関電、大飯再稼働なくても電力供給に余力

2012年07月27日 | 防災と琵琶湖


【関電、大飯再稼働なくても電力供給に余力】

 

政府の節電要請から16日までの2週間の関西電力管内
の電力需給で、最大需要は2301万キロワットにとどまり、
出力118万キロワットの大飯原発3号機(福井県おおい町
)が再稼働しなくても、供給力を9%下回っていたことが分
かった。猛暑となり17日の最大需要はこの夏一番の254
0万キロワットに達したが、10%以上の供給余力があった。
政府は夏場の電力不足を理由に強引に大飯原発の再稼
働に踏み切ったが、節電効果など需要の見通しの甘さが
浮き彫りになった。 

関電は5月にまとめた試算で、原発ゼロのままなら7月前
半は8・2%の供給力不足が生じるとし、再稼働の必要性
を強調した。政府は大飯の再稼働を決めた上で、関電管
内に猛暑だった2010年夏比で15%の節電を求め、3号
機のフル稼働後も節電目標を10%に設定している。 

政府は2日に節電要請を開始。関電の資料などによると、
16日までの2週間の最大需要は10年同時期と比べて平
均で12%低下。最大需要の2301万キロワットを記録し
た瞬間は供給力を344万キロワット下回り、大飯3号機の
118万キロワットを差し引いても余裕があった。需給が最
も逼迫(ひっぱく)した時間帯でもさらに209万キロワットの
供給が可能だった。

 一方、関電に平均36万キロワットを融通している中部電
力も2週間の最大需要は2139万キロワットで、供給力を
9%下回った。中電管内の節電目標は当初は5%で、現
在、4%に設定されているが、安定した供給体制を確保し
ている。 

関電広報室の担当者は「雨や曇りの日が多く供給が安定
したが、今後は気温が平年より高くなるとの予報がある。
大飯原発4号機が稼働しても需給の見通しは厳しい」とコ
メント。中電広報部の担当者も「火力発電所のトラブルリス
クなどがあり、電力供給は厳しい」と話した。 

千葉商科大の三橋規宏名誉教授(環境経済学)は「政府
や電力会社が、原発を再稼働させるため、電力需要を恣
意(しい)的に過大に見積もった結果だ。今後、猛暑になっ
ても電力は足りると思うが、脱原発の機運を高めるため、
引き続き企業と家庭で節電の努力が必要」と話した。 

       2012年7月18日 09時49分 中日新聞



【高浜原発】



※使用済み間燃料の排出量は年間フル計算で百万kWで
 1トンとして計算。原爆は1発1㎏として計算。

【漂流する核廃棄物】

原子力委員会の依頼で、日本学術会議(会長・大西隆東大大
学院教授)が解決の糸口を探るため二年前に議論を開始。だ
が今月上旬に出した結論は、地下深くに埋める現行の処分方
針では安全性の確保も受け入れ先を見つけるのも難しく、方針
転換が必要との内容で、一から考え直すことを提起した。近く
報告書をまとめるが、将来に負の遺産をつけ回す原発の最大
の問題点があらためて浮かんだ。

毎時1500シーベルト(1505万ミリシーベルト)と人がわず
か20秒で死に至る放射線を放つ高レベル放射性廃棄物は、
処分がやっかいだ。国は2000年に関連法を制定し、廃棄物
をガラスで固め、地下三百メートル以上の地層に埋める「
地層処分」方式を採用した。しかし、処分場の受け入れ先
はまったくめどが立っていない。何とか打開策を見いだそ
うとした原子力委は10年、学術会議に知恵を出してもらう
よう頼んだ(内閣府:日本学術会議)。

核のごみの放射線レベルが十分に下がるまでには約十万年
という想像もできないような時間がかかる。日本はもとも
と地震や火山活動が活発なことに加え、議論を始めた後、
東日本大震災が発生し地殻変動も活発化している。検討委
は、そんな現実の中で、10万年間安全だと説明しても住民
の理解は得られないとみて、地層処分からの方針転換を議
論。50~数百年にわたって暫定的に貯蔵し、その間に抜本
的な解決策を探る、と先送りの案も浮上した。「将来世代
にごみを送り続けるのは現代人のエゴだ」「未来の人類の
知恵にすがらなければ、最終的な決定ができないとわれわ
れの限界を認めなければならない」今月7日の検討委でも
さまざまな意見が出た。結局、一致したのは、地層処分で
は住民理解は進まず、行き詰まりは解消されない-という
ことだった。検討委は8月下旬にも報告書をまとめ、原子
力委に提出する予定。検討委員長の今田高俊東京工業大教
授(社会システム論)は「脱原発を進めても核のごみ問題
の議論は避けられない。われわれの
検討結果が、国民的な
論を呼び起こすことを期待している」と話している。


         「東京新聞」2012年6月18日 07時04分



【エピソード】

なんとなくわかっていたことだが、このように記録や数値
により事実関係が日々明らかにされてきている。

「今更ネタではありますが、ご存知の通り関西電力大飯原
発は3号機(118万kW)が発電を再開、その陰で火力発電所
8基を止めました(300万kW相当です)。何のことはない、
余剰電力は十分あるんですね。ちなみに止めた火力発電所
のうち5基は長期計画停止中のため、再稼動するには「2
~3年程度必要」とのこと(関電談)。制度上、関電に限
らず発電事業者は原発を1日稼働すると5億円を儲け、そ
の代償としてヒロシマ型原爆3発分の死の灰を生成します。
このやっかいな放射性廃棄物は、最終的に<仮置き>と称
して全て青森県の六ヶ所村へ集約されます。、、、ガレキ
どころの話じゃないですね。」( 不定期日記(2012))

-----------------------------------------------------

最終処分方法がないものを使うという原発は「無免許運転」と同
じだ(だからいくらコスト計算で安いとはじき出しても、それは虚
構にすぎない)。

政府は早急に(1)衆参を同時解散し、総選挙を実施するか(2)
原発稼働方法めぐって国民投票するかの二者選択を決定すべ
きすべきだ

【脚注及びリンク】
----------------------------------------------------
・「世界はどのように「核のゴミ」を処理しているのか
・「大飯発電所」ウィキメディア
・「滋賀県と京都府、大飯原発再稼働について物申す
・「高浜発電所
・「関西電力は大飯原発を再稼働して、火力発電所8基を停
  止」
・「線量計偽装 作業員8人 違法派遣か
・「不定期日記(2012)」2012.7.21
・「<原発推進秘密会議>司会役がメール削除 隠滅の疑
 い
」(毎日新聞、2012.7.27)
-----------------------------------------------


最新の画像もっと見る

post a comment