原子力規制委員会は17日、福井県の関西電力高浜原発
3、4号機の「審査書」案を了承し、再稼働に向けた「
お墨付き」を与えた。高島市の一部が避難計画を策定す
る30キロ圏内に入っており、滋賀県の自治体首長や市
民団体などからは「再稼働ありきの出来レース」「安全
協定も締結していないのに再稼働は容認できない」など
と批判の声が上がったと伝えている(2014.12.18「京都
新聞」)。
県の三日月大造知事は「安全協定の締結ができていない。
実効性のある広域防護体制の構築が確認できておらず、
内閣府が検討する避難計画も不十分だ。再稼働を容認で
きる状況にない」と強調。その上で「不十分なままで(
国が)原発を動かす判断はしないとは思うが、(再稼働
決まれば)周辺自治体とも連携して断固、抗議していき
たい」と述べたという(同上)。
また、高島市の福井正明市長は「滋賀県と連携し、高浜
原発に関する安全協定の締結を関電に求めていくととも
に、(再稼働に向けた)国の手続きの動向を注視してい
きたい」とのコメントを発表したという(同上)。
同市の市民団体「ネットワークたかしまのわ」の白永昇
次共同代表(65)=安曇川町=は「原子力規制委は国
の意向に沿って動いている。再稼働ありきの出来レース
だ。きちんと住民が避難できる計画が今の県や高島市に
ないのに、再稼働を進めようとする関電や規制委は許せ
ない」と憤ったと伝えている(同上)。
福井県内の原発の再稼働禁止を求めて係争中の大津地裁
訴訟の辻義則原告団長(67)は「(自民が圧勝した)
衆院選が終わるのを待っていたかのように審査合格を判
断した規制委の動きに意図的なものを感じる」と指摘す
る。11月末には高浜原発などの再稼働差し止めを求めた仮
処分申請が却下された。「(大津地裁の判断は)安全性が万
全でない状態で再稼働はあり得ないということだった。規制委
は裁判所が指摘した未整備の避難計画の問題などの疑問に
えておらず、怒りを感じる」と語気を強めた伝えている(同上)。
再稼働は高浜だけでない「電力会社による再生可能エネ
ルギーの接続保留をきっかけに、解決に向けた議論が各
方面で繰り広げられてきた。しかし政府と電力会社は旧
態依然の考え方に固執したままである。再生可能エネル
ギーの導入量を抑制する一方で、停止中の原子力発電所
は古い設備を含めてフル稼働させる方針だ。」(スマー
トジャパン 「再生可能エネルギーを抑えて原子力を最大
に、世界の潮流に逆行する日本の電力」2014.12.17) と
し、
「おそらく次回の(「エネルギー)小委員会の場で、資源エネル
ギー庁が出力抑制ルールの具体的な変更案を提示すること
になる。その案の中には、太陽光発電がピークになる昼間の
時間帯に出力を抑制できる新ルールを加える可能性が大き
い。」と看破し、
「世界の主要国を見渡してみると、ヨーロッパを中心に政府が
主導して再生可能エネルギーの導入量を意欲的に拡大して
いる。アジアでも中国やインドでは風力を中心に導入量が増
加して、再生可能エネルギーの比率が高まってきた。アメリカ
でさえ原子力を縮小している中で、日本の政府と電力会社が
進む方向は時代の流れに逆行している。」と結んでいる。
【脚注及びリンク】
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1.ネットワークたかしまのわ
2.高浜原発再稼働へ2014年10月21日 |日誌
3.関電、大飯再稼働なくても電力供給に余力 2012年07月
27日 | 防災と琵琶湖
4. 高浜原発現地調査始まる 安全対策実効性検証 2012
07月24日 | 防災と琵琶湖
5. 原子力防災訓練 2012年03月18日 | 防災と琵琶湖
6. 琵琶湖と原発 2011年03月30日 | 防災と琵琶湖
7. 関電・高浜原発が安全審査「合格」 再稼働は15年春以降
日経新聞 2017.12.18
8. 高浜原発 再稼働の同意求める範囲など焦点 NHK 2014.
12.17
9. 原子力規制委、高浜原発「安全基準に適合」 再稼働へ道
AFP 2014.12.17
11.高浜原発再稼働へ事実上の合格 原子力規制委「新基準
に適合」 福井新聞 2014.12.17
12.高浜原発「新基準に適合」 来春以降、再稼働へ 中日新
聞 2014.12.18
13.再エ抑えて原子力最大に、世界潮流に逆行する日本 ス
マートジャパン2014.12.17
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