入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

       Ume氏の入笠 「初冬」 (6)

2014年10月31日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 10月も今日で終わる。もうそこまで冬の季節が来ている。これからここでも、冬支度を始めなければならないというのに、いまひとつ気が乗らない。と言って、何もしないでいるわけではなく、切れ味の落ちたチェーンソーで、枝打ち三昧の一日だった。



 昨日のUme氏とかんと氏の天体写真は、一日だけで終わらせてはもったいない気がする。まだ見てない人にはぜひ見てほしい。そして、広大な宇宙に思いを馳せつつ、Ume氏とかんと氏の実力と、併せて入笠牧場の実力も再認識していただきたい。
                             ・
 FE-59さんは、先程帰っていった。例により甲斐駒ケ岳経由入笠で、と言ってもちろん一度は街に下りてから、昨夜来て、今日はちゃんと入笠山と釜無山に登るという効率の良い山行を果たした。小柄でありながら、体力のある元気な中年女性だが、冬は苦手とか。来春の再訪を約してくれたが、サテ、お迎えすることができるかどうか。
 ウッカリしていたが明日からまた3連休、キャンプ場と山小屋に予約が入っていた。灯油の荷揚げをしなければならない。

 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては9月5,6日のブログをご覧ください。皆様、そろそろ冬の予定を立ててください。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

冬の星を撮る  (競作)

2014年10月30日 | 入笠牧場からの星空

                                                        Photo by Ume氏

 星々が冬の夜空で何を語っているのかは分からない。しかし、その饒舌さは感ずる。もしかして話題の中心は、天の川銀河の片隅にある太陽系、その3番目の地球というちっぽけな惑星に、最近誕生したばかりの人類の噂でもしているのかも知れない。
 われわれは本当に、ありふれた銀河のありふれた星に生まれたのだろうか。



Photo by かんと氏
 
 すばるは牡牛座の一画を占める散開星団で、青白い6,7個の星がぼんやりと見えるが、実際は130個以上の星々より成り立ち、距離は400光年、誕生してからまだ500万年という若い星たちだ。
 「枕の草子」の時代から「す(統)ばる」はやんごとなき人々の口の端に上り、語られたとか。「わらわにもあんなすばるのような首飾りをこうてくんなまんせ」なんて言ってただろうか。すばるとは、勾玉を連ねた首飾りのことらしい。しかし多くの人は、「昴」という題名で大ヒットした歌の影響を受け、この漢字で記憶し、以来良きにつけ悪しきに付け事あるごと冬の夜空に向かって、絶叫を繰り返すようになったという。中国の星座名は「昴宿(ぼうしゅく)」だと。
                                               参考書:石田五郎著「星の歳時記」


                                                       Photo by かんと氏

 散開星団とその背景にきらめく夥しい星の数。この星の中にはわれわれのような生命体が、どこかに存在しているかも知れない。
 この宇宙がなぜ誕生し、その膨大な時間の行き着く果てにはどのような終局が待っているのか、宇宙を眺めていると決まって湧いてくるこうした謎を、それと比べたら無意味とさえ思えるあまりにも短いわれわれの時間・生命とを重ね合わせつつ、冬の夜空を眺めながら考えている。

 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては9月5,6日のブログをご覧ください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

 Ume氏の入笠 「初冬」(5)

2014年10月29日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 人里離れた山奥に暮らしていれば、自然に人格は陶冶され、いつかは仙人にでもなれるのかと思っていた。ところが全く当てが外れた。人にもよるだろうが野生化が進むばかりで、以前にも増して怒りっぽくなってきて困る。
 仏のみ教えによれば、怒るということは最も慎まねばならぬことのひとつらしいが、浮世から遠い山の中、もっぱら血圧を上げている。
                                                              ・
 先日も5台のオフロードバイカーが戸台の方からやってきて、施錠された南門を通り抜けできないからと、牧柵を破り、放牧地を通り抜けて去っていった。そして一昨日、またしてもオフロードに乗った中年や青年5,6名が同じことをしているところに出くわした。
 上で施錠しておきながら、下での規制が甘く、徹底していないからこういうことになる。間伐作業者にとっても、その都度作業を中断しなければならないから(その為に通行止めにしている)、こういう輩には大迷惑だろう。しかし、一向に改まらない。そうして週末が来ると、こうした規制を無視した者らの対応に、不快な思いばかりが積み重ねられていく。彼らはたいがい徒党を組んでいるから、態度も横柄で粗暴。(27日記)
                                                              ・ 


