入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     「冬ごもり」 (56)

2020年01月31日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 迷いつつも今朝9時過ぎ、上へ出発することにした。一応山スキーを用意したのも4,5日前、あれだけの大雪の警報が出たからで、里はともかく上は当然ながら相当の雪があると覚悟した。
 
 ところが驚いたことに、枯木橋までは殆ど雪を目にすることがなく、そこからオオダオ(芝平峠)までの雪の量も前回13日に行った時よりか少なかった。そうなると当初の意気込みは消え、前回のように車で行けるかも知れないという期待が、抑えても湧いてくる。
 峠に出てからも、そのままま車を走らせた。何時のものかそれほど古くない先行車の轍があった。念入りにチェーンも着装していたらしく、その走った跡が凍結したせいで路面がガタガタして今回も走りずらかった。少し苛立ちながら焼き合わせまで来ると、左手に折れる入笠山登山口に直行する未舗装の道には車の通った跡がなく、どうも今週はじめの大雪警報以来、先行車以外はまだ誰も上ってきていないようだった。そこを過ぎると2カ所続く大曲がりがあり、案の定、轍が乱れていた。そこは最初の難所と言ってよく、ここで動けなくなった車から救援を求められたり、同じような目にも遭っている。
 5年前の冬、キクが消息を絶ってしまった所もきょうは問題なかった。しかしその先に、例のド日陰の急な曲がりが待っていた。それがきょうの写真で、ここは座頭沢の最奥、その名の通り日が当たらず、今冬のような雪の少ない年でもセコセコと雪を増やし溜め、融かさずに春遅くまで大事に残している。やはり、右に曲がる辺りから雪が深く何度か車体が雪面に触れたのが分かった。もう一度降れば、恐らく融けない雪のために通行不能になるだろう。
 
 そんなこんなして、結局小屋まで車で来ることができた。到着したのが11時ごろ、気温はマイナス2度だった。どうやら大雪警報が出た2日間に、雪が降ることは降った、間違いなく。しかし、相当水気の多い雪だったのか、それともその後で雪が雨に変わったか、とにかく雪はかなりの水分を含んでいたはずだ。なぜそんなことが言えるかというと、雪の上を歩いても足が潜らなかったからだ。普通だったら雪面は凍って固くなっていても、モナカのように中は粉雪のはずだ。大した量の雪ではな・か・っ・た・から、その後の気温低下で雪の層全体が凍結したのだろう。明日、もう少し。

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     「冬ごもり」 (55)

2020年01月30日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 どうやら風邪をひいた。樹上の作業に没頭したせいか、退屈しのぎの入浴が過ぎたか、あるいは1週間前の某社主催の新年会に出て、終わって6キロの夜道をTDS君と歩いて帰ってきたせいか、原因はよく分からない。きょうはこの独り言に使う写真がいよいよなくなって、上に行くつもりでいたがそれで中止した。まだ寝込むほどのことはないが、取り敢えず古そうな風邪薬と冷蔵庫にあった疲労回復液を飲んでおいた。

 先日、5時少し前、その日2回目の風呂に入っていたら電話が鳴った。最初は無視するつもりだったが、それでもと思い風呂から出て、鳴り終わった電話の着信履歴を見たら東部支所の所長からだった。
 電話の主な用向きは、入笠全体を対象にしたパンフレットの作成についてで、これは確か2年ごとに伊那市と富士見町が交代で作成することになっているようで、今回は伊那市の番、それで少し首を突っ込めとのお達しだった。このパンフレットについて伊那側はあまりにも不正確、いい加減で、以前からそのことについては機会がある毎に口を尖らせて言っていた。それに対して富士見は、昨年の改訂の際にも担当者が何人か牧場まで来て、取り組み方の違いを見せつけられたものだ。
 まあ、諸々の条件、事情その他が違い過ぎるから、仕方ないと言えばそうだ。そもそも入笠へ来る人の9割くらいは富士見側からで、伊那市の担当者も現状からすれば全力投球するわけにはいかなかったのだろう。入笠という山は西と東ではそれほどの違いがある。もちろん、それであっていい、と思っている。
 伊那側には、自然と牛以外には人を惹き付けるものは何もないかも知れない(実はある)。来るにも傷んだ林道を延々と遠回りしてくるしかなく、山小屋やキャンプ場には飲み物の販売すらしていない(実際にはある)。もっとたくさんの利用者を迎える策がないわけではないが(教えない)、「拙を守り」それもやらない。
 何故か、ここは牧場だから。観光よりも環境を優先しているのだと言えば嗤うかも知れないが、少なくとも今はそうだ。それでも、ここへ来る人の大半は、縄文杉の屋久島と違い、複数回来てくれる人たちが多い。

