ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

第14次支援活動<気仙沼>(その13)~南三陸「キラキラ丼」と地福寺さんへ

2013-07-12 00:37:30 | 能楽の心と癒しプロジェクト
さて志津川の上山八幡宮さまを退出して、ようやく昼食のために南三陸町「さんさん商店街」に立ち寄りました。こちらでの目当ては「キラキラ丼」! 南三陸町で震災の前からイチオシ! とされていた、地元で獲れた食材を使った豪華なお食事です。時期によって内容は変わり、この夏の時期はもちろんウニ! 笛のTさんオススメで「弁慶鮨」さんに入ったのですが、これでもかっと盛られたウニは、おいしそう、と思う前に もたれそう。。と思っちゃいましたが、それは新鮮なウニを食べつけない貧乏人の考えることで、こちらのウニは甘くておいしかったどす~~。











ん~、なんか。ボランティアとして、こんな贅沢していいのかなあ、なんて思っちゃいますが、すでにTさんは活動とともに観光とかグルメ探訪にもシフトし始めているみたい。。それでいいのかも。どうしても活動するときは短期間でできるだけ多くの事をしようと思うので時間がないのと、それから ぬえたちの活動資金は募金という浄財なので、食費は活動資金からは支出せず、参加者が自己負担すると決めているので、食事はおのずとコンビニ弁当ばっかりになってしまう ぬえたちですが、もう少し時間に余裕をもって、当地の風物を愛でながらの旅をしつつ活動するのでも良いのかなあ。

うん、よく考えると、避難所で活動していた時代の、寝袋持参、食事はボランティアさんから分けて頂いたり、コンビニで買ったり、というところから ぬえ自体にあまり進歩がないようにも思えてきました。ぬえたちプロジェクトが「文化の復興」なんてスローガンを掲げている割には、ぬえ自身が一番フツーじゃない生活を、ここでは繰り広げているような。そういえば3日前の東新城オレンジ落成式のときに、オレンジのメンバーさんから会食の席で「猊鼻渓とか。。お連れしたい場所はたくさんあるんですよ」なんて言われたし。このときは「ああ。。でも公演の準備や移動で観光まではなかなか。。」なんて答えてしまいましたが。

さて「さんさん商店街」でご馳走を満喫して、一路気仙沼に向かいます。途中、階上(はしかみ)の地福寺さんに立ち寄って、ぬえが指導する静岡県・伊豆の国市の「子ども創作能」のママさんたちから、当地の波路上(はじかみ)保育所への支援物資の遊具をお届けしました。



。。そうそう、こちらの保育所への伊豆からの支援物資はこれで2度目なのですが、先日、保育所からお礼状が届けられました!



伊豆からの支援物資もこれで何度目かなあ? 以前の写真を見たら、震災の半年後から すでに食料品などが支援されていました。こういうところはさすが伊豆で、農家のおうちから どっさりと野菜が届けられたり。しかしお礼状という形になって東北から感謝の気持ちが届けられたのはこれが初めてです。このボールプールや楽器は伊豆のS家からのプレゼントだな? 早速S家にこのお礼状をお届けしました。S家には2年生の女の子と、それから ちょうどこの保育所の子どもたちと同じ年代の幼稚園生の女の子が、どちらも「子ども創作能」の稽古をしているのですが、S家からはすぐに返事が来て、いわく次女の幼稚園生の子は「この子たちに会いたい!」と喜んでいたそう。東北と静岡と。遠く離れていますが、美しい心同士がふれあった瞬間でした。

この日も伊豆からの支援物資を地福寺さんにお届けしたのですが、そうしているところへご住職さまが偶然にご帰宅されました。いつもお忙しい方なのに、なんて奇遇。

この3月に ぬえたちプロジェクトでは気仙沼で「星と能楽の夕べ」公演を行い、ぬえのたってのお願いで地福寺さんのご住職さまにもご出演願ったのでした。その翌日には震災2年目の当日を前に地福寺さんでは「明日に向って」と題する追悼コンサートと法要が営まれ、ぬえたちも参加させて頂きました。じつはそのあたりから、次回はぜひ地福寺さんと ぬえらプロジェクトだけのコラボの催しをしたい、という話は漠然と出ていたのですが、まあ遠隔地でそれぞれの活動をしているから、なかなか突っ込んだ話し合いは持てずにいまして。。それがこの日、能楽師とご住職が一堂に顔を合わせた、ということで一挙に話が進みました。さあさ、みんな手帳を出して~~

こうして、もう来月に迫ってきましたが、お盆の時期に精霊送りの意味を込めて能と法要の会を実現することが、この日決まったのでした。すみませ~ん、このご報告はまだ5月の活動について、なんで、どうも時間の感覚を狂わせちゃいますですね~~