入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’19年「秋」 (51)

2019年10月31日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 ここに来れば、こういう夕焼けを見ることができる。ただし、運が良ければだから、約束することはできない。そういえば、この仕事を始めたころ、もっと衝撃的な夕焼けを目にして、愚かにもまた翌日も見られるかと期待した。当然ながら裏切られてがっかりした記憶がある。
 とにかく、ここから見る夕焼けの美しさは格別だと自慢し、吹聴し、その結果、映画やCMなどの舞台にも採用されることも多くなった。ただ、屋外スタジオのようになったこの丘もあくまで牧場の一部であって、この景観や自然環境を守っていくにはそれが一番だと思う。





 本日、TDS君現る。テイ沢の丸太橋に関しては「絶対に手伝わせたりはしないから」と、かねてから言ってあった。ただ違う目で見て、気付かなかった点を指摘してもらうには、彼が適役だと思っていたから誘ってはいた。それというのも、丸太橋の架け替えに最も協力してくれたのがTDS君だったし、草刈りも毎年のように手伝ってもらった。
 写真は下から7番目の因縁の丸太橋で、きょうTDS君の力を借り、場所を少し移動して架け直した。因縁というのは、この場所にあったあまりに痛んだ古い丸太橋を見て、テイ沢の丸太橋を架け替えようと思い立ったからだ。水量が少なければ、渡渉も難しくはない。それで、岩の上に裏返しになったまま、かろうじて流れ止めのロープで止まっていた橋には手を出さなかった。
 二人でそこまで歩いてきて、橋の様子を見たTDS君が「引っくり返してみるか」と言った。TDS君が別に協力を拒んでいたわけでは全くなかったが、彼も忙しい身、手を借りないつもりでいた。にもかかわらずその言葉に甘えたら、架け替えは早かった。(明日もう少し。)

 来週も3連休。キャンプの予約が入った。この時季はまず空いているが、そろそろ小屋の方をお勧めしたい。
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     ’19年「秋」 (50)

2019年10月30日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

                      Photo by Ume氏

 まずまずの秋日和だった。その情景は、きょうのUme氏の空撮写真に代弁してもらおう。それにしても大体、きょうのような秋晴れの日なら、冠雪した槍や穂高が見えるはずなのに、北アは雲に隠れてしまっていた。塩尻、松本方面や、さらにそれより以北は、それほど好天とは言えなかったのかも知れない。
 
 牛もいない第4牧区の電気牧柵の修理のため、小入笠の頭に2回も登った。あと1ヶ月もしないうちに電気を止め、冬支度をしなければならないから、無駄なことのように思える。だが、放っておけばアルミ線は鹿によってズタズタに切られてしまう。馬鹿らしいと思いながら登ったり降りたりを続け、それでも一応、修理が済めばそこそこの満足感やら解放感を味わった。
 本当に鹿がいなかったらどれほどこの仕事も楽になることか。例えば、通常の有刺鉄線を切るのは90パーセント以上が鹿だと言っても、恐らく間違いないと思う。きょうも「通勤路に相応しくない」山道を上ってきたら、植林の前なのか後なのか、とにかく鹿対策のためだろう、広範な山の斜面にネットを張る作業者の姿が遠くに見えた。あれで、効果がいつまで続くのか、くどいようだが鹿は有刺鉄線を切るのである。
 豚コレラにしても、感染の範囲は拡大するばかりだ。この近くの山でも、イノシシの死体が発見されたという話を聞いた。夏の間、あれほどイノシシには手を焼かされたのに不思議と、まだ牧場内ではそういうことはない。かなりの群れだったはずだが、どこかへ行ってしまったのだろう。
 誘引はしていたがあまり鹿の反応がない中、先程大型の囲い罠の準備をした。里からも督促が来ている。さてどうなるか。

 昨年は11月29日が初雪とある。12月の1,2日はCM撮影があり、5日も「第2検査場の大木処理」で上に来ていたようだ。さらに入笠泊なんていう日が続く。どうも、いつまでも入笠に入りびったていたのが分かる。ウーン。

 来週も3連休。キャンプの予約が入った。この時季はまず空いているが、そろそろ小屋の方をお勧めしたい。
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     ’19年「秋」 (49)

2019年10月29日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 きょうで二日目、最早「通勤」とは言い難い悪路を、いつもよりか時間をかけて来た。救いは、山道から眺める、小雨に濡れながらもその風情を失わない色とりどりの木々の葉で、また一段と渋味を深めたようだ。雨は大したことないと予測して来てみたのだが、結構本降りになってきて、この雨で落葉はさらに進むだろう。
 管理棟の部屋から見える落葉松の林も、その葉が焦げ茶色から徐々に薄れ、黄色に変わりつつある。権兵衛山の東側半分はきょうも雲の中だが、珍しく山頂も電波塔も見えているおかしな天気だ。昼になっても気温は8度までしか上がらない。
 
 10月月はもっと長いと思っていたが、呆気なかった。昨日の帰り、東部支所に立ち寄り、所長から懸案だった小屋や周辺の漏電の点検が11月の7日になると知らされ、忘れないようにと今カレンダーにそのことを記した。そして、改めて7日というのが11月のことで、それもすぐそこまで迫っていると今更ながらに気付いた次第。何故か理由もなく、11月はもっと先だと思っていた。
 10月は紅葉に染まり明るく、温もりがあって穏やかな印象だが、11月月はもう思い浮かべるだに、情景がどうしても暗く冷たい。枯れた寂しさであり、それも決して悪くはないが、もう季節は秋よりか冬に近く、牧を閉じるための仕事が背中を押すようになる。冬支度を始めるうちに、月の半ばには初雪が降るかも知れない。
 そんなことを思っていて、それに反し、10月初日に牛が山を下りてからは大分長い時間が過ぎたとも感じた。8月から断続的に続いた映画の機材撤収、その後2本の撮影なども、遠い日のことのような気がする。
 結局、当然ながら10月は、まだ僅かに日を残すが、31日あって、その間にはそれなりのことがあった。覚えている。しかし今年は、台風や大水などの災害が、あの暴雨さながらにその他の記憶も一緒に遠くへと押し流してしまい・・・、と言いかけて、それは違うと思った。時間の経過はそんなふうにいつでも短かったり長かったりと二重性があり、それは振り返った時に感ずる人生と似た想いだと、言い直しておきたい。

 雨はいっこうに止みそうもなく、ゆっくりと帰ろう。明日からしばらくはいい天気になるらしいから、TDS君には都合のいい日に、未完成のテイ沢の橋を歩いて、是非とも意見を聞かせてもらいたい。

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     ’19年「秋」 (48)

2019年10月28日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

Photo by Ume氏
 
 ここへ来れば、今ならこういう風景を恣(ほしいまま)にすることができる。今年はまだ牧草が枯れず新鮮な緑色のせいか、いつもの秋よりかここら周囲の印象が明るい。遠くの霧ヶ峰や車山、さらにその奥に見えている美ヶ原の牧草地と思しきも、初夏に向かって緑色になるのに随分と手間取ったが、今はすでにその色を失って黄土色であったり、赤茶けた色に変わってしまっている。
 カエデやモミジの赤や朱の色も、心なしかその衰えを見せ始めた今、その中で牧場の縞状に並ぶコナシの葉もすっかり落葉した。その樹木だけになった列がくすんだ赤いワイン色を帯び、牧草の緑によく映える。このころと、6月の白い花を一斉に開花させた時季のコナシは、性悪女になぞらえたりするのを控える。



 10月は台風襲来などの悪天が続き、予約取り消しが続いた。それでも彼らは予定通りにやってきた。そして今回も男4人で、いい秋を楽しんだようだ。第1牧区へ案内したら、大きな歓声を上げていた。かんとさんも昨日来て、いつものように一人で星の撮影に励み、先程帰った。
 
 きょうから伊那側は、「千代田湖」から「枯れ木の頭」経由「オオダオ(芝平峠)」間が通行止めになった。毎年今ごろになって始まるわずか100メートル程の道路の補修工事のためだが、迂回路は1本、金鶏山を東に巻く道しかない。この山道は何百メートルもすれ違いができない区間や、悪路が続き、できたら通勤路にはしたくない。ただし、紅葉は圧巻と言っていい。
 いつも使っている芝平経由の市道は、19号台風の影響で現在通行止めになっていて、いつ通行できるようななるのかは不明。道路補修はこっちを優先してもらいたいくらいだ。もう一つある、戸台から来る小黒川林道などは、全く問題外である。
 11月の5日からは富士見パノラマの営業が定期点検のために1ヶ月くらい休止され、道路も凍結や降雪などが確認されればたちどころに通行禁止になる。そうなると、残された方法は富士見側からだと、ゴンドラの営業再開までは「沢入り」から歩くしかないだろう。
 しかしようやく、入笠山一帯は静かな山に還って、冬支度を始めることになる。

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     ’19年「秋」 (47)

2019年10月26日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 テイ沢は昨日の雨でまた水量が増えていた。取り敢えずきょう、下から7番目の丸太橋以外は通れるようにしたが、どの橋もまだまだ手を入れたい部分を残してしいて、それが気になる。これから時間をかけて、より安全性の高い橋にしたいとは思うが、まだ安心安全とは言えない。
 何故7番目の橋は放置したかというと、水流が変わり、元あったあの位置に架け直すとなると、短くてもさらにもう一つ丸太橋を付け加えなければ、橋としての役を果たせないことが分かったからだ。もっと適当な場所があるかも含め、しばらく様子を見たい。あそこなら、さらに水量が落ちれば、渡渉はそれほど困難ではないと思う。
 
「沢は天候急変時に稜線以上に危険を伴います。携帯の電波も届きません。富士見町の観光案内を見ると健脚向けとはなっていますが、入笠山があまりにも簡単に登れてしまうだけにそのついでにちょっと足を延ばしてなどと安易に足を踏み入れてほしくはないです。」
 これは昨日届いたT中さんの意見。同感だ。最近は結構テイ沢もいろいろなところで紹介されているらしく、きょうも「控えて欲しい」という注意書きを無視した人たちが3組、7,8人が下ってきた。手直しが終わらないうちに歩かれると、折角直しかけた箇所が駄目にされて、やり直しをしなければならない場合が出てくる。作業も中断されるから、つい、声を荒げたくなる。
 T中さんの言うように、あそこで怪我をし、人に出会わなければ自力脱出するしかない。携帯電話が使えないし、何とか林道へ出たとしても、牧場の管理小屋まではさらに2キロくらいを歩くことになる。
 君子になれず、危うきに近付くこともあるから、こんなことを言ってその本人が、ということもある。ムー。

 テイ沢を高巻く登山道が古い2万5千分の1の地図にはあると呟いたが、実際に歩いてみても分からなかった。その他、「石堂越え」について何か見付かるかと、山腹を古い踏み跡を頼りに二度ばかり歩いたこともあるが、これまた何の成果もなかった。

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