Photo by Ume氏
独り言を始めようとして、上に行ったのが昨日だったのか一昨日だったのか、しばらく記憶が混乱した。昨日よりかもっと前のような気がして、記憶が定まるまでに時間が要った。理由は分からないが、運転しにくい雪道を走ったことも、殺風景とも言える小屋の周囲の風景も、貴婦人の丘を見下ろす吹き晒しの丘に立ったことも、本当に昨日のことだったのかと、まだ引っかかる。
むしろ一昨日、誘われて久しぶりに街で酒を飲んだ記憶の方が、新しい出来事のようにさえ感じるくらいで、なぜ昨日の入笠行は一昨日よりか古い記憶の位置に座ろうとするのだろうか。
目の調子が原因で、こんなおかしなことが起きたかと少しだけ疑っている。一応、運転免許証に「眼鏡使用」の条件は前回の更新時に消えたが、本を読むには絶対眼鏡を離せない。朝風呂を浴びている時にも軽い本を読んでいたが、眼鏡が曇って苦労したからそのせいかも知れない。視力と記憶、というよりか視力が脳の混乱を招いた、ということならありえるだろう。
視力はそんな状態でも、最近も「眠り病」と言いたくなるくらいよく眠る。「嗜眠癖」とも勝手に呼んでいて、睡眠は幾つかの快楽の中でも飲酒、散歩、入浴と並ぶ一つである。昨夜も8時間半、一昨夜は多分9時間以上眠った。夜中に起きることもないではないが、昨夜はそれだけの時間ずっと眠り通した。しかも、疲れたのか昨晩は睡くなるのが早くて、散歩を断念したほどだった。
小黒川林道へ通ずる小屋の近くの雪道に昨日、人の足跡があった。高座岩ということもあるが、テイ沢へ行った人だったかも知れない。その足跡を見ながら来年は、テイ沢の痛んだ丸太橋を早い機会に新しくしようと改めて思った。それも、できたら伊那市在住の若い人(でなくてもいいが)を中心に協力者を募ってやりたいと考えている。女性でも皮を剥くことはできるし、他にもできることがあるから男女は問わない。さらにゆくゆくは管理もその人たちに頼めるなら是非そうしたい。
そうすれば、「オレたちが架けた橋だ、ワタシたちが直した丸太橋だ」と、地元の人たちがテイ沢だけに限らず、法華道や高座岩にも愛着を持ってもらえるようになるだろう。将来は半対峠や鹿嶺高原にまでより視野を広げてもらい、入笠の自然を守っていってほしいと願っているのだが、サテどうなるか。
本日はこの辺で。