 K山君、通信ありがとう。相変わらず精力的に山に行ってるようだね。そう、君も冬の星空を眺めながら夜の法華道を登りたいと思うとは、嬉しい限りだ。暖かい豚汁かスープでも用意して待っていてあげる。冬の夜、"濃い"話をしよう。

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     「冬ごもり」 (54)

2020年01月29日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 写真(1月13日撮影)のこの場所は芝平の集落を通過し、枯木橋も過ぎ、オオダオ(芝平峠)までは約5乃至600メートルくらいの辺りになるか。ある年の冬、どうしても車がそれ以上先に進めず、やむなくここから管理小屋まで歩いていったことがあった。幾日かして戻ってきて、ここで知り合いの猟師に偶然出会うやいなや「一体誰がこんな場所に車を放置しているのかと心配したゾ」と言われ、恐縮するしかなかった記憶がある。車内の見える所に、所有者が入笠牧場の管理人で、下山予定日はいつかということを記した紙を残すべきだったと反省した。

 ところで、以前から何となく抱いていた疑問だが、林野庁と環境省の関係というのは上手くいってるのだろうか。林野庁の所管は国有林で、環境省は広範で森や林に限らないが、国立公園や特別保護区はその多くが国有林と複雑に絡み合う。
 1999年に林野庁が組織改編された際、縮小されて多くの職員が同庁を去っていった。しかし彼らは国家公務員であったから、解雇されたわけではない、移動させられたのだ。その行き先、全てではないにしても、実は環境省だったというのは驚きもするが、納得できないことでもない。職掌する役向きはマッチとポンプ並みに変わるが、森や林が相手であることで、経験や知見を活かすことが期待されただろう。しかし、相手は庁であるが大農水省に属し、新参の省である環境省に移った人にとっては、古巣との良好な関係を維持するには苦労も多かったはずだと思ってしまう。
 例えば獣害対策は農業被害対策だから、農水省が中心になってやっている。シカやイノシシなどの害獣は駆除の対象となり個体数の削減に努力や知恵を絞る一方、イリオモテヤマネコ、トキ、ジュゴンなどの絶滅危惧種などは保護対策の対象になり、これには環境省の出番だろう。
 大気汚染など、環境状況は様々な問題を抱えているが、力の弱い環境省の評判はあまり良くない。自然環境という観点に立てば、林野庁のやっていることもお寒い気がするが、そこまで森林税を納めている一般市民の目が届かない。
 例を挙げて語らなければ説得力に欠けるがそれは別の機会にして、それよりもとりあえず入笠で、環境省と林野庁の連携と成果を見てみたい。

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     「冬ごもり」 (53)

2020年01月28日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 入笠山へ伊那側から車で行くには、牧場を経由する行き方と、「焼き合わせ」から左手に別れ、未舗装の道を行く方法とがある。きょうの写真は、前回上に行った時の帰路に入笠湿原の前を通り、その未舗装の道を選んで帰ってきた際の1枚だ。例年に比べ、あまりにも雪の少なさに驚いて、メモ代わりに撮った。
 
 ところでその雪だが、昨日はかなりの大雪情報が乱れ飛んでいた。夜中にも何度か降雪の状況が気になり目を覚ましたが、結局は庭にはわずかに白い物が残っていただけで、もうその雪も雨に融けてしまっただろう。当然、朝6時から予定されていた小学生のための通学路の雪掻きは必要なかった。この辺りはそんな申し訳ない程度の降雪だった。
 里はそんなだったが、上はかなりの量の雪が降ったに違いない。車で途中まで行けたとしても、恐らく悪ければ枯木橋、良ければオオダオ(芝平峠)あるいは池の平ぐらいまでが限度で、それから先は車を捨てる覚悟が要るだろう。管理小屋まではオオダオからでも緩やかな登りがまだ8キロほど続く。
 明後日ぐらいになれば天気の回復が期待できそうだし、スキーを積んで出掛けてみようかと考えている。急登する法華道ならスノーシューズにするが、普段車で通っている林道ならスキーの方が早くて、楽だろうし、少なくとも帰りはそれで間違いない。ド日陰付近以外は林道の傾斜はそれほどきつくないから、シールは外さない。そして池の平からようやくシールを外して滑って下る。
 夏なら、たまにはここを走る人や自転車で通る人を見掛けても、冬はまず人の姿を目にすることがない。時にチェーンを用意した改造車が何台も通過した形跡は目にするが、あれはわざわざ雪道を走るのが目的で来た迷惑至極の人たちで、さもなくば猟師の車だ。そのため道はかなり荒れてしまい、登りであれ下りであれ、快適な滑走を楽しむと言うにはほど遠い。
 法華道ならそういうことはないが、重いおもい腰を上げて出掛けるわけで、少しでも楽をしたいというのが偽らざる気持ちだ。2匹の犬を連れて、冬の星座を仰ぎ見ながら夜道を行くなどということもしたが、そんな酔狂はもう平成の時代で終わってしまった。

 F破さん、かの小屋のHP拝見。写真も素晴らしいし、小家主の考えや主張も伝わりました。国立公園内の公共的機能までも山小屋に押し付けてきたこと、自然環境の維持管理についての認識の甘さ、また利用者の意識の変化などです。今偶然、NHKの「黒部源流の山々」を見ました。源流の赤木沢や鷲羽岳、大分記憶は薄れましたが懐かしかったです。

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     「冬ごもり」 (52)

2020年01月27日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 再録でもと思ってこの時季の古い写真を探していて、つい一年前の呟きを"聞き"返すことに。それにしても、よくもまあダラダラとここまで続けてきたと、自分でも呆れる。退化しつある脳のどこかに異変でも起きて、そこだけが活性化し始めたとも思えないから、多分これも野生化の予期せぬ副産物だと思うことにした。
 
 近くの駒ケ根市の市長選の記事に、ある候補者が、同市が「市町村財政の健全性を示す『将来負担率』全国ワースト5位」だと言ってると知り、驚いた。名の知れた企業も来ているし、観光でも中ア駒ケ岳のお膝元として年間を通して訪れる人は数多い。だからてっきり、財政状況は良いとばかり思っていた。
 その候補者も、駒ケ岳を「地域の宝」と呼び、地域経済のために観光事業をさらに積極的に進めていくと訴えていたらしい。今や地域経済活性化には切り札というか、同義語のようにどこでも観光振興が語られるが、一体どれほどの市町村がそのうま味を味わうことができているのだろう。市町村が直接、あるいは第3セクを使い、民間並みに上手く運営できるなら財政に寄与するかも知れないが、観光客が増えたからといって、それがそう簡単に財政を潤し、地域の活性化に繋がるのだろうか。そのためには「おもてなし」の投資だって大きかろうに。
 先の駒ケ根市などかなりの優等生だと思っていた。早太郎伝説の名刹光前寺や、2千600メートルの千畳敷までロープウエイが通年営業しているし、口惜しいことにいつの間にかソースカツ丼だって伊那ではなく、駒ケ根の名物になってしまっている。それでいて、その候補者の言う通りなら、観光事業は言うほど簡単ではないということを、他ならぬ駒ケ根市が示しているのではないのか。
 履物屋が蕎麦屋に衣替えしてスッカラカンになった人を知っているけれど、そんな失敗例を持ち出してまで観光や入笠牧場を語れば、こじつけが過ぎると言われそうだが、なら「餅は餅屋」でもいいけれど、軌道に乗せるまでには相当の金と時間を要し、その間にも知識、情報、経験などの蓄積が必要になるだろう。しかも、それで必ずしも成功するわけではない。
 ところでその入笠牧場、すでに雪のよう。天気予報はこの辺りもかなりの積雪になると警戒を促しているが、明朝は雪掻きになるか、ウーン。

 K戸さん久しぶり。そう、あれで分かったとなると「おぬし、やるなあ」でござる。当面あれは、敢えて公にはしないつもり。ところで「美し」は、その名の通りでござったか。楽しめましたか。ご一族によろしく。

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