうございました。励みです。
 
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