ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

丹波篠山翁神事(その2)

2007-01-06 17:01:23 | 能楽
この篠山には「能楽資料館」があります。どういう経緯でそうなったのか、ぬえは知りませんが、ぬえの師匠は ぬえが入門するずっと以前から「能楽資料館」の館長の中西通氏と懇意でして、この関係から翁神事も始まったのでしょう。氏は古い面、装束や道具を収集されて「能楽資料館」に展示されておられるだけでなく、能面に非常に深い造詣をお持ちで、また面打ちを志して展示されている面を見学に訪れた人には能面を打つためのアドバイスをしたり、援助をしておられたようです。併設された「丹波古陶館」の館長も兼ねておられ、当地の焼き物・丹波焼にもお詳しかったようです。

ぬえの先輩には焼き物に詳しい方がおられて、まだ入門前の学生時代には師匠を通じて中西氏を訪ね、登り窯の見学にも行っておられました。う~~ん、こっちの世界はどうも。。ぬえって、焼き物だけは ちっとも分からない馬鹿者なんですよねぇ。。

さて、ぬえも師家に入門する前の学生時代の夏休み、師匠のお勧めでこの篠山を訪れて 有名な「デカンショ祭」を見物に行ったことがあります。「デカンショ祭」は、ようするに盆踊りのひとつなのですが、その規模と参加者の熱さがハンパではありませんでした。東京で言ったら「三社祭」のようなものだと思いますが、町の人々の思い入れはそれ以上かも。祭の前から地区ごと? に「あんどん」を作って、それを竿の先に飾り、篠山城趾の三の丸広場に組まれた やぐらの上で、これまた地区ごとに「デカンショ節」に合わせて「あんどん」を振りかざしてにぎやかに踊ります。どうやら「あんどん」の出来と踊りが審査されるコンテストでもあったらしいが真偽は不明。

ところが驚かされたのは「デカンショ節」の歌詞で、なんとその内容は「デカンショ、デカンショで半年暮らし~。あとの半年ゃ寝て暮らす~。ヨーイヨーイ デッカンショ!」という、まあなんともデカダンな。しかもこれが1番の歌詞だという。。ちなみに ぬえがその時に聞いた2番の歌詞は「いろは いろはと 習ったけれど~。はの字を忘れて 色ばかり~。ヨーイヨーイ デッカンショ!」というものでした。ああ、もうどうにでもなれ。

ところが実際にはこの歌詞は統一されていなかったらしく、近年「全国に知られる民謡デカンショ節の歌詞を統一しようと、1998年「デカンショ節100年記念事業実行委員会」(西尾昭委員長)は、数多くある歌詞の中から代表的な10ならびに20を選びました。」ということになったそうです(『篠山町ホームページ』より)。はあ、そうなんですか。勉強になりました。。(←ちなみにこのホームページも地方自治体のサイトとはとても思えないノリの良さ!)現在ではライブカメラを駆使して祭の様子をウェブ配信しているらしい。あいかわらず熱いデカンショ祭。。

あれ? 新年の話題のはずがいつの間にか夏のお盆の時期の話に。。おそるべし、デカンショの吸引力。。

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2 コメント

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えぇっ! (悠)
2007-01-07 00:44:51
私は、デカルト、カント、ショペンハウエルをあわせて、旧制高校生が、「デカンショ」って歌ったってきいてたもんで、デカンショって民謡なんすっか。「いろは」まで、はいってるんですか??びっくり!!
えぇっ!(笑) (ぬえ)
2007-01-08 23:45:38
。。そ、それを本気で信じていたんですか>悠さん

こんなアナーキストが作ったような(失礼)、破天荒な(失礼)内容が有名で、これに出会って「こ。。これって。。なんで”デカンショ”って言うんですかね。。(ーー;)」と、もう思考停止状態に陥ったよそ者に対して、こう言ってケムに巻いたワケですよ。

「ん?ご存じない?デカルト・カント・ショーペンハウエルを合わせて名付けたんですよ」

。。もう、ここまで来ると禅問答。

(この項、内容に責任は持てませぬ)

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