銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

甲子園と小笠原

2009年08月08日 | のほほん同志Aの日常
今日、夏の高校野球が開幕しました。

実は私、小学生のときに『ドカベン』を読んで以来の高校野球ファン。
高校野球といえば甲子園。
甲子園といえば、阪神電車です。
前の職場への通勤には、阪神電車を利用していましたので、
残業のない日はぶらりと甲子園駅で途中下車し、
無料の外野席で高校野球を見て帰るのが、夏のお楽しみでした。

まだまだ日が長いとはいえ、仕事帰り。
第4試合の終盤になっているのですが、
夕焼け空がしだいに暮れて、やがて照明が灯るまで、
空の色が移り変わるのを見ながらビール片手に野球観戦、というのは、
なかなか乙なものです。

ちょくちょく通ううち、ひいきのチームというのが出てきます。
忘れられないのは、2年前の夏。
佐賀北高校。

覚えていらっしゃいますか。
2度目の出場で初優勝。
大ブームになった、佐賀の県立高校です。

派手さはないけど、堅実で泥くさい全員野球。
開幕試合や延長引き分け再試合など僅差で勝ちすすみ、
準々決勝で強豪の帝京高校に延長サヨナラ勝ちしたときには、しびれました。

そして迎えた決勝戦。
相手は名門、広島代表、広陵高校。
この日は代休だったので、はりきって球場に駆けつけました――。

…とまあ、私にとっては今なお鮮明なのですが、
こんな話、その夏の出来事ならともかく、
2年もたった今となっては、誰もまともに聞いてくれません。

ところが一人、いたのです。
ふんふん、と聞いてくれるだけでなく、一緒に熱く語ってくれる人が…!

この春、訪ねた小笠原諸島の父島で、10日間にわたってお世話になったガイドさん。
島の人からは「ヒロくん」と呼ばれる、クジラとイルカが大好きな好青年。
ガイドさんなど人の出会いに恵まれると、旅は本当に楽しく、思い出深くなります。
「気はやさしくて力持ち」を地でいく彼に、お客様も全幅の信頼を寄せていました。

クジラを見たり、アホウドリを見たり、無人島へ渡ったり、南洋踊りを踊ったり、
「ヒロくん」の案内のもと島を十二分に満喫し、明日はいよいよお別れ、という夜。
ツアーが無事終了した「お疲れさん会」をしようと、島の居酒屋で祝杯をあげました。

仙台出身の彼、なんでまた小笠原に…と聞いてみると、

「実は甲子園めざしてピッチャーやってたんです。
 けっこう強い学校の一応エースで、社会人野球からも誘われてたんですけど、
 肩をこわして野球できなくなってしまって…」

えー! と私。
じゃあ、あの試合、覚えてる? 佐賀北VS広陵戦。 
私、あの試合、甲子園で生で見てたんよ。 

…というと、今度はあちらが、
えー!

――超満員の外野席で見た決勝戦。
佐賀北打線は7回まで、広陵の好投手にわずか1安打に押さえられ、
0-4とリードされてしまいます。
ところが8回、初めてのチャンスで満塁に。
わずかに外れた四球押し出しで3点差になると、スタンドは異様な雰囲気に。
そして、つづく3番バッターが、なんとなんとの逆転満塁ホームラン!!
そのまま逃げ切って初優勝をはたしたのです。

「ホームランのときは、もうスタンド中がすごかったよ。
 私も思わず、となりの見知らぬ親子とハイタッチしたもん。」

その試合をテレビで見ていたという彼は、私以上に克明に覚えていました。

「あの押し出し四球になった一球は、ボールと判定されたけど
 ストライクでも良かった。それぐらいいい球だったんですよ。」

「逆転ホームラン打たれたあと、それでも広陵のピッチャーが笑ったんです。
 不思議に思ったかもしれないけど、あそこは笑うしかない。
 なんか同じピッチャーとして、ちょっと気持ちがわかったなぁ。」

うんうん、そうかそうか。


――それにしても、まさか東京から船で25時間の、小笠原諸島の父島で、
あの佐賀北VS広陵戦について熱く語れるとは思ってもいませんでした。
サプライズという点では、クジラより何より、一番の思い出になったかも…。

さて、今年も夏の甲子園が始まります。
小笠原の彼のように、その力がありながら甲子園に届かなかった元球児たちは、
また特別な思いを抱きながら見るんでしょう。

通勤が、阪神電車から阪急電車へと変わり、
帰りにぶらりと甲子園…というわけにはいかなくなったのが残念ですが、
いつかまた小笠原で再会したときに、熱く語れる名勝負を、今年も期待しています。



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営業活動その4 ~卵とスーパーボール~

2009年08月08日 | のほほん同志Aの日常
営業からの帰り道、なぜか手元には卵が16個。
これは何かといいますと…

宝塚駅周辺での外回り、ついでにチラシ撒きを終えて、
そろそろ事務所へ帰ろうかと駅へ向かいかけたとき。
駅ビルの出入り口付近にチラシを持って立ちふさがる、営業スタイルの女性。
まさに、先ほどまでの私です。

案の定、声をかけられました。

「実はいま、地域の方々にお集まりいただいて、
 スーパーボールのイベントをしているんですけど、
 よろしかったら少しだけいかがですか?」

…スーパーボウルって、あのアメフトの試合の??

スポーツ観戦好きの血が少し騒ぎましたが、これまでなら「忙しいので」と断るところ。
でも営業3日目で培った「カン」 が、私に行けと命じていました。
そこで、のこのこついて行ってみると…

つれていかれたのは、駅ビルの立派な一室。
入り口には、誰もが知っている「○○生命」の看板。

あれ、ここですか?と思っている間に、
名簿に名前を書かされ、つづいて「働く女性の意識調査」 というアンケートまで。
――すごい営業テクニックです。

つづいて、ヌイッと目の前に出されたのは、真ん中に穴のあいた手作りの段ボール箱。

「はい、まずは右手からどーぞ」

…「スーパーボールのイベント」とは、
夜店で売っているスーパーボールのつかみ取りのことでした。

段ボールに手をつっこむ私を10人近い保険レディー(と思われる女性陣)が取りかこみ、
「うわー、すごい!」「がんばれがんばれ!」 と、やんやの大声援。

何の騒ぎじゃ、と思いながらも、こちらもおだてられ無意味に高揚。

つづいて左手。

昔、ピアノの先生から唯一ほめられた指の長さを駆使し、けっこういい線いったらしい。

右手、左手あわせて、16個。

「おめでとーごさいまーす!」
「今日の新記録ですよ!!」
「今夜はオムレツですねー」

派手にはやしたてられながら、景品として卵16個を頂戴しました。

何のこっちゃ。
…でも卵ももらったことだし、まぁいいや。
さて帰ろうと思いきや

「あちらで支部長からご挨拶させてもらいます」

シブチョー?

つれていかれたのは、奥の部屋。
見るからに、営業の強者っぽい、カンロクの女性が待ちかまえていました。

――お話をうかがって、ようやく分かりました。
こちら、保険レディーになりませんか、という勧誘のイベントだったのです。

いえ実は私…ということで、逆に「銀のステッキ旅行」について申し上げ、
職員様で貸し切りのご旅行いかがですか? とお話しさせていただきました。

支部長さん、サバサバした気っ風のいい方で、私を連れてきた営業さんに、
「あなた、こんな人お連れしちゃダメじゃない。逆ナンパされてしまったわよ」

苦笑顔のお二人に送り出されての帰り道、
あれよあれよの15分間を反芻して気になったのが、あのとき行けと命じた私の「カン」。
今後、アレを信じていいものかどうなのか…。

うーん、、
とりあえず今は、この卵16個だけが、たしかな成果です。


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