 好天が続く。昨日OZWさんと、念願だった白岩岳に登った。詳報は後日に譲るが、もう少し山頂にいたかったと、今になって思う。また、その夜の星空には圧倒された。午前2時を回っていたろう、中天にはオリオン座が美しい光を放ち、138億年という膨大な時間をかけた、比類のない広がりを持つ大宇宙の神秘が、凍てる夜空から迫ってきた。かんと氏からは、労作が届いている。何しろ二夜をかけて8枚の作品である。素晴らしい!
 すっかり寒くなって、水道が凍るようになった。牧場の仕事も、先行き不明のまま、余すところひと月を切った。週末には、またキャンプの予約がある。11月の22,23,24は連休で新月と重なるから、星への旅人や星の狩人がやってくるだろう。11月19日をもって牧場の仕事は終了するが、その後も山小屋およびキャンプ場の利用者には、できるだけ対応してゆきたい。

 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては9月5,6日のブログをご覧ください。Ume氏の美しい写真に、相応しくないことを書いた。かんと氏の星の写真にもご期待ください。e ozuさん、FE‐59さん、ありがとう、了解しました。
 










コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

       Ume氏の入笠 「初冬」(4)

2014年10月26日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 ああ、もう5時になる。東の空が白みかけてきた。昨夜はまた上に泊まる。
 かんと氏とTBI氏は観測機器の片付けを始めたようだ。彼らの長い夜が終わった。気温は零度近くまで下がっただろう。「天体観測」などと一言では言い切れない、彼らの長時間に及ぶ忍耐、努力、針の先のような鋭い集中力、まさしく驚嘆というしかない。
 若いカップルK君とその彼女L君も、入笠山山頂で日の出を眺めようと出発した。K君は奥穂から西穂のコースも経験済みとかで、ならばと山頂へ至るとっておきの登路を、二人のために教えた。



 K君らを送りがてらゴンドラ駅まで行く途中、60歳過ぎの旦那さんが奥さんの荷物を胸に抱いて、急坂を歩いているところに出くわした。乗せてあげようかと声をかけると、大丈夫だと旦那さんの返事。「奥さん、ご主人にばかり負担をかけちゃあいけませんよ」などと余計なことを冗談めかして言ったら、二人が笑って手を振ってくれた。折り返しに会ったら、今度は奥さんちゃんとザックを背負って、また笑顔いっぱいに挨拶してくれた。仲いい夫婦が微笑ましかった。
 山梨から来たという中年女性の二人ずれ、そしてかんと氏を見送ると(TBI氏は一足先に帰った)、いつから降り出したのか小糠雨がまた、静かな夕暮れを連れてきた。霧もすぐそこまで降りてきている。もう、きょうすることは何もない。山を下ろう。明日はまた、OZWさんとみろく山の会がやってくる。

 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業関しましては9月5,6日のブログをご覧ください。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

       Ume氏の入笠 「初冬」(3)

2014年10月25日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 きょうも深い青い空だ。森は沈黙し、もう鳥の声はしない。すべてが停頓したような森や草原、そして広大な両アルプスのパノラマの中で唯一、御嶽山が薄い噴煙を上げている。あれから、一か月が経ってしまった。
 燃え立つような楓の紅葉は、二、三日前に呆気なくも落葉して、色の付いた影のように木の根元をまるく飾っている。目の前の守屋山の紅葉が進み、幾重にも続くの山並みの先の、いつも目にする北アルプスとの遠近感がさらに強まった気がする。空に浮かんだ白い雲が長閑さを誘う。一人でいればこそ味わえる、自然との強い一体感、快い。



 昨夜の星空はまた格別だったようで、かんと、TBIのご両人も星の狩人となってたくさんの星や星雲を、愛用の弓矢ならぬ望遠鏡で捕えることができたという。我らがUme氏も、朝登ってきたら初の沢(しょのさわ)の大曲にいて、昨夜はいずこの星の海を旅したか、疲労と睡魔、そして大物を仕留めたあとの満足感を笑顔に浮かべていた。いずれこのブログで、三氏の成果を紹介できるとことだろう。

 今夜は若いカップルも来て、山小屋「農協ハウス」に泊まる。二人を案内して第1牧区へ登っていけば、折しも中アの山影に沈んだばかりの太陽が、西の空を真っ赤に染め上げていた。久しぶりに入笠らしい素晴らしい夕焼けで、二人ならずも案内人まではしなくも、大歓声を上げてしまった。因みに、二人は青柳駅から4時間近くをかけて歩いてきた。第1牧区への案内も、あの凄い夕焼けも、そのご褒美となっただろう。加えて、少々時代遅れの山小屋も、大変気に入ってくれた。

 ということで、山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては9月5,6日のブログをご覧ください。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする