地盤強化と地震防災④

2022年02月25日 | 防災と琵琶湖


作成日:2022.2.25|更新日:2022.2.26

地域循環共生圏概論 ㊴
□ 地盤強化と地震防災④

 先回は「伊勢市の環境基本計画」の市民合意形成の
手段、広報の丁寧さに感心しその内容確認にのめり込
んでしましました。今回は、「彦根愛知犬上地域新ご
み処理施設整備基本計画」(彦根愛知犬上広域行政組
合)の「第2章の計画条件の整備」を確認します。
以下
2.1 施設供用開始予定年度 
2.2 ごみ処理対象人口およびごみ排出量の動態
【要点】
1.人口は、本組合圏域全体としては2015年度にかけ
  て緩やかに減少し、2016年は200人程度微増。
ごみ排
 出量は、2013年度を境に減少傾向にある。ごみ種別
 ごとにみると、「燃えるごみ」、「燃えないごみ」、
 「粗大ごみ」、「その他」および「集団回収」は排
 出量が減少傾向であり、「資源ごみ」は2014年度ま
 では減少したがその後増加。
2.「家電4品目」は、不法投棄としての量であり、
 各市町の排出量は確認できていない。
3.自治体ごとの排出量をみると、彦根市が人口およ
 びごみ排出量が最も多く、直近実績である2016年度
 は本組合圏域のごみ排出量48,301t/年のうち約76%
 (36,877t/年)を占めているが、2013年度を境に減
 少傾向にある。
4.
愛荘町は彦根市に次いで人口およびごみ排出量が
 多く、同年度の本組合圏域の ごみ排出量の約 10%
 (4,759t/年)を占め、やや増加傾向にある。
5.豊郷町、甲良町および多賀町については、人口は
 多賀町がわずかに多いものの、過去5年間は3町と
 も7,500人前後で推移している。同年度のごみ排出量
 は豊郷町が全体の約 5%(2,612t/年)、甲良町約4
 %(1,813t/年)、多賀町約 5%(2,240t/年)を占
 めている状況であり、豊郷町はやや増加傾向にある。
 甲良町は近年3年間でほぼ横ばいに推移し、多賀町
 はやや減少傾向にある。

2.3 ごみ処理体系 
(1)現在のごみ処理体系
 1)彦根市:中間処理施設として「彦根市清掃セン
 タ」があり、「燃やすごみ」、「粗大ごみ」、「資
 源ごみ」 のうち「缶・金属類」、「びん類」、「ペ
 ットボトル」および「容器包装プラスチック」につ
 いては彦根市清掃センタにて焼却、破砕・選別、圧
 縮・梱包等の中間処理を行っている。「埋立ごみ」
 については、中継基地(中山投棄場)を経て、民間
 で委託処理を行っている。資源ごみのうち「古紙・
 衣類(センタ直接搬入分)」、「使用済乾電池」お
 よび「使用済蛍光管等」は彦根市清掃センタで一時
 保管を経て資源化事業者にて委託処理を行っている。
 「古紙・衣類(収集分)」および「廃食用油」は資
 源化事業者にて委託処理を行っている(図 彦根市
 の現在のごみ処理体系は不掲載)。 

 2)愛荘町:愛荘町は中間処理施設として「リバー
 スセンタ」があり、「燃やすごみ」のRDF化処理
 を行っている。「燃えないごみ」については、「ガ
 レキ類(収集分・直接搬入分)」は愛知郡広域行政
 組合「ガレキ類最終処分場」にて埋立処理を行い、
 ガレキ類以外の燃えないごみは同組合「愛知郡清掃
 センタ」に保管後、民間で委託処理を行っている。
 「粗大ごみ」については、収集分のうち金属類は資
 源化事業者にて委託処理を行い、金属類以外の粗大
 ごみは委託処理している。また「愛知郡清掃センタ」
 への直接搬入も可能としている。「資源ごみ」につ
 いては、収集分は資源化事業者にて委託処理を行い、
 「缶・金属類」、「びん類」、「ペットボトル」お
 よび「廃蛍光管」は「愛知郡清掃センター」への直
 接搬入も可能としている。

 3)豊郷町は中間処理施設として「リバースセンタ」
  があり、「燃やすごみ」のRDF化処理を行ってい
  る。「燃えないごみ」については、中継基地(中山
  投棄場)を経て、民間で委託処理を行っている。「
  粗大ごみ」および「資源ごみ」については、資源化
  事業者にて委託処理を行っている。

 4)中間処理施設として「リバースセンタ」があり、
 「燃やせるごみ」のRDF化処理を行っている。「
 燃えないごみ」については、中継基地(中山投棄場)
 を経て、民間で処理を行っている。「粗大ごみ」お
 よび「資源ごみ」については、資源化事業者にて委
 託処理を行っている。

 5)多賀町:中間処理施設として「リバースセンタ」
 があり、「燃やすごみ」のRDF化処理を行ってい
 る。「燃えないごみ」については、中継基地(中山
 投棄場)を経て、民間で処理を行っている。「粗大
 ごみ」および「資源ごみ」については、資源化事業
 者にて委託処理を行っている。多賀町は1市4町で 
 唯一紙パック単独の拠点回収を行っている。 

① 可燃ごみ処理施設

② 粗大・資源ごみ処理施設・保管施設 

③ 中継基地・最終処分場


④ し尿処理施設 


⑤ 現有施設の位置図 

(2)ごみ処理体系統一に向けた各ごみ種の取り扱い
新施設稼働開始後は本組合圏域のごみ処理体系の統一
を行う。(ただし、収集・運搬は各市町の方法に拠る
。)統一にあたって、各ごみ種の取り扱いについて以
下のとおり検討している。
①燃やすごみ:現在、彦根市では彦根市清掃センタに
おいて焼却処理、愛荘町・豊郷町・甲良町・多賀町で
はリバースセンターにおいて RDF化しているごみ種で
ある。新施設では焼却処理を行う。燃やすごみについ
ては、現在彦根市清掃センタでは、資源化可能な草・
剪定枝」を選別し民間事業者において資源化している。
これについて、新施設では以下のことが考えられる。
(1)現状どおり搬入時に草・剪定枝を選別し、一時
 保管後に資源化
(2)搬入時に草・剪定枝を選別し、リサイクル施設
 で破砕後に焼却
(3)草・剪定枝を選別せず焼却処理
 
 新施設稼働開始後も同様の取組を継続するかどうか
 現時点では未定であるが、本計画では
 (1)「現状どおり搬入時に選別し 一時保管後に資源
 化する」ことを想定。
 なお、草・剪定枝については、現在、各市町に一般
 廃棄物処理を行っている民間事業者があり、将来的
 にその分が新施設に搬入される可能性があることを
 考慮し、新施設の草・剪定枝貯留ヤードを計画する。 

②燃えないごみ(彦根 市では埋立ごみ): 現在、中
継施設にて保管の後、民間にて処理・処分を委託して
いるごみ種である。新施設ではリサイクル施設におい
て、処理不適物を除去した後、破砕処理し、可燃物・
不燃物・鉄・アルミ等に選別処理を行う。燃えないご
みについては「硬いプラスチック製品」「合成皮革製
品」を含んでいる。これらについて、新施設では以下
のことが考えられる。 

 (1) 現状どおり燃えないごみに含める。
 (2) 燃やすごみに含める。
 
新施設においては焼却設備や排ガス処理設備の性能
も向上することから、 (2)「燃やすごみに含める」こ
とを想定する。また、「プラスチック製容器包装」で
ある食品ラップ類、ペットボトルキ ャップ、アルミコ
ーティングの袋類は4町では燃えないごみに含まれて
いる。これらについて、新施設では以下のことが考え
られる。
 (1) 燃やすごみに含める。(焼却余熱としてサーマル
 リサイクル)
 (2) 容器包装プラスチックとして分別・資源化する。
 容器包装プラスチックについては、後述の⑦におい
 ても整理するが、新施設稼働開始後も分別・資源化
 を行うかどうか現時点では未定である。よって、本
 計画では(1)「燃やすごみに含める」場合と、(2)「
 分別・資源化する」場合の両方を想定する。 

③ 粗大ごみ(小型家電 を含む):現在、彦根市では
彦根市清掃センタにおいて破砕・選別処理、愛荘町・
豊郷町・甲良町・多賀町では民間に処理委託している
ごみ種である。現在は、愛荘町・豊郷町・甲良町・多
賀町では「ふとん・じゅうたん・カーペット等」は燃
やすごみ(50cm以下に裁断)、「畳」は引き取り不可
とされている。これらについて、新施設では以下のこ
とが考えられる。
(1) 現状どおり(ふとん・じゅうたん・カーペット等
は燃やすごみ、畳は引き取り不可とする)とする。⇒
専用の破砕機(切断機)は設置しない。
(2) 専用の破砕機(切断機)を設置し破砕後焼却する。
(ふとん・じゅうたん・カーペットは 50cm 以下に裁
断する必要はない。) 基本的には、現在粗大ごみとし
て収集されているものは、新施設においても同様に処
理することを想定しており、これらは彦根市では現在
も粗大ごみとして処理されていることから、新施設に
おいても (2)「破砕後 焼却する」ことを想定する。
 また、彦根市では「小型家電」について、粗大ごみ
と同様に申込みによる有料戸別収集を実施しているが、
愛荘町・豊郷町・甲良町・多賀町では BOX回収および
拠点回収を行っている。収集方法については各市町の
方法に拠るが、新施設では搬入された小型家電を選別
し、一時保管可能なよう計画する。

④ 缶・金属類:新施設ではリサイクル施設において選
別・圧縮処理を行う。現在は缶・金属類に含めて収集
されている「スプレー缶」については、新施設でも「
缶・金属類」として処理し、圧縮処理前に不適物とし
て除去する。除去したスプレー缶の処理方法について
は、今後、選別ヤードにおいて作業員が手作業で内容
物を除去する、または専用の処理機を設置する、また
は外部に処理委託する等の方法を検討することとする。
 また、現在、彦根市・愛荘町・甲良町においては缶・
金属類に含めて収集、豊郷町においては粗大ごみに含
めて収集、多賀町においては燃えないごみおよび粗大
ごみに含めて収集されている「その他小型金属類」に
ついても、新施設では「缶・金属類」として処理し、
圧縮処理前に不適物として除去する。 
⑤びん類:施設ではリサイクル施設において選別処理
を行う。
⑥ ペットボトル:新施設ではリサイクル施設において
選別・圧縮・梱包処理を行う。 
⑦容器包装プラスチックおよび白色トレイ:現在、彦
根市では「容器包装プラスチック(白色トレイを含む
)」を分別・資源化されており、愛荘町・豊郷町・甲
良町・多賀町では「白色トレイ」を分別・資源化され
ている。(愛荘町・豊郷町・甲良町・多賀町では「容
器包装 プラスチック」は燃やすごみに含まれている。)
容器包装プラスチックおよび白色トレイについては、
新施設では以下 のことが考えられる。 (1) 燃やすご
みに含める。(焼却余熱としてサーマルリサイクル)
(2) 現状どおり分別・資源化する。新施設稼働開始後
も分別・資源化を行うかどうか現時点では未定である。
よって、本計画では(1)「燃やすごみに含める」場合と、
(2)「分別・資源化する」場合の両方を想定する。
⑧ 古紙・衣類: 現在、各市町において、分別・資源
化されているが、回収・資源化のフローは各市町で異
なっている。
 彦根市…集団回収が実施されているほか、直接搬入
 分は施設で一時保管後に資源化事業者に引渡しされ
 ており、収集分は資源化事業者において直接資源化
 される。
 愛荘町…拠点回収が行われており、資源化事業者に
 おいて直接資源化される。
 豊郷町…拠点回収が行われており、資源化事業者に
 おいて直接資源化される。
 甲良町…集団回収が実施されているほか、布類のみ
 拠点回収も行われており、資源化事業者において直
 接資源化される。
 多賀町…集団回収が実施されており、資源化事業者
 において直接資源化される。古紙・衣類については、
 新施設では以下のことが考えられる。

 (1) 発生する全量を受け入れ、一時保管する。(現
  在実施されている集団回収の仕組みが継続されな
  い場合)
 (2) 現在は直接資源化されている収集分と拠点回収
  分、および直接搬入分ともに受け入れ、一時保管
  する。(現在実施されている集団回収の仕組みは
  継続される場合)
 (3) 直接搬入分のみ受け入れ、一時保管する。(収
  集分と拠点回収分は直接資源化が継続され、現在
  実施されている集団回収の仕組みも継続される場
  合)新施設稼働開始後も集団回収の仕組みを継続
  するかどうかは各市町の施策に拠るところである
  が、本計画では、現在実施されている集団回収の
  仕組みは今後も継続されるものとして想定する。
   よって、(2)か(3)のいずれかとなるが、現在実
  施されている直接資源化が継続されるかどうかは
  各市町の今後の施策にも拠る所であり現時点では
  未定であるため、本計画では (2)「収集分(拠点
  回収含む)・直接搬入の両方を受け入れる場合」
  と (3)「直接搬入分のみ受け入れる場合」の両方
    を想定する。
⑨廃食用油:現在、各市町で分別・資源化されている
 廃食用油については、新施設では以下のことが考え
 られる。 (1) 燃やすごみに含める。(焼却余熱とし
 てサーマルリサイクル) (2) 現状どおり分別・資源
 化する。 新施設稼働開始後も分別・資源化を行うか
 どうか現時点では未定である。 よって、本計画では
 (1)「燃やすごみに含める」場合と、(2)「分別・ 資
 源化する」場合の両方を想定する。 
⑩乾電池・廃蛍光管: 新施設ではリサイクル施設にお
 いて一時保管を行う。
⑪使い捨てライター:現在、彦根市・豊郷町・甲良町・
 多賀町においては、拠点回収(ボックス回収)してい
 る。新施設では 「燃えないごみ」として処理する。
 (原則 は使い切って排出することとなっているが、
 中身が入ったままのものは破砕処理前に不適物とし
 て除去する。)ただし、収集については現状どおり、
 別袋での収集の継続を前提とする。 
⑫その他:❶処理困難物について:処理困難物である
 「スプリング付きマットレス」や「ソファ」、「チ
 ャイルドシート」については、新施設で処理が可能
 なよう、貯留ヤードや前処理ヤード、破砕設備を検
 討する。基本的には購入先や専門業者への引き取り
 を依頼すべきもの(家電4品目、エンジンオイルや
 バッテリー、消火器、金庫、塗料等)については、
 万が一不法投棄された場合には、新施設で一時保管
 が可能なようストックヤードを確保する。水銀使用
 廃製品(水銀体温計・水銀血圧計等)については、
 現在、各市町において回収方法は異なっている ➲ 

 彦根市…直接持込(職員に手渡し)
 愛荘町…直接持込(愛知郡清掃センターへ搬入)
 豊郷町…水銀体温計は燃えないごみとして収集、水
 銀血圧計は小型家 電として回収。
 甲良町…燃えないごみとして収集。
 多賀町…燃えないごみとして収集。
 環境省「家庭から排出される水銀使用廃製品の分別
 回収ガイドライン(2015年12月)」によれば、水銀使
  用廃製品は、その他の廃棄物と混合しないように排
  出する分別区分とする(破損したものも含む)こと
 とされている。新施設では、直接持込(職員に手渡
 し)のみを受け入れることとし、ストックヤードに
 おいて一時保管を行なう。
 ❷自治会清掃ごみについて:自治会清掃ごみ(草木・
 川ざらい汚泥を含む)(400~500t/年)について、
 現在は中山投棄場に搬入後、民間事業者に処理を委
 託している。新施設では、自治会清掃ごみは焼却炉
 において処理する。ただし一度に焼却炉に投入しな
 いよう対策(一時貯留設備を設ける、ごみピットで
 十分な攪拌を行う等)が必要である。
 ❸動物の死がいについて:動物の死がいについては、
 大型動物(シカ・イノシシ等)・中型動物(サル・
 イヌ等)は、現在、彦根市清掃センタでは一時保管
 の後、民間事業者に処理委託を行っている。ロード
 キル動物は彦根市清掃センタで の焼却処理も実施し
 ている。新施設においては、小型・中型動物(サル・
 イヌ等(ただしペットは紫雲苑での受入も行う))・
 ロードキル動物および有害鳥獣(カラス・アライグ
 マ・ハクビシン等)は焼却炉において焼却処理する
 とともに、大型動物(シカ・イノシシ等)は一時保
 管が可能なよう 貯留設備(冷凍庫)を設ける。
------------------------------------------------
※「直接資源化」…中間処理施設を経ずに、資源化事
業者に直接搬入されて資源化されること。一旦、中間
処理施設に搬入され、破砕・選別等の処理や一時保管
の後、資源化される場合は「中間処理後再生利用」と
呼ぶ。
※「行政回収」…「市区町村」主体の回収方法であり、
市区町村が委託したごみ収集車で資源ごみを回収する。
(ステーション方式)
※「拠点回収」…「市区町村」主体の回収方法であり、
役所などの施設内に「回収ボックス」等を設置して資
源ごみを回収する。
※「集団回収」…「地域団体(町内会、自治会、PTA
等)」と「回収業者」が主体の回収方法であり、回収
業者のごみ収集車が資源ごみを回収する。
 また、ここで技術工学的な用語が使用されているの
で下記に記載しておきます。


図 RDF製造フロー  出典:カワサキプラントシステ
ムズ(株)「RDF製造設備」
※RDF化処理:Refuse Derived Fuel(ごみ固形化燃
料)➲ごみ固形化燃料とも呼ばれ、生ごみ・廃プラ
スチック、古紙(DPF:Refuse Paper & Plastic Fuel
などのごみを、粉砕・乾燥したのちに生石灰を混合し
て、圧縮・固化したものをさす。
乾燥・圧縮・形成されているため、輸送や長期保管が
可能となり、熱源として利用される。石炭との混用が
可能であり、セメント焼成にも利用できる。発熱量は、
1kg当り約5,000kcalで、石炭に近い。現行法の体系下
では、原料が廃棄物であるために RDFの製造は一般廃
棄物の中間処理方法のひとつとみなされ、市町村が事
業主体となって焼却処理されている。RDFを 焼却する
処理施設は、ダイオキシン類をはじめ大気汚染物質の
排出抑制措置がとられ、粉塵の飛散防止、廃ガス処理、
ダイオキシンの濃度測定などが義務付けられている。
なお、廃熱は電気、スチームなどに利用されている。
一方、RPFは 産業廃棄物として分別収集された古紙及
びプラスチックを主原料とする固形燃料で、原料性質
が一般廃棄物と比較して安定しているため、製造工程
は RDFより単純で、製造コストも低く、低位発熱量も
RDFより高い。図はRDF製造フローである。RDFの 製造
工程は廃棄物焼却処理の工程と類似点が多い。
下表は、RDFおよびRPFの性状をまとめたものである。
可燃性の一般廃棄物を主原料とするRDF(図1(左))
は、台所で発生する生ごみ等を含むため、 RPFより水
分含量がやや多い。その分、RPFと 比較して密度がや
や大きく、低位発熱量は小さくなっている。一般炭(
約27MJ/kg)の約2分の1から 約3分の2に相当する発熱
量があるので、暖房や乾燥などに利用できるほか、発
電に利用する事例もある。形状は、20mm×40mm程度の
円筒形である場合が多い。
RPF(図1(右))は、主原料が紙類、廃プラスチック
であることから、RDFよりも水分含量が少なく、 発熱
量も大きい。灰分や塩素分など燃焼の妨げとなる異物
の量が少ないので RDFより安定した燃焼が実現できる。

 表. RDFとRPFの性状


 2003年8月、三重県多度町にある同県企業庁のRDF焼
却・発電施設のRDF貯蔵タンクで 自然発火による貯蔵
施設の爆発・人身事故が発生した。自然発酵による発
熱・発火が原因とされる。こうした事故を防ぐために
も、貯蔵に当たっては含水率を低く保って自然発酵を
抑制することが必要とされる。 RDF需要の低下とも相
まって、当初のRDF熱は、沈静してきているとされる。

※via 廃棄物固形燃料化(RDF、RPF);環境技術解説
環境展望台:国立環境研究所 環境情報メディア


図 AI技術を活用した次世代自動燃焼制御システム

(3)新施設稼働開始後のごみ処理体系 
新施設稼働開始後の本組合のごみ処理体系を下図に示
す。案①は 「容器包装プラスチック」および 「廃食
用油」は燃やすごみに含め、かつ「古紙・衣類」は収
集および直接搬入を含め全て新ごみ処理施 設へ搬入す
ることを想定するものである。案②は、案①に比べ「
古紙・衣類」は資源化事業者が直接収集することを想
定するものである。案③は、案②に比べ、「容器包装
プラスチック」 および「廃食用油」 を分別収集しリ
サイクル施設で資源化することを想定するものである。
(「図 新施設稼働開始後のごみ処理体系」省略)

2.4 ごみの分別区分および収集方法
(1)可燃ごみ:分別名称以外は 1 市 4 町で同様。
愛荘町、豊郷町、甲良町および多賀町は中間処理施設
がリバースセンターで同一であるため、可燃ごみの分
別は同様である。新施設稼働開始後も、これまで各市
町で可燃ごみとして収集されていたごみは可燃ごみと
して処理する。(「表 可燃ごみの分別区分および収
集方法」省略)
(2)不燃ごみ:不燃ごみについては、名称は彦根市
が「埋立ごみ」としている他は全て「燃えないごみ」
である。収集回数は彦根市、愛荘町、甲良町が月1回、
豊郷町 が月2回、多賀町が隔週1回となっている。収
集方法は全ての市町が指定袋である。不燃ごみの対象
となる項目としては、主に「金属」、「ガレキ」、「
陶器・ ガラス類」、「アルミ類」、「硬質プラスチ
ック類」、「塩化ビニール製品」等が共通して含まれ
る。愛荘町では上記項目のうち「ガレキ」および「ガ
ラス類(蛍光灯)」(割れた蛍光灯、電球、板ガラス
等)を不燃ごみとは別に回収し、資源化している。ま
た、彦根市、豊郷町および甲良町では「使い捨てライ
ター」を不燃ごみとは別に回収している。なお、プラ
スチック類について、容器包装プラスチックは基本的
には彦根市では資源ごみ、他4町は可燃ごみとしてい
るが、プラスチックの性状によって可燃・不燃の区分
が異なる。新施設稼働開始後は、「金属」、「ガレキ」、
「陶器・ガラス類」、「アルミ類」は不燃ごみとして
処理する。ただし、不燃ごみ破砕後の残渣を焼却処理
するこ とを想定し、「ガラス類(蛍光灯)」(割れ
た蛍光灯、電球、板ガラス等)は分けて処理すること
とする。また、「使い捨てライター」は、破砕時の引
火を防ぐため分けて処理することとする。これまで各
市町で扱いが異なったプラスチック類・合成皮革は、
新施設においては焼却時の余熱を高効率で回収するこ
とが可能となるとともに、排ガス処理設備での高効率
な有害物質除去が可能となることから、可燃ごみとし
て処理することとする。ただし、プラスチック製容器
包装は、分別統一案①・案②では燃やすごみに含むが
分別統一案③では資源ごみに含むこととする。(「表
不燃ごみの分別区分および収集方法」省略)
                         
(3)粗大ごみ:愛荘町秦荘地区・甲良町・多賀町で
は資源系(金属製)・非資源系(非金属(可燃性))と
分けているが、それ以外では区分されてい ない。収集
回数、収集方式および収集体制については市町ごとに
異なっている。新施設稼働開始後は、全て粗大ごみと
して処理する。(「表 粗大ごみの分別区分および収集
方法」)

(4)資源ごみ:処理の方法が 1 市 4 町で大きく異
なるのは「容器包装プラスチック」であり、彦根市の
み資源ごみとして処理しており、彦根市以外 は白色
トレイのみ資源
とし、他は「燃やすごみ」(ただし
ルミコーティングがされているもの等は「燃えないご
み」)としている。新施設稼働開始後は、資源ごみの
種類は「缶類」、「びん類」、「ペットボトル」、「
古紙・衣類」、「廃蛍光管」、「乾電池」および「廃
食用油」とする。これまで彦根市で分別収集を行って
いた「容器包装プラスチック」(愛荘町・豊郷町・甲
良町・多賀町で分別収集を行っていた「白色トレイ」
を含む。)および「廃食用油」は、新施設においては
焼却時の余熱を高効率で回収することが可能となると
ともに、排ガス処理設備での高効率な有害物質除去が
可能となる ことから、分別統一案①・案②では可燃
ごみとして処理することとする。(ただし、分別統一
案③では資源ごみに含むこととする。)(「 表 資源
ごみの分別区分および収集方法」)

2.5 計画処理量等の設定
(1)新施設における処理対象物の設定
 1) 熱回収施設の処理対象物 :熱回収施設におけ
  る処理対象物は、以下を想定する。

 2) リサイクル施設の処理対象物 リサイクル施設
における処理対象物は、以下を想定する。 




 3) いずれの案においても新施設に搬入されず直接
  資源化するもの新施設に搬入されず、資源化事業
  者により直接回収され資源化される。



(2)将来人口推計 本組合圏域の人口推計結果を以
下に示す(統計表グラフ省略)
。推計方法は、1 市 4
町それぞれが推計した値(2020年度、2025年度、2030
年度)を基に、5ヵ年の間の人口は等分推移として算
出。2017年度以降は全域として緩やかな減少傾向を示
すと考えている。
 尚、これまでの日本の人口問題に対する専門部会の
解析と「人口政策・戦略」専門部会の早急な提案が希
求されるところです。また、各ごみ項目の推計詳細(
ごみ量の推計方法)は『ごみ処理基本計画策定指針』
(2016年9月改定、環境省大臣官房廃棄物・リサイク
ル対策部)に基づき、トレンド法を用いている。


以下、試算結果は省略。
(5)熱回収施設の計画処理量および施設規模等
 1
) 熱回収施設の計画処理量
熱回収施設の計画処理量は以下のとおりとする。 


2) 熱回収施設の施設規模 熱回収施設規模を以下のとおり設定する。

3) 炉数 炉数については、本施設の規模において実績
の多い「2 炉」と「3 炉」の比較を行う。

上記のとおり、「3 炉」の場合は操炉計画上のメリッ
トはあるが、機器点数や必要面積の増大に繋がる ため、
建設費や維持管理費が高くなる、施設が大きくなると
いうデメリットがある。本計画では、施設 整備基本方
針で掲げている「経済性」「周辺環境との調和」とい
った観点から総合的に判断し、「2 炉」とする.



(6)熱回収施設の計画ごみ質
   1) ごみ質と設備計画との関係について 発熱量が
大きい(燃えやすい)ごみを「高質ごみ」と呼び、一
般的にはプラスチック類や紙類などの可燃分が多く含
まれ、水分が少ない場合に高質ごみとなる。一方、発
熱量が小さい(燃え にくい)ごみを「低質ごみ」と呼
び、一般的には厨芥類などの燃えにくいものが多く含
まれ、水 分が多い場合に低質ごみとなる。ごみの質は
年間を通じて変動し、平均的なものを「基準ごみ」と
呼ぶ。焼却施設の設計においては、ごみ質の変動幅が
大きい場合には設備の容量等に影響するため、計画ご
み質の設定(ごみ質の変動幅をどの程度の範囲で想定
するか)が重要である。下表は、焼却炉設備の計画・
容量決定に際して、高質ごみ(設計上の最高ごみ質)、
低質ごみ(設計上の最低ごみ質)がどのように関与する
かを示したものである。 例えば、低質ごみ側の変動幅
を大きく想定する場合には、焼却炉設備では火格子面
積が大きくなる。つまり、燃えにくいごみに合わせて、
焼却炉の広さを設計する必要がある。(ごみの発熱量
が小さいと炉温が低下し、燃焼の安定性が失われがち
となるうえ、燃焼の完結にはより長時間を要すること
等から、一定の焼却灰質を保とうとする場合、焼却能
力は低下する傾向となる。)一方、高質ごみ(燃えや
すいごみ)においては、供給空気量、燃焼ガス量は共
に増大し、また熱発生量が大となることから、ガス冷
却設備、通風設備、排ガス処理設備等を大きく設計し
ておく必要がある。また、一般的に高質ごみは単位体
積重量が小さいことから、ごみクレーンの必要容量に
影響する。
                                   
2) 過去のごみ質実績データ 2012~16年度の実績
データを下表に示す。なお、元素組成は可燃分中の割
合、種類組成は可燃分+灰分中の割合としている。

「彦根愛知犬上地域 新ごみ処理施設整備基本計画」
 p.2-56,57 参照。 

  3) 実績データの精査 ① 低位発熱量 ごみ質分析の
実績のうち、彦根市清掃センターでは各回の低位発熱
量を実測されている。一方、 リバースセンターについ
ては、各回の低位発熱量の実測はされていない。よっ
て計算によって求め る必要があるが、低位発熱量の推
計式には、「本多の式」、「狩郷の式」、「小林の式」
等がある。試 算の結果、容器包装プラスチックを資源
ごみとして分別収集している彦根市清掃センターより
も高い数値となった「小林の式」を採用する。 
         
② 元素組成 元素組成(炭素、水素、窒素、硫黄、塩素、
酸素)は、以下の算式より、ごみ種類組成から推計する
ものとする。      

                                    この項つづく
【エピソード】


□ 現状のひとり当たりのごみ排出量    Wb  Kg/Y          
□ 10年後のひとりあたりのごみ排出量  Wa  kg/Y
    計画削減率              Ω   %      
  投資額                Mc  ¥/Y
  二酸化炭素排出量削減率        De  % 
    エネルギー削減率           Er  %
  投資効果額              Ma  \/Y

基本的には上記のような、主要目的関数で表現できれ
ばと考えている(イメージとして➲これが問題解決
の肝なのですが)。時間はたっぷりあるので ^^;?!
良いアイデアがあれば情報提供願います。
 
【脚注及びリンク】